presented by2+3新春号New Car Impression

小さい・広い・低燃費。Nの名を冠したHONDA渾身のトールワゴン

HONDA N BOX

プロフィール

有効室内空間への徹底したこだわり

 ホンダは'67〜'72年、N360という軽自動車を持っていた。N360の開発コンセプトは「先ずキャビン(客室)から設計をはじめました」であったが、今回新たに登場したN BOXはその名にNを冠しただけではなく、そのコンセプトまでも継承している。曰く「もう一度キャビン(客室)から設計をはじめました」。そのコンセプトは「1ミリでも広くしたい」というアクションへ繋がり、「ミニマムエンジンルーム」と「センタータンクレイアウト」の採用に至った。
 エンジンルームは自動車において大きな割合を占める。動力源なので当然と言えば当然なのだが、限られたサイズの中でその割合を減らせば減らすほどキャビンを広くとれることになる。N BOXではエンジンルームを従来比で70mm前方に圧縮。その分を室内長に有効利用するという戦略をとった。しかもそれに合わせてエンジンを新開発するという徹底ぶりである。後述するが、後部座席足元の余裕は驚嘆に値するもので、もはや完全に軽の枠を超えている。
 センタータンクレイアウトは既にフィットでお馴染みの特許技術で、燃料タンクを前席下に配置することにより、後席より後ろの段差を無くし有効空間を広げるもの。これによってN BOXは1,400mmもの室内高と、480mmの低床化(リアハッチ開口時、地面から最下部までの高さ)を実現している。

数字上でも現車でも体感できる広さ

 外観はとにかく四角い。そして大きく見える。ショールームを訪れた人が口々に「本当に軽なんですか?」と尋ねたというのもうなづける。
 全長3,395×全幅1,475×全高1,770〜1,800mm。前から見るとサイドウインドウはほとんど垂直に立っており、横から見るとフロントウインドウは必要最低限しか寝かされていない。小型車にとって四角いことは室内有効空間に直結する重要なポイントで、N BOXではなんと室内長2,180×室内幅1,350×室内高1,400mmという広大な空間を作り上げている。また荷室幅は1,120mm、スライドドアの開口幅は640mmと、これまた広く、前ドアも90度近く開くので、乗り降りにも全くストレスを感じさせない。
 座席はミドルクラスセダンと同等サイズのものを採用し、こちらもゆとりの空間に一役買っている。軽のシートは全般的に小さめで、大柄な男性だと運転席でさえも座面に収まりきらないと感じることがあるが、これを見事に解消している。

こだわりが随所に見られる室内

 インテリアはシンプルだが、上下に分割されたダッシュパネルデザインがアクティブな印象。低床化の恩恵で乗降は極めてスムースな上、運転姿勢もセダンタイプとなんら変わりない。一方、頭上空間は広大だ。「拳○個分」とよく表現するが、N BOXのそれは拳どころではなく、頭一個分のスペース。運転席から左後ろを振り返ると、そこにはこれまで見たこともないような余裕の空間が広がっている。ここでも思わず「本当に軽?」と言ってしまいそうだ。
 そして後部座席。足元の圧倒的な余裕は軽自動車はもちろん、中型、いや大型セダンでさえも味わったことがない。座面をはね上げれば大物の荷物も楽々と飲み込んでくれるので、買い物やビジネスユースにも最適だろう。ショールームでは是非、後部座席に座ってみて戴きたい。
 また「ピタ駐ミラー」というシステムもユニークだ。サイドミラー下部が広角になっているほか、リアハッチガラス中央上部に後方視界を確保するミラーを設置。さらに助手席Aピラーの内側に2つのミラーが取り付けられており、左前と左横の視界を支援してくれる。これらは車両周囲の死角を徹底的に減らす目的で開発されたもので、安全確保はもとより、走行ラインの確認などにも役立ちそうだ。

ホンダ N BOX詳細写真

インプレッション

快適装備・走りの機能は高レベル

 ラインアップは大きくノーマルモデルとカスタムに分かれる。ノーマルモデルにはG/GベースのLパッケージ、カスタムにはG/Lパッケージ/ターボパッケージというバリエーション。すべてにFFと4WDが用意される。
 エンジンは共通のDOHC直列3気筒。NAでも58ps/7,300rpm・6.6kgm/3,500の最高出力・トルクを発生し、CVTとの組み合わせでとても軽快に走ってくれる。ターボ以外のモデルにアイドリングストップ機構がつくほか、スマートキー、ヒルスタートアシスト機構、ディスチャージヘッドライト、VSA(ABS+TCS+横滑り抑制)などの機能はなんと全車標準で装備される。またLパッケージ以上にパワースライドドア、フルオートエアコンが用意されるなど、かなり充実した内容に仕上げられている。
 さてHV/EVが注目を集める中、軽自動車こそエコカーだという志向も根強い。ホンダはライフ/ゼスト/バモスを展開しているものの、ダイハツ、スズキはやはり手強い。そこで「後発だからこその高い完成度」を目指して生まれたのがN BOXである。幅広い年代層に訴求でき、使い勝手が良くて低燃費で、しかも走りが楽しいクルマ。そうしたニーズをどこまで掴むことができるか、非常に楽しみなモデルである。

取材協力:Honda Cars 北海道 百合が原店(011-722-4101)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)、テキスト:横山聡史(Lucky Wagon)

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