presented by2+3新春号New Car Impression

欧州の駆け抜ける美的旋風

CITROEN  DS4

プロフィール

待望の6ATでフレンチテイストを気軽に

これを待ち望んでいたユーザーも多いのではないだろうか。シトロエンDS4に、アイシン製の6ATを装備した「Chic」(シック)が、12年9月に新たに加わった。11年9月に日本デビューを果たしたDS4は当初、セミオートマの「6EGS」(生産終了)と「6MT」の2タイプのみ。セミオートマといってもなんだかピンとこないし、マニュアルはマニアたちの領域で免許もAT限定だし…。おしゃれで気になっていた車だけど…。いま一歩、DS4に踏み出す勇気のなかったユーザーにとっては朗報。6ATの登場はそんなユーザーたちの背中をポンと押してくれて、フレンチテイストの世界へ誘ってくれる。敷居も低くなった。だが、それだけではない。6ATの「Chic」は確実に進化している。最高出力は「6EGS」より6psアップの162ps。低、中速域での6ATは、特に1〜4速のギアレシオが低く、街中走行時で多用するギアレンジとあって実にスムーズ。6ATは上位車種の「C5」「DS5」にも搭載されており、なんでもっと早く「DS4」に搭載しなかったの、と思ってしまうぐらい良い出来だった。

「最も美しいクルマ」の遊び心と芸術性

フォルムはさすがにフランス車と思わせるデザイン性だ。見る人によってはSUV、クーペ、ハッチバックにも。美しさを一言で表現する浅はかさを感じる。第26回国際自動車フェスティバルの一般投票で、2010年の「最も美しいクルマ」に輝いたのも納得してしまう。フロントグリル中央には、シトロエンのシンボルマークでもあるダブルシェブロンをシルバーでかたどった。鋭角的なヘッドランプは知的さを醸し出し、フォグランプ周囲のLEDのポジションランプがクルマの進化を感じる。サイドビューは鋭角的なウインドーをシルバーメッキで囲む。ここで最初のサプライズ。後部席のドアのハンドルがない。どうやって開けるのか。後席のウインドー後方の鋭角部分がドアハンドルになっている。デザイン性を重視したのか、遊び心があるのか。いずれにしても発想が楽しい。リアビューは、下部に施されたバンパー一体型マフラーが、後姿を艶やかに演出。17インチのアルミホイールが足元を軽快に見せている。フランス車といえば、個人的には90年代のプジョー205GTIの走り、最近ではルノーのルーテシアやメガーヌのデザイン性が好きだった。これまでカチッとした車が多かった印象のあるシトロエンだが、DSシリーズのアバンギャルドなクルマも目が離せなくなってきた。

マイスペース感覚の革新的なインテリア

インテリアはさまざまなカスタマイズが可能で、自分好みにアレンジできる。メーター類の表示光をホワイトからブルーまで5段階で調整でき、ウインカーなどの作動音を4種類の和音から設定できる。気分に応じてメーターの色を変え、無機質だったウインカーの音もアートになり、時としてポップな音色にもなる。おもしろい。楽しい。これもサプライズ的な発想で、美的感覚があふれるDS4ながら、おちゃめな雰囲気が漂う。シートはファブリックとレザーを組み合わせたのが標準装備。オプション設定にウオッチストラップをモチーフにした独創的デザインの「クラブレザーシート ハバナ」(37万円)を選択すれば、さらに高級感と個性を強調できる。一番、うれしいのは標準装備で腰部のマッサージ機能が付いた「アクティブランバーサポート」で、これは病みつきになってしまう。長距離運転が楽しくなり、疲労軽減の効果を発揮してくれそうだ。実用的な部分では、「パノラミックフロントウインドー」が開放感を高める。ドライバーの頭上までフロントウインドーがあり、高い位置にある案内標識の視認性が格段に向上。まぶしい時には、スライディングサンバイザーで日差しを遮ることができる。ステアリングには、クルーズコントロールやオーディオなどの各主要スイッチを配し、視線を大きくずらすことなく、手元で操作できる。

シトロエン DS4詳細写真

インプレッション

スポーツマインドも健在。走りも楽しめる

「DS4 Chic」のパワーユニットは、1.6Lのツインスクロールターボ。主流になっているシリンダーに燃料を直接噴射するタイプで、高い燃焼効率を発揮する。DS4と基本的なデザインやプラットフォームを共有するユーティリティー的な「C4」よりも、スポーティーで、ボディー剛性も高い。ターボもじわじわっと効いてくるような感覚で、非常にしつけのよい洗練された印象だ。ハンドリングも不安定な軽さはなく、しっかりと路面のインフォメーションを伝えてくれて、自然な感じだ。162psの最高出力は、しっかりとスポーツカーとしての役割も果たしてくれる。女性にとってうれしいのは、駐車のしやすさもあるだろう。前方、後方にソナーを設置し、車両と障害物との距離を検出する。ここまではさほど珍しくないが、男性でも苦手な人が多い、あの縦列駐車に大きな力を発揮するシステムがある。標準装備の「パーキングスペースセンサー」で、車両の前後のスペースを検知して駐車が「可能」「困難」「不可能」の3段階のシミュレーション結果をディスプレーに表示。縦列駐車のドキドキ感とイライラ感を緩和する大きな武器になる。全幅がクラウンよりもワイドな1810mmあるため、ありがたいシステムだ。

ステアリングを握る喜びに満たされる

「DS4 Chic」のドライバーズシートに身を委ねると、まず開放感のあるフロントウインドーが車内に明るさをもたらす。独創的かつ洗練されたメーター類やステアリング周りに、期待感が高まってくる。ダウンサイジングの主流で1.6Lの排気量ながらも、実に力強く回る。クセのないエンジン特性で、アクセルを強く踏めば加速も素早い。フランス車は、昔から小粋な小型車(小排気量車)というイメージだったが、伝統を踏襲しつつも確実に革新的になってきたと思う。そのフォルムは日本車にはないデザインが施され、隣の車線のドライバーから凝視されるほど注目度も高かった。今や見慣れたメルセデス、BMW、アウディのドイツ御三家よりも新鮮さがDS4にはある。もちろん、欧州のライバル車にはゴルフ、アウディA3、BMW1シリーズなどがある。その中でユーザーにとって新たな選択肢が増えたことはうれしい限りだ。シトロエンは、C5などに搭載するガスとオイルによる電子制御サスペンション(ハイドラクティブ・プラス)が大看板だ。ハイドロの別次元の乗り心地の良さは、世界的にも定評があり、シトロエン=ハイドロという結びつきにもなる。だが、今回の「DS4」を含めたDSシリーズには、ハイドロを搭載していない。しかし、足回りのしっかり感はハイドロ非搭載でも全く遜色のないレベルにセッティングされており、機構が簡単な分、バネ下にかかる荷重が小さいことも軽快なハンドリングに寄与していることだろう。シトロエンは、フランスのオランド大統領が「DS5」に乗って大統領就任式に臨んだほど格式と伝統がある。培われた伝統の技術力の誇りを持つ一方、革新的なクルマづくりへのかじ取りへ―。シトロエンの進化を続けるクルマへの情熱が、「DS4」から感じられる。

ディーラーメッセージ

CITROEN札幌南
セールスマネージャー
野村優子さん

新しく加わったDS4の6ATは、特に販売に力を入れています。シトロエンと言えば「ハイドロ」に代表されるように、こだわりを持ったお客様に支持されてきました。今回のDS4は、初めてのお客様にとっても、シトロエンに入りやすいクルマです。ウインカーの音設定やマッサージ機能の付いたシートの快適性、さらにBMWとの共同開発のエンジンはスムーズに回ってくれます。たくさんの人にこのクルマの魅力を知っていただきたいです。

主要諸元

(Chic)
●全長×全幅×全高/4275×1810×1535mm
●ホイールベース/2610mm
●トレッド/前:1530mm 後:1525mm
●車両重量/1380kg
●最小回転半径/5.3m
●エンジン/1598cc 直4 DOHC 直噴ターボ
●最高出力/162ps/6000rpm
●最大トルク/24.5kg・m/1400rpm
●JC08モード燃費/11.3km/L
●ミッション/6AT
●ブレーキ/前:Vディスク 後:ディスク
●タイヤサイズ/215/55R17
●駆動方式/FF
●乗車定員/5名
●車両本体価格(札幌地区)/3,100,000円(消費税込)

テキスト:有岡 志信、Photo:川村 勲(川村写真事務所)、取材協力:CITROEN札幌南(011-820-4106)

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