presented by6+7陽春号New Car Impression

広く、効率よく、やさしい

SUZUKI  SPACIA

プロフィール

注目の新登場

 スズキのトール型ワゴンと言えば、2008年に登場したパレットが有名。足元やヘッドスペースに広々とした空間を確保し、工夫を凝らした収納ボックスを多数設け、痒いところに手が届く快適な居住性を実現したことで、若年ファミリー層からの根強い支持を得た。そんな人気車種が、この度フルモデルチェンジ。その名もスペーシアと改め、新たな境地へとステップアップを果たしたのである。その肝に据えられたのは、スズキが世界に誇る環境技術であり、今や代名詞ともなった“スズキ・グリーン・テクノロジー”である。 新型ワゴンRに初めて採用された後、2013テクノロジー・オブ・ザ・イヤーを受賞したこの技術は、先ごろ市場投入されたばかりのアルトエコにも搭載し、ガソリン自動車燃費性能No1の座を堅持する大きな要因となった。 その勢いのまま、新車種スペーシアにも標準装備。おまけに、今回の取材の時点では全貌が明らかにされていなかったスペーシア・カスタム(2013年6月発売)も、スズキ・グリーン・テクノロジーで完全武装されることだけはすでに発表されていた。近頃顕著なメーカーの攻勢は、「留まるところを知らず」といった印象が強い。

乗り降りラクラク

 技術面の検証に入る前に、まずはボディーに着目してみよう。 車体サイズがほぼ同じなだけに、思わずそのルックスにパレットの面影を探してしまうが、そんな先入観を断ち切るかのようにムダを削ぎ落とした、スッキリと収まりの良いデザインに仕上がっている。エコ志向へとベクトルをしっかりと定めた、スペーシアのコンセプトを象徴しているとも見て取れる。 全体的にドアが大きく、スムーズに乗り降りできるのがトール型ワゴンならでは。後部両側にスライドドアを設定している点も、またしかりだ。スペーシアはさらに、助手席側後部のドアハンドルに小さなボタンを設定し、指先で触れると自動開閉するワンアクションパワースライドドアを採用(一部グレードはオプション)。これによって、キー操作に頼らずに開閉が可能になった。例えば、小さな子供を片手で抱きながらもう片方の手にハンドバッグを抱えたお母さんが、リモートキーをポケットやバッグから取り出す手間をかけずに乗車できる。また、助手席のドアノブにも同様のボタンがあり、こちらはワンタッチでロックの開閉が可能で、さらに利便性が高い。 その上、後部スライドドアの振り出し量は150mmと、クラストップレベルの少なさ。満車状態の駐車場に持ち込んで検証してみると、窮屈な昇降スペースしか確保できない場面でも、ドアの開閉に全く不安を感じなかった。リアステップ地上高も340mm(2WD車)と、こちらもクラストップレベルの低さ。1230mmもの開口高の効果もあって、体を屈めるストレスはほぼ皆無であると感じた。このあたりは、幼児や高齢者にも優しい設計と言えよう。さらに、リアシートを倒せば大容量のラゲッジスペースが出現する。大人用の自転車も立てたまま積み込みが可能だから恐れ入る。そのほかにも親切設計が随所に見られ、そのひとつひとつに感心させられた。

走行性に好影響

 ではいよいよ、テクニカル面に視点を移していく。 本誌面でも度々紹介しているが、スズキ・グリーン・テクノロジーとは、エネチャージ、時速13km以下でエンジンを自動停止するアイドリングストップ、エンジン停止時もエアコン送風をキープするエコクール、新軽量衝撃吸収ボディーTECTの4種を示す。これら独自の技術と、エンジンの効率化などによる複合的な効果により、高い次元での燃費性能を実現させていることで、目下各方面から高い評価を得ているのだ。今回はその中でも、あらためてエネチャージに着目してみたい。 減速時に発生するエネルギーを使って高出力のオルタネーターで発電、これを鉛バッテリーと軽量ながら効率に優れたリチウムイオンバッテリーに充電し、オーディオやメーターなどに電力供給するのがおおまかな仕組みだ。そして、発電時のガソリン消費を軽減することで、燃費向上を実現させるというスグレものである。通常のシステムは常時オルタネーターを稼働させて電力をまかなうのに対し、スペーシアは発進および走行においてバッテリーに蓄電された電力を使用するため、その間はオルタネーターをストップさせている。ゆえに、エンジンの負荷も軽減されるという点も大きな特徴だ。今の説明でピンとこない人は、自転車とダイナモの関係をイメージしてほしい。ダイナモでライトを点灯すると、その分漕ぎ手の脚力に負担がかかる。実は、クルマの発電システムも原理的にはこれと同じ。オルタネーターをストップさせるということは、すなわちエンジン性能が遺憾なく発揮されることである。後に触れるように、試乗時はまさにその効果を実感した。

スズキ SPACIA詳細写真

インプレッション

爽快なドライブフィール

 スペーシアのグレード構成は、シンプルなG、充実装備のX、ターボを搭載したTの3種で、いずれも4WDバージョンが用意されている。 その中で、試乗用として提供されたのはXの4WDモデル(144万600円)で、オプションでカーナビを搭載したものだ。 キーレスプッシュスタートシステムで立ち上がったエンジン音は、軽自動車とは思えないほど静寂性が高く、まずはしょっぱなからエネチャージの効果を実感した。発進およびレスポンスはスムーズで、4000回転を超えてからの加速フィールは予想以上である。ハンドリングは安定感に富み、タイトなカーブに高速で突っ込むようなドライビングをしない限りは、ローリングを感じるような場面も少なかった。 アクセルから足を離し、インパネにエネチャージ稼働のマークが表示されると、オルタネーターが始動してエンジンブレーキが強くかかっていることがリアルに伝わってくる。そこから、加速に転じると発電の負荷から解放された喜びを噛み締めるかのように、スイスイといった感じの軽快さで車体が推進していく感覚が良い。エコロジーを追求した技術を搭載することはすなわち、走りを犠牲にせざるを得ないところだろうが、スペーシアはむしろ優れた走行性能を獲得している点に大きな意義がある。 なお、ワゴンRとアルトエコにならって、スペーシアもエコドライブ状態に入るとメーター周り配された照明がブルーからレッドに変わる。また、エコドライブの達成度を100点満点で評価するシステムも踏襲。筆者の運転が少々荒っぽくても、まずまずの点数を表示してくれたのも、スペーシアの高い能力があればこそであろう。

広くて効率的

 パレットの後継車として十分、と言うより完全に凌駕するポテンシャルを、そのスッキリまとまったボディーに秘めたスペーシア。新プラットフォームの採用で室内長が2215mmに拡大された効果も、後部座席に座った際に膝下に広がったスペースの余裕から実感できた。 実際に試乗してみると、至れり尽くせり感が非常に高く、運転していてラクだという点もポイントが高い。 そして気になる燃費は、GとXの2WD車で29.0km/L、4WD車で26.8km/Lと、いずれも極めて秀逸な数値である。しかも、ターボ搭載のTの4WDでも25.0km/Lを計上するあたり、驚異的ですらある。スズキグリーン・テクノロジーの底力を、まざまざと見せつけられた。。

ディーラーメッセージ

スズキアリーナ札幌北
カーライフアドバイザー 小野早耶美さん

 ママにも赤ちゃんにもやさしい設計がスペーシアのアピールポイントのひとつです。乗り降りがしやすくて、お荷物の積み下ろしもラクラクですよ。ラゲッジスペースも大容量ですから、ご家族でのお出かけにも最適です。ボックスティッシュがそのまま入るフロントオーバーヘッドコンソールをはじめ、収納スペースもたくさん用意されていますので、車内をより広く活用していただけると思います。スズキ・グリーン・テクノロジーの採用で、燃費が良く走りもスムーズです。試乗していただければ、その魅力を実感いただけると思います。

主要諸元

(X 4WD)
●全長×全幅×全高/3395×1475×1740mm
●ホイールベース/2425mm
●トレッド/前:1295mm 後:1290mm
●車両重量/900kg
●最小回転半径/4.4m
●エンジン/658cc 直3 DOHC VVT
●最高出力/52ps/6000rpm
●最大トルク/6.4kg・m/4000rpm
●JC08モード燃費/26.8km/L
●ミッション/インパネシフトCVT
●ブレーキ/前:Vディスク 後:リーディング・トレーリング
●タイヤサイズ/155/65R14
●駆動方式/4WD
●乗車定員/4名
●車両本体価格(札幌地区)/1,440,600円(消費税込)

テキスト:青柳健司(フォトライター)、Photo:川村勲(川村写真事務所)、取材協力:スズキアリーナ札幌北(011)721‐8335

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