presented by4+5陽春号New Car Impression

トヨタの売れ筋ミニバン 勇躍してそろい踏み

TOYOTA ノア&ボクシー

プロフィール

進化への期待感

 充実したラインナップを誇るトヨタのミニバン系の中で、ヴォクシーとノアは兄弟車種、あるいは姉妹車種として、同一の機能と性能を有していることは周知の通り。ともに2001年の登場以来、ピッタリと歩調を合わせた進化をたどりながら、ほぼルックスのみの違いによって、それぞれ独自のユーザー層を獲得して来た。そして先頃市場投入された3代目に当たるニューモデルもまた、仲良く同日に販売がスタート。ただ今回は、多くのユーザーが待ち望んだハイブリットシステム搭載車がついに配備されるとの事前情報が流れたことも手伝って、トヨタファンはもちろんのこと、すでに各方面に多くのトピックを提供している状況となっている。 果たして、その変わり様はどのようなものなのか? 普段は車種毎のリポートを常としているこのコーナーの特別バージョンとして、両車種同時の試乗インプレッションを拡大枠で試みることにした。

立ち位置が明確に

 シャープなルックスをまとい、比較的若年層のファミリーを意識していると見て取れるのがヴォクシー。対してノアは、マイルドなデザインが印象に残ることから、落ち着いたファミリー向けというのがこれまでの一般的な受け止め方であろう。当然ながら、どちらがより好ましく感じられるか、もしくはどちらがよりライフスタイルに合ったデザインと捉えるかはユーザーの自由裁量であるが、エアロパーツなどでドレスアップを図りたい向きはヴォクシーを選択し、ノアはノーマル派が多数を締める、そのような傾向にあると言ってよいのではないだろうか。今回両車に与えられたデザインもまた、これまでの一般的なイメージを踏襲したもの。新型ヴォクシーはより先鋭的に、ノアはよりエレガントに、それぞれの立ち位置をハッキリと打ち出して来たのである。というワケでまずは、ヴォクシーから順に検証していく。

一新されたフロントマスク

 新しいフロントマスクは一見して、直線的なラインを際立たせた印象が強い。特に、エッジの効いたデザインのカバーの奥に収まるLEDヘッドランプと、その上に同じくLEDを採用したスタイリッシュなクリアランスランプを配した部分に新味がある。今回試乗に提供された車種は、ほかよりもメッキパーツを多く取り入れ、フロントフェンダーが幾分張り出していることもあり、一段とグラマラスな仕上がりとなっている。 一方新型ノアは、LEDランプを埋め込んだフロントライトは、先代モデル譲りのたっぷりとした大きさで、カバーの形状がゆるやかな曲線を描いていることもあり、一層気品を感じるデザインへと昇華した。同時に、メッキを多様したグリルがゴージャスな印象を与え、女性的な優雅さを増したようにも感じられる。 インテリアについては、グレードによってカラーリングの選択肢が多少異なるものの、質感に向上が見られるファブリックシートそのものは同一である。空間デザインやインパネ周辺のデザインも同じで、エアコン系の機能を凝縮させた操作パネルは使い勝手がよく、また見た目も実にスッキリとまとまっている。ともに、全長で100mm程度、全幅も若干拡大されたことから、スペースに余裕が生まれていることは、着座するや実感できる。とりわけ、これまではお世辞にも快適とは言い難かった3列目シートの居住性が、大幅に改善されている。

低床化がもたらすもの

 さて、今回のモデルチェンジの目玉のひとつとは、低床化を図ったことにある。床面を実に85mmも下げ、子供や高齢者の乗り降りの負担を軽減することなどを目指した。実際に、後部座席にはワンステップで楽々と乗り込め、その恩恵を十分に感じることができる。また、荷室スペースへの大型の荷物や重量ある荷物の積み降ろしがすこぶるイージー。低床化は、間違いなく大正解である。 次に、トヨタ車初の試みという、ワンタッチスイッチ付パワースライドドア(助手席側)に触れてみた。当たり前のように指1本でスライドドアが静々と開閉し、その有効性をあらためて認識する。手荷物が多くなりがちなファミリー層にとって、この上ない魅力となることだろう。 ハンドリング制御、ブレーキ制御、駆動力制御を協調させるS―VSCや、周囲の明るさを関知してロービームとハイビームを自動で切り替えるオートマチックハイビーム、後続車のライトの眩しさを緩和する自動防眩インナーミラーなど、ドライブサポートシステムにも怠りが無く、誰にでも扱いやすくまた快適にドライブできるように配慮が行き届いている。

性能も充実

 グレード構成も共通で、2種のハイブリッド車、大型バンパーやリアスポイラーなどを装着した1車種(ヴォクシーはZS、ノアはSi)、そのほか装備に応じて3種を設定し、ハイブリッド車以外は7人乗りと8人乗り(ハイブリッド車は7人乗りのみ)があり、そのいずれもFF車と4WD車が配備されている。注目のハイブリッドシステム搭載車が取材時にはまだ発売されていなかったこともあり、今回試乗に提供されたのはノーマルエンジンバージョンでは最上級となるZSとSiだ。どちらも7人乗りの車種で、2列目のスペースが横にたっぷりと広く、また車体のセンター方向へシートをスライドすることが可能。もちろん、3列目のシートは左右にスッキリと収容されるので、用途に応じた多彩なレイアウトが可能だ。 パワーユニットは最大出力152ps/6100rpm、最大トルク19・7kgm/3800rpmと、能力としては十分な数値。燃費はJC08モード14・8km/L(FF車は16・0km/L)と、先代モデルからの改善を実現した。ちなみに、ハイブリッド車の場合は23・8km/Lと、このクラスとしては驚くべきデータを掲げている。なお、基本として性能・機能・装備は同じであるから、事項のインプレッションは両車共通のものとして理解してもらいたい。

トヨタ NOAH & VOXY詳細写真

インプレッション

ドライブする楽しさ

安定したハンドリングにより、混雑する街路での操舵にストレスを感じるような場面はまずない。回転半径は5・5mで、先代よりサイズアップとなった車体を駐車場などの狭い場所で切り回すにはそれなりの慣れを要するが、たとえ非力な女性であっても必要以上に手間取ることはないだろう。 アイドリングストップ機能(一部車種には搭載されない)により、停車から発進の度にエンジンに点火されることになるが、点火音は非常にナチュラルである。走行時の静粛性においてもケチのつけようはなく、幼児の健やかな眠りを妨げる要素はきわめて少ないと言える。 続いて筆者は、きついカーブのある登坂道に乗り入れて検証することとした。 まずは、ストレートの上りこう配では、低回転域から発生するトルクが車体をしっかりと引っぱり、もたつくこととなく登頂することができる。カーブでのローリングについては、高速で無理矢理な旋回をしない限りにおいては、感じるような場面は稀だ。そのあたりは、低床化の恩恵のひとつと言えるのかもしれない。 どちらも4WD車であるがゆえに、雪深い登坂道の登り下りに際して不安を感じるようなシーンが非常に少なく、雪道の運転に慣れていないドライバーもそつなく走行できることは想像に難しくない。ハイブリッド車はFFのみの設定となることを考え合わせると、厳寒の北海道においては、経済性よりも走行性重視で4WD車を選択するユーザーが増えていくのではないかとも感じられた。もっとも、アクティブトルクコントロール機能により、滑りやすい路面では適切な駆動力が維持されるので、“ハイブリッド=滑る”といったステレオタイプ的な認識は捨ててよい。 それはともかく、通常のDレンジに加え、マニュアル感覚でギアチェンジが楽しめる7速スポーツシーケンシャルシャフトを採用している点は、運転好きには堪えられない魅力である。先代モデルにも採用されて好評を博していたが、2速からの加速はなかなかの悦楽で、シフト操作の楽しさを再認識させてくれる。その際、車内に響くエキゾーストノートは、静粛性の高い車体であるがゆえにスポーツカー並みとまではならないものの、上々の迫力があることも付け加えておこう。 総括としては、様々な路面状況でしっかりとした走行性を保っていることが、安定したハンドリングからダイレクトに伝わり、車体サイズから想像する以上の完成度の高い走りを提供してくれる、それが新ヴォクシーとノアのポテンシャルであると結論づけたい。

ライフスタイルに応じて

 ハイブリッドバージョンへの期待値は上がる一方であろうと思われるが、実際にドライブしてみるとノーマルエンジン車の魅力も捨て難い。ユーザーとしては、どちらを選択すべきか多いに悩ましいところではある。ヴォクシーについては、今春にはハイブリッド車も試乗用に配備される見通しとのことで(取材時においてノアの方は配備未定だった)、まずは乗り比べてみるのが一番である。それは同時に、ユーザー自身と愛する家族のライフスタイルを見つめ直す、格好の機会ともなるに違いない。

ディーラーメッセージ

ネッツトヨタ札幌 中央店
営業スタッフ
田辺 秀嗣さん

 現行ヴォクシーと比べてみると、ステップがなくなったことが一目でお分かりいただけると思います。これによって、お子様やお年寄りの方も、乗り降りが格段にしやすくなりました。燃費も向上していますので、ご家族向けにどんどんアピールさせていただきたいですね。試乗された女性の方々からは「運転しやすくなった」というお褒めの言葉を多くいただいております。逆に、男性の皆さまは、「加速がよくなった」とおっしゃられます。新しいヴォクシーは、安心して楽しくドライブできる仕上がりになっていると思います。

ディーラーメッセージ

トヨタカローラ札幌 西店
スタッフリーダー
安田 博行さん

 現行ノアは大人しいイメージがご好評でしたが、今回はスタイリッシュなデザインに生まれ変わり、さらにご注目いただいております。これまで以上に前方視界がよくなった点や、ワンタッチで開閉するスライドドアや、乗り降りしやすくなった点もアピールポイントです。試乗されたお客さまの中には「ロールが抑えられたね」とおっしゃる方もいらっしゃいました。性能面も向上していることを、実感していただけると思います。

主要諸元:(ヴォクシーZS 4WD)

●全長×全幅×全高:4710×1730×1870mm
●ホイールベース:2850m
●トレッド:前/1500mm 後/1480mm
●車両重量:2065kg
●最小回転半径:5.5m
●エンジン:1986cc 直列4気筒DOHC
●最高出力:152ps/6100rpm
● 最大トルク:19.7kgm/3800rpm
● JC08モード燃費:14.8km/L
●ミッション: 自動無段変速機/7速スポーツシーケンシャルシフトマチック付
●ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
●タイヤサイズ:205/60R16
●駆動方式:4WD
● 乗車定員:7名
● 車両本体価格(札幌地区)/2,937,805円(消費税8%込)

主要諸元:(ノアSi4WD)

●全長×全幅×全高:4710×1730×1870mm
●ホイールベース:2850m
●トレッド:前/1500mm 後/1480mm
●車両重量:2065kg
●最小回転半径:5.5m
●エンジン:1986cc 直列4気筒DOHC
●最高出力:152ps/6100rpm
● 最大トルク:19.7kgm/3800rpm
● JC08モード燃費:14.8km/L
●ミッション: 自動無段変速機/7速スポーツシーケンシャルシフトマチック付
●ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
●タイヤサイズ:205/60R16
●駆動方式:4WD
● 乗車定員:7名
● 車両本体価格(札幌地区)/2,937,805円(消費税8%込)

テキスト:青柳 健司(フォトライター)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)、取材協力:カートヨタカローラ札幌 西店(011-662-6151) ネッツトヨタ札幌 中央店(011-731-9111)

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