presented by8+9盛夏号New Car Impression

ベールを脱いだ新クラウン、ハイブリッドフルタイム4WD車登場!

TOYOTA CROWN

プロフィール

北海道にこそ相応しい

 2012年に登場したクラウン現行モデルは、2013年1月生産開始のハイブリッドグレード(2WD)をもってラインナップは完成したと思われたが、先頃トヨタとしては初めてのフルタイム4WDを搭載したクラウンハイブリッドを市場投入。これを長らく待ちわびてきたトヨタユーザー諸氏にとって、まさに待望の瞬間が到来したことになる。 「アルファード、ヴェルファイア、エスティマ、ハリアーなどに、ハイブリッド四駆があるじゃないか」との指摘もあろうが、それらに採用されているシステムは、“E―Four”と呼ばれ、必要時のみに作動する独立したリヤモーターが、後輪の駆動をアシストする仕組みである。これに対して、今回は新開発の駆動システム“Four”を採用。フルタイムか否という基本構造の相違だけでなく、そこにはトヨタの技術力の熟成度が投影されている。詳しくは後に触れるとして、路面への応答性、走破性、旋回性の向上が明らかだ。ちなみに、クラウンシリーズのガソリン車種が採用しているのは、電子制御によるフルタイム四駆システムの“i―Four”。その優れた特性を、ハイブリッドカーに適応させたものが“Four”であると見て、おそらくはさしつかえないだろう。 実は、北海道におけるハイブリッド車の普及率は、日本全国のそれとは比較にもならないほどの低レベルで長らく推移してきた。その大きな要因は無論、四駆車種が限定されていたことにほかならない。要するに、北海道の厳しい気象条件下に暮らすトヨタファンの多くが、結局のところ経済性うんぬんよりも、路面状況を問わず安定した走行が可能なクルマに重きを置いてきたわけである。ゆえに、フルタイム4WDを備えたハイブリッドクラウンの恩恵は、私たち北海道のドライバーこそが最大限に享受することになるだろう。

輝くエンブレム

 フロントグリルのセンターで、燦然と輝く王冠エンブレム。そのスリット部分を、ハイブリッド系を象徴するブルーのラインに染め、独自の存在感を誇示するクラウンハイブリッドフルタイム4WD。ロイヤルシリーズ、アスリートシリーズ、マジェスタシリーズと、いずれにも設定されており、幅広い志向に応えようという意図が感じられる。同時に、特別仕様車となる“BLACK STYLE”を、ロイヤルサルーンとロイヤルサルーンFour、アスリートSとアスリートS”Four“に用意しており、こちらはよりゴージャスでスポーティーなクルマを求めるユーザー層に向けた仕様となっている。その中で、試乗に提供されたのは、アスリートシリーズ最高峰の“G”。ちなみに、いずれのハイブリッドバージョンも、排気量は2・5Lのみだ。 基本デザインにおいては、現行モデルから変更された部分はなく、インテリアもまた然り。乗り換えを検討している現行モデル他車種ユーザーからは「せっかくならどこかに新味を加えて欲しかった」といった声も上がってきそうだが、ガソリン車から移行の場合、メーター周囲の証明が赤のラインから、ハイブリッドならではのブルーラインになることと、タコメーターの位置にハイブリッドシステムの状況を表示する計器がマウントされていることから、コクピットの印象は随分と違ったものに感じられるハズだ。

新システムの特性

 では、いよいよ目玉である “Four”について考察していこう。 この四駆システムには、レクサスLSにも採用したトルセンLSDが用いられた。特性は、前後輪に生じた温度差によって瞬時に稼働するギアが、トランスミッションからの駆動トルクを適切に配分するというもの。通常走行時は、前後輪のトルク配分を40:60に保ち、高い走破性を提供。走行条件に応じて、50:50から30:70の間で配分を制御する。“i―Four”では、センサーが読み取った情報をもとにトルク配分を行っているのに対し、トルセンLSD採用により、さらにダイレクトな制御方式を獲得したことになる。また、吸・排気バルブのタイミングを適正化し、冷却効率を高めた専用エンジンは、文字通りの高出力・低燃費であり、なおかつレギュラーガソリン仕様。ユーザーの負担減にも繋げている。こうして、単にハイブリッドに四駆という選択肢を加えたのではなく、クラウンに一層の進化をもたらしたことは、非常に大きな成果と言える。何はともあれ、圧雪、アイスバーン、わだちなど、北海道ならではの厳しい道路状況にも、より素早くより柔軟にフィットしてくれるに違いないという期待感が、トヨタ流の完成度の高いハイブリッド四駆に寄せる私たち道民共通の思いではないだろうか。 加えて、4WD専用のトランスミッションを新開発し、発進加速性能をはじめとした走行性の向上にも努めており、それらの相乗効果で燃費はJC08モード21・0ml/Lを達成。なおかつ、システムの最高出力は220psにも相当する。こうして、経済性と安定的かつ高次元の走行性を成立させた、なんとも密度の濃い仕上がりとなっている。

クラウン CROWN詳細写真

インプレッション

転換期の予感

 コンパクトカーの最大の利点は軽自動車と同様の取り回しの良さである。試乗車のFタイプ1・3L 4WDは、最小回転半径がわずか4・5m。一般的な軽自動車が4・4mほどである。軽自動車よりも全長で約500mmも長いヴィッツだが、最小回転半径は100mmにとどめている。路肩のある片側1車線の道路の大部分は、1回でUターンできる。車両の見切りもつかみやすく、運転の不慣れなユーザーも違和感なくハンドルを握ることができそうだ。全高は1500mm(一部車種は1530mm)で、一般的な立体駐車場の1550mmの全高上限をクリアできる。フロントドアにはストッパーみたいに3段階で開かれ、狭い駐車場でも隣のクルマや障害物を気にすることなく、安全に乗降できる。細かい気配りがヴィッツの随所にちりばめられているのだ。

走りの性能は明らかに向上している

 トヨタ初のハイブリッドフルタイム4WD搭載車は、フラッグシップモデルのクラウンであることが、メーカーとして必然であったことは想像に難しくない。その高いポテンシャルは、クラウンの名に恥じないばかりか、価値をさらに高めるものであったと自信を持って断言したい。できることなら、厳寒期に再びその実力を確かめる機会に恵まれるよう、願って止まない次第である。 おそらくこの技術を、今後は他車種へとフィードバックしていくものと思われるが、 それが次期プリウスなのか、はたまた新車種なのか、今から非常に気になるところだ。それはそれとして、クラウンハイブリッドフルタイム4WDの待望の登場は、北海道のハイブリッド普及率に見られた低調なグラフを大きく塗り替える、そんな転換期の到来を予感させる。

ディーラーメッセージ

札幌トヨタ自動車 本社
販売係長
熊岡 正行さん

 以前から、ハイブリッド4WDの登場を心待ちにされいていたお客様がたくさんいらっしゃいました。今後はそのご要望にも、お応えできると思います。トルセンLSDを用いたことで、トルク配分を素早く適切に行えるという技術力の高さを、どんどんアピールさせていただきたいと考えています。すでに試乗をご希望される方が多数ご来店されていますが、その素晴らしさをぜひ、実際に乗ってお確かめください。

主要諸元:(クラウンアスリート G Four)

●全長×全幅×全高/4895×1800×1465mm
●ホイールベース/2850mm
●トレッド/前:1545mm 後:1545mm
●車両重量/2035kg
●最小回転半径/5.4m
●エンジン/2493cc直列4気筒DOHC
●最高出力/178ps/6000rpm
●最大トルク/22.5kgm/4200〜4800rpm
●JC08モード燃費/21.0km/l
●ミッション/電気式無段変速機
●ブレーキ/前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク
●タイヤサイズ/215/55R17
●駆動方式/4WD
●乗車定員/5名
●車両本体価格(札幌地区)/5,815,603円(消費税込)

テキスト:青柳 健司(フォトライター)、Photo:有岡 志信(SAフォトワークス)、取材協力:札幌トヨタ自動車 本社(011-231-3111)

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