presented by4+5陽春号New Car Impression

クリーンディーゼルモデルのみをラインアップ・小型クロスオーバーへ切り込む魅力的なニューモデル

プロフィール

マツダのクルマづくりを具現化した意欲作

 マツダは2010年10月に新世代技術スカイアクティブ・テクノロジーを発表して以来、ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」、オートマチックトランスミッション「SKYACTIV-DRIVE」などを段階的に搭載。スカイアクティブ全面搭載車は2012年2月のCX-5を皮切りに、同年11月にアテンザ、2013年10月にアクセラ、2014年9月にデミオと、順調にニューモデルを発表してきた。そして今回、デミオをベースとした小型クロスオーバーSUVモデル、CX-3が発売された。

 CX-3は国内販売モデルがすべて1,500ccのクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」となる。他の車種にガソリンエンジンがラインアップされていることを考えると、昨今のマツダの快進撃を支える「SKYACTIV-D」と「魂動(こどう)デザイン」を最も具現化したモデルと言えるかも知れない。

ダイナミクスを感じさせる美しいデザイン

 ラインアップは大きく3つ。XD/XD Touring/XD Touring L Packageで、各々にFFと4WDがあり、さらに6速ATと6速MTがあるので、全12種類の選択肢ということになる。ディーゼル+4WD+マニュアルミッションというクルマは今やレアと言っても過言ではない存在であり、人馬一体を標榜するマツダらしい設定である。

 さてエクステリアから見ていこう。スタイリングはバランスがとても良い。前後オーバーハングは長過ぎず短すぎず、クロスオーバーたる存在感を確保しながらも立体駐車場に納まる車高とした。デミオベースとは言うものの、デミオに比べ全長215mm、全幅70mm、全高50mm大きく、「デミオのSUV」ではなく、あくまでもCX-3という固有車種として成立している点に好感が持てる。一見した時のイメージが似ているのはマツダのデザインアイデンティティが貫かれているからであり、デミオとCX-3の現車を見比べれば違いがよく分かる。

 そのデザインテーマ「魂動(こどう)」とは、力強く美しい動きのエネルギーをクルマに再現すること。アテンザ/アクセラのボンネット左右にデザインされた、筋肉を思わせるようなラインが分かりやすい。CX-3のボンネットは短めなので、そこまで極端ではないものの、ヘッドライトからAピラー付け根、そしてリアフェンダーにかけて滑らかなラインが描かれており、その上下の面に生ずる光の加減が実に美しい。

センス良くスポーティにまとまったインテリア

 インテリアはデミオを踏襲している。前席も後席も広々というほどではないが、これを「狭い」ととるか「タイト」ととるか。大人4名のドライブに必要十分なスペースは確保されており、前席に関して言えば、適度な囲まれ感があって走りを楽しむには心地良い空間だ。

 新世代のマツダ車はインテリアデザインも格段に進化した。特に試乗車のL Packageに設定されているピュアホワイトレザー+ブラックスエードのコンビネーションはお洒落でスポーティだ。ブラックを基調とした内装のポイントごとにホワイトレザーや赤色がセンス良く配され、こちらもドライバーのツボを大いに刺激してくれる。

 デミオ同様、XD TouringとL Packageにはアクティブ・ドライビング・ディスプレイと、「マツダコネクト」を操作できるコマンダーコントロールが設けられる。アクティブ・ドライビング・ディスプレイはインパネの奥に立ち上がる表示板で、スピードやナビゲーションルートなどを表示し、運転中の目線移動を最小限に抑えてくれる。コマンダーコントロールはシフトレバー後方にあり、非常に使いやすいので、安全運転に貢献してくれる。

マツダ CX-3詳細写真

インプレッション

重厚かつ活発な動力性能

 走らせてみると、ガッチリした重厚な乗り味に驚かされた。実はデミオとCX-3を最上級グレードLPackageの4WD/6速ATで比較すると、CX-3は110kg重い。一般的に考えればかなりの増量だが、トルクを2kgmアップすることで動力性能を維持している。印象としてはドイツ車、特にVWゴルフを思わせる乗り味と感じたが、27・5kgmの最大トルクを1,600〜2,500rpmという常用域で叩き出す実力はディーゼルターボならではであり、今やマツダが世界に誇る独創的なエンジンであることは疑う余地がない。加えて再度の記述になるが、CX-3はデミオベースではあるものの、「デミオSUV」ではないという明確な方向性を定め、それを商品化しているマツダは、いま最も「クルマ好きの視点でクルマを造っているメーカー」と言えるかも知れない。

 なおマツダはCX-3の発売に合わせて画期的な技術を一つ投入している。ナチュラル・サウンド・スムーザーと名付けられたそれは、ディーゼルエンジン特有のカラカラというノック音を軽減するための技術。ピストンとコンロッドを繋ぐピストンピンの内部にダンパーを組み入れ、振動を打ち消すように共振するという。デミオもCX-3もかなりの静粛性を実現しているものの、マツダはそれ以上を目指しているらしい。残念ながらナチュラル・サウンド・スムーザーの効果を確かめることはできなかったが、セットオプションとして設定されているので「クリーンディーゼルに乗りたいけれど、あの音が気になる」という方は検討する価値があるだろう。

小型クロスオーバーの中で異彩を放つ

 CX-3のような乗用車ベースのSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)は、クロスオーバーSUVとして区分される傾向にある。本格的なオフローダーではなく都会派SUVなので、取り回しが良く燃費も良い方が嬉しい。そうした理由から小型クロスオーバーのカテゴリーが熱くなってきている。現行モデルでは日産ジューク、ホンダヴェゼル、スズキSX4 S-CROSSあたりが挙げられ、輸入車においてもミニクロスオーバーをはじめ続々と参入が増えている。CX-3の差別化はクリーンディーゼルを始めとするスカイアクティブ・テクノロジーとデザイン性ということになるだろう。

 そしてもう一点、クルマ選びに欠かせない大切な要素が販売価格である。230〜300万円というCX-3の価格帯を初めて知った時には「強気だなぁ」と思わず唸ってしまった。300万出すのであれば色々なメーカーも検討される上、同じマツダでもアクセラのXD FFモデルが視野に入るからである。アクセラは2,200ccエンジンなので、走行性能や室内の広さで比較すれば圧勝することになる。しかし今回CX-3にじっくり乗ってみて気づかされたのは「CX-3にはCX-3の良さがちゃんとある」ということであった。誤解を恐れずに書くなら、CX-3(特にLPackage)は「小さな高級車」であり、ラグジュアリー方向ではなく「燃費性能と走行性能に重きを置いた、走らせて楽しいクルマ」であるということ。そうした観点から改めて見ると、このサイズだからこそ見える世界もあるし、このサイズだから欲しいという価値観も芽生えるはずだ。ぜひ試乗して確かめていただきたい。

ディーラーメッセージ

北海道マツダ販売 手稲店
松井 公明さん

 魅力的なデザイン、経済性と走る楽しみを両立させたクリーンディーゼルエンジン。CX-3は販売前から大きな反響をいただいておりましたが、実際に乗ってみると守備範囲が広く、期待以上のクルマであることがよく分かります。低燃費走行からスポーツ走行までドライバーの意思に応えてくれる上、最新の安全装備も搭載していますので、男性にも女性にも安心してお乗り戴けます。マツダのクリーンディーゼル未経験の方、ぜひCX-3のステアリングを握ってみて下さい。

主要諸元:

全長×全幅×全高/4,275×1,765×1,550mm
ホイールベース/2,570mm
トレッド/前:1,525mm 後:1,520mm
車両重量/1,330kg
最小回転半径/5.3m
エンジン/S5-DPTS(1,498cc 直列4気筒DOHC 16バルブ 直噴ターボ)
最高出力/105ps/4,000rpm
最大トルク/27.5kg・m/1,600~2,500rpm
JC08モード燃費/21.0㎞/ℓ
ミッション/6AT
ブレーキ/前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク
タイヤサイズ/215/50R18
駆動方式/4WD
乗車定員/5名
車両本体価格(札幌地区)/3,024,000円(消費税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村勲(川村写真事務所)、取材協力:北海道マツダ販売 手稲店 TEL(011)683-0240

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