presented by8+9盛夏号New Car Impression

メルセデスの新境地

プロフィール

メルセデスの哲学

 スポーティーな4ドアクーペとして、とりわけ欧州車志向の強い若年層からの支持を集めているベンツCLAクラスに、新たな魅力が加わった。その名は「CLAシューティングブレイク」。写真で見ての通り、後部の積載能力に長けたいわゆるステーションワゴンタイプであるが、ヨーロッパにおいてはハイソサイエティの趣味のひとつである狩猟に使われる高性能な同系車種に対して、ステーションワゴンではなくあえてシューティングブレイクの名称を用いてきた歴史があるのだとか。これをルーツに据えたところが、メルセデス流の哲学と言えよう。同時に、スポーツカーにカテゴライズされる車種であることの主張をも含まれており、ほかとの差別化を十分に意図したネーミングと見てとることができる。

 ご存知の向きも多いことだろうが、上位車種にあたるCLSクラスにおいても、2012年に同タイプが登場しており、主にアウトドアスポーツにいそしむアクティブなアッパークラスのハートをがっちりと射止め続けている。今回は、言うなればその流れに沿ったもの。したがって、ルックスにおいてもCLSの同系統という位置づけを明確にしている。でありながらも、敷居をグッと下げたコンセプトが随所に感じられ、より幅広い年齢層が気軽に(少ない負担で)ベンツオーナーの仲間入りが果せる、そんな特徴を併せ持っている。

重厚で美しいフォルム

 まずは、その鮮烈なフォルムのサイドラインが目を引きつけるところ。

 伸びやかに引き締まったノーズから、後方に向かってV字を描くサイドプレスが流れ、やや丸みを帯びながらも鋭く張り出したリアバンパーが流麗な印象を際立たせている。美しさの中にも、動物的なギラギラとした躍動感を放っているかのようだ。後部にまわって眺めてみると、中心やや下方向に絞り込むように配されたリアコンビネーションランプとボディーラインの関係性が実にスタイリッシュ。それは、2013年に登場した現行クーペモデルのデザインを踏襲したものであるがゆえに、違和感なく目にもなじんでくる。フロントマスクはクーペモデルとの差異はなく、前方からは見分けがつかないワケだが、サイドに視点を移しながら徐々に「なるほど」と納得する。大げさに言うならば、その展開は一遍のストーリーのようでもある。

 トータルとして落ち着いたムードに富んだインテリアもクーペモデルと同様で、インパネデザインも全く同じ。メルセデスならではの重厚な質感と、ユーザー満足度の高い居住性がしっかりと確保されている。

 一方、後部座席に新たに与えられたスペースは、クーペモデルとの唯一にして最大の違いだ。広大なラゲッジ部が付与された分、リアキャビンのヘッドクリアランスに42mmの余裕が生み出されており、大柄な大人でも十分なゆとりを実感できそうだ。

 このラゲッジ部分については、先に触れた通りのルックスもさることながら、使い勝手を考慮した作りになっており、そのあたりはさすがの感がある。例えば、テールゲートは非常に大きく開く設計となっていながらも、後方への張り出しが最小限に押さえられている。これにより、開け閉めの際にユーザーがステップバックを強いられることも少ない(と言っても電動開閉だが)。また、開口角度をボタンのワンタッチで設定可能である。だから、狭いスペースでもさほど後ろの障害物を気にしなくてもよい。さらに、荷室はホイールハウスの張り出しがほとんどないフラットな構造。積載量495Lから最大1354Lという数値から想像できる以上に、たくさんの荷物が安定的に積み込めそうだ。

 フロントランプには、状況に応じてハイビームとロービームを自動で切り替えるアダブティブハイビームアシストと、天候などに応じて5つの機能を自動で選択するインテリジェントライトシステムを採用し、縦列駐車や並列駐車をサポートするアクティブパーキングアシストや、車内天井部に開放感をもたらすパノラミックスライディングルーフを標準またはオプションで搭載するなど、機能面も充実。危険な車線変更や車線からの逸脱を知らせ、適切な車間距離を自動でキープするレーダーセーフティーパッケージもオプションで用意され、安全運転支援システムにも抜かりが無い。

 グレード構成は、排気量1595ccの180をベースに、ステアリングなどがAMG仕様となる180sports、排気量1991ccの250(受注生産)、四駆バージョンの250シュポルト4MATIC、限定モデルの250オレンジアートエディション、最上位車となる454MATICオレンジアートエディションの計6種だ。

メルセデスベンツ CLA180詳細写真

インプレッション

イメージに違わぬ走り

 試乗車は、180sports。オプションでAMGレーザーエクスクルーシブパッケージなどを搭載したものだ。実車を目の当たりにし、ノーズからリアに及ぶデザイン性の高い完成度にあらためて感心させられる。

 重厚なフロントドアを閉め切ると、剛性がハイレベルにあることが有り有りと伝わってくる。そして、アルミ仕様のペダルを踏み込めば、出足は意外なほど軽やかで、混雑する公道の流れにもスンナリと入っていける。

 加速シーンでは、2000回転から5000回転の領域へ一挙にもっていく推進力が心地よく、そのフィーリングは滑らかかつ上品な味わい。最大出力122ps/5000rps、最大トルク20・4kgm/1250〜4000rpsを発生するターボチャージャー付き直列4気筒DOHCエンジンの熟成度合いは、見事と言うほかに言葉は見つからない。坂路でもコーナの立ち上がりでも、ドライバーの意思を確実に再現する走りを繰り出してくれる。トランスミッションは、電子制御による7速オートマチックに加えパドルシフトが標準装備されており、連続する高速コーナーなどで使って楽しい。ちなみに、オートに戻したい場合はボタン操作一発で済む。

 静粛性については、メルセデスブランドに抱く一般的なイメージそのままであり、言い換えれば期待に違わぬレベルだ。そのあたりは、全く以てオーナー冥利に尽きるといった感がある。

 駆動系は、一部車種を除いてFF設定となり、4駆信奉の厚い北海道のドライバーとしては、選択肢が限られてしまうといった懸念があるだろう。しかし、そこはベンツである。トラクションコントロールの性能とそれに対する評価は非常に高く、冬道での信頼性も折り紙付きと断言してよい。

 ハンドリングはスポーツカーの枠のみで捉えるならば、比較的ソフトなタッチと言えるだろう。走り屋にとってはいささか物足りないのかもしれないが、都市部での取り回しを十分に考慮したものであることは明白だ。であるからして、ファミリーカーとしてもしっかりと役割をこなせるだけの懐の深さが伝わってくる。それはつまり、女性ドライバーにとっても極めて扱いやすく、同時にスポーティーなドライビングが楽しめるクルマであることを物語っているのではないだろうか。

優れたコストパフォーマンス

 ブランドイメージが強過ぎるためか、お高いクルマとして新車購入の際には選択肢にさえ入れないユーザーがまだまだ多いというのが、メルセデス・ベンツが置かれた実情である。もちろん、高級車メーカーとしてのステータスは今後も揺るがないが、そのような先入観だけで見ることは最早時代錯誤に近い。このCLAシューティングブレイクにしても、車両本体価格360万からの設定である。信頼性、装備面、走行性などを冷静に見比べれば、著しくコストパフォーマンスに優れたクルマであることがハッキリと浮かび上がってくるはずだ。

ディーラーメッセージ

メルセデス・ベンツ 札幌中央
店長
中居 幸則さん

 お若いファミリー層や、アクティブにアウトドアを楽しむライフスタイルの方々を中心に、幅広いお客様層からCLAシューティングブレイクへのご注目をいただいております。おかげさまで販売開始のイベントの際には、ご来場数が予想を遥かに超えました。特に、後部シートのヘッドクリアランスが広いことが好評です。欧州車らしい、おしゃれでスポーティーな味わいに、きっとご満足いただけると思います。

主要諸元:

全長×全幅×全高/4,685×1,780×1,435mm
ホイールベース/2,700mm
トレッド/前:1,545mm 後:1,545mm
車両重量/1,500kg
最小回転半径/5.1m
エンジン/1595cc直列4気筒DOHC
最高出力/122ps/5000rpm
最大トルク/20.4kgm/1250〜40000rpm
ミッション/7速AT
ブレーキ/前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク
タイヤサイズ/225/40R18
駆動方式/FF
乗車定員/5名
車両本体価格(札幌地区)/4,280,000円(消費税込)

テキスト:青柳 健司(フォトライター)、Photo:川村勲(川村写真事務所)、取材協力:メルセデス・ベンツ札幌中央 TEL(011)210-0777

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