presented by4+5陽春号New Car Impression

毎日がかわる。ライフスタイルがかわる。バッテリー容量と航続距離をアップさせた、日本が誇るEV

プロフィール

これまでの常識だけでは判断できない魅力を持つリーフ

 ガソリンや軽油などの燃料で動く内燃機関(エンジン)を持たず、電気モーターで走行することができるEV(電気自動車)。エンジンとモーターを併用するHV(ハイブリッド車)が定着した今、今後のエコカーはEVとFCV(水素燃料電池車)の開発が活発化すると予想されている。

 日産は'09年11月の第41回東京モーターショーでリーフを一般公開して以来、改良を重ねて熟成させてきた。そして昨年末、二度目のマイナーチェンジにあわせ、駆動用に30kWhのバッテリーを搭載したモデルが追加され、満充電からの走行距離(JC08モード)は280㎞となった。北海道日産自動車さんで色々なお話を伺い、カタログデータに目を通し、様々な走行パターンを試した上で申し上げるが、カタログ値やインターネット上に溢れる情報だけでリーフを判断するのは早計だ。自動車としては勿論だが、充電インフラや充電費用、省エネルギーなど、様々な社会環境の視点も踏まえて考えるべき車なのだ。何故ならリーフは全く新しい立ち位置にあり、これまでの常識だけでは判断できない魅力を持つからだ。

SSではなく充電器設置スポット、給油ではなく充電

 リーフを愛車にすると、これまでの日常が大きくかわる。給油のかわりに充電器設置スポットへ出向き、充電時間は給油時間よりも長くなる。バッテリー残量警告灯が点灯した状態から電池容量80%までの急速充電は約30分が目安。戸建てにお住まいの方は普通充電もできるから、夜間に充電しておけば、街中や郊外程度であればまったく余裕でドライブできる。一方、長距離ドライブでは、時間的な余裕と充電器設置スポットを事前に確認するなど、計画的な行動が必要になる。

 充電インフラはどうか。急速充電器は約6,000基、普通充電器は約15,000基で、全国合計21,000基以上となっている(2016年2月現在)。急速充電器は日産ディーラーなどが約1,720基、コンビニが約1,000基、商業施設が約730基、自治体約420基、道の駅約320基、高速道路約280基である。

 「自宅付近や行動範囲内に何基あるのか知りたい」という方には、ニッサン・コネクトと呼ばれるナビゲーションが非常に役立つ。目的地を設定すると、現状のバッテリー蓄電量で足りるかどうかや到着時の予想バッテリー残量、ルート上および周辺に充電器があるかなどを検索してくれる。現在地周辺の充電器設置スポットも簡単に検索でき、充電器の種類(急速/普通)と充電器の空き状況までも教えてくれる。バッテリー残量が低下すると、充電を促したり充電スポット検索を促してくれるので、事前リサーチとナビ情報をもとに、ドライブルートと時間の計画をたてることになる。

簡単な比較で分かる、リーフの高エコ度

 日産は「ゼロ・エミッションサポートプログラム」というパッケージを用意しており、充電料金においてはスタンダードプランが月額3,000円、ライトプランが月額1,429円である。この他、急速充電器1分50円というような現金支払の充電スポットもある。

 ここで「走行距離280㎞」を再度考えてみよう。数値だけ見れば「短い」と感じられるかもしれないが、コスト面はどうか。例えばリッターあたり平均15㎞走るエンジン搭載車で燃料タンクが40Lの場合、計算上は600㎞走行できる。燃料代はリッター120円として4,800円。リーフで600㎞走るには2回充電が必要だが、スタンダードプランの場合、何度充電しても3,000円。この時点でリーフのランニングコストが非常に安いことに気づかれると思う。さらに回生ブレーキを積極的に活用すると走行中でも充電できるので、カタログ値だけで判断できない部分がある。その一方「厳寒期の北海道でバッテリーは能力をフルに発揮できるか」という懸念もあるが、これについてはメーカーもディーラーも、オーナーの生の声を集約しているようなので、それらの公表を待ちたい。ちなみに筆者の知人にリーフオーナーと三菱アイミーブオーナーがいるが、立ち往生したという話は一度も聞いたことがない。

日産 LEAF詳細写真

インプレッション

車として完成度が高く、思いのほかスポーティ

 外観は5ドアハッチバックで、曲面で構成された独特のスタイリングを持つ。静粛性向上と低電費化(燃料は使わないので、燃費ではなく電費)のための空力デザインである。リチウムイオンバッテリーは前席下から後席にかけて床下に設置され、広い室内空間とともに、低重心化を実現している。重心が低くなると、ステアリングに対する車体の追従性は高まる。リーフは前後の重量バランスも考慮されており、固めのサスペンションと相まって、非常にスポーティな挙動をみせる。40㎞/h程度の常用スピードでステアリングを左右に切り返してみても、ニュートラルなフィーリングとボディの追従性が心地良く、基本性能が極めて高いことに驚かされた。

 そしてゼロスタートからの加速が気持ち良い。モーターは最高出力109PS/3,008~10,000rpm(一般エンジンではあり得ない10,000回転だが、モーターだからこそこの数値となる)、最大トルク25.9kgf・m/0~3,008rpm。なにかと最高出力ばかりが話題になりがちだが、発進加速においては最大トルクこそが重要。ゼロ回転から最大トルクを発生するモーターは、3リッタークラスや2リッタークラスターボ車に慣れた方が乗っても、遜色ない加速感と言える。しかもまったく音を発することなく、静粛極まりない走りをみせる。

 1,770㎜の車幅の恩恵もあって、車内はゆったりとした印象。ラゲッジも広く、ファミリーユースにも余裕で応えてくれるだろう。今回のマイナーチェンジでエマージェンシーブレーキと車線逸脱警報が全車標準装備となったことで、完成度は非常に高くなった。バリエーションはS/X/Gと3グレード、各々に24kWh/30kWhのバッテリー設定があるので、全6種。加えてエアロスタイルというカテゴリーがあり、同様に全6種が揃っている。

自動車でありながら自動車以上の存在

 もう一点記しておきたいのは「LEAF to Home」である。これはリーフを家庭用の電源として使うというもの。専用のEVパワーステーションという機械が必要になるが、電気料金の安い夜間リーフに蓄電し、それを日中使用することができる。個人宅のみならず、集合住宅やエリアに広まれば、スマートグリッド(次世代送電網)やピークシフト(日中の電力消費の一部を夜間電力に移行させる)が現実化してくるだろう。大型の発電所が一元的に電力を管理するよりも、小さな単位で電力を融通しあう方が低リスクという考え方で、その重要な要素の一つがリーフに代表されるEVなのである。

 従来の車に慣れ親しんできた我々にとって、EVの存在は新しいことづくし。このためメリットとデメリットが如実になるが、リーフを手に入れるということは、車だけではなく「新しいライフスタイル」を手に入れることに他ならない。従来の車と比べてデメリットと思える部分を「楽しい」と感じることができる人は、今すぐリーフに試乗されることをお奨めしたい。そうでない人は、色眼鏡でも良いので一度ドライブしてみて戴きたい。驚き・感動、なんらかの発見があると断言しよう。

ディーラーメッセージ

北海道日産自動車 中央店
カーライフアドバイザー
近藤 愛奈さん

 どんな車種でも試乗をお奨めしていますが、リーフは特に「ご試乗戴かないと、良さが伝わりにくい車」です。従来の自動車と同列で比較することができる部分と、まったく異なる部分があるため、充電の仕方や充電器設置スポット情報、ニッサン・コネクトの詳細など、きちんとご説明させて戴くよう心がけています。またLEAF to Homeという新時代のライフスタイルもご提案させて戴いております。

主要諸元:

全長×全幅×全高/4,445×1,770×1,550mm
ホイールベース/2,700mm
トレッド/前:1,540mm 後:1,535mm
車両重量/1,460kg
最小回転半径/5.2m
モーター/EM57
最高出力/109PS/3,008〜10,000rpm
最大トルク/25.9kgf・m/0〜3,008rpm
JC08モード電費/280㎞/1充電
ミッション/CVT
ブレーキ/前/ベンチレーテッドディスク 後/ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ/205/55R16
駆動方式/FF
乗車定員/5名
車両本体価格(札幌地区)/3,666,600円(消費税込)

テキスト:横山 聡史 (Lucky Wagon)、Photo:川村 勲 (川村写真事務所)、取材協力:北海道日産自動車 北店  ℡(011)711-6112

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