presented by6+7新緑号New Car Impression

ヨーロッパ各国で広く人気を集めるオーリスに先進のハイブリッドシステム搭載モデルが登場

プロフィール

トヨタが生んだ欧州車

 トヨタの5ドアハッチバック車オーリスが仕様変更を受けるとともに、新たにハイブリッドモデルが投入された。これに伴うCMのキャッチコピーは「トヨタが生んだ欧州車」。「欧州車的なテイストを持ったクルマ」であることは間違いないが、実はオーリスというクルマは非常に面白いポジションにあり、キャッチコピーの意味ももっと深いところにある。先ずは簡単に成り立ちをご紹介しておこう。

 '06年、アレックスの後継車種としてデビュー。翌年から欧州でも発売が開始され、イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・オーストラリア・ニュージーランドにおいて人気車種となる。日本仕様と欧州仕様の双方を振り返ると、1・3/1・4/1・5/1・6/1・8/1・4ターボディーゼル/2・0ターボディーゼル/2・2ターボディーゼルと、実に多彩なバリエーションを持っていた。

 現行の2代目は'12年に登場。外観デザインは大きく変更されて個性的な顔つきになり、機動戦士ガンダムとのコラボレーションから誕生した「シャア専用オーリス」がコンセプトモデルとして登場。その大きな反響から翌年、限定車として発売された。

 '15年には1・2リッター直噴ターボエンジンを搭載した新グレード「120T」が追加され、いよいよトヨタも欧州で主流のダウンサイジングターボの普及に乗り出すかと思いきや、その他の車種で積極的に展開することはなかった。そもそもオーリスの販売台数は少ない。昨年の国内累計販売台数は8,000台で、例えば新型プリウスが今年1月に2万1千台以上売れている事実と比較すれば、プリウスの新車効果を差し引いても、かなり少ないと言える。しかし、欧州においては昨年、なんと14万2千台も売れている。オーリスのターゲットは完全に欧州なのである。

欧州で実績を積んできたオーリスハイブリッド

 「トヨタが生んだ欧州車」の意味はそうした実績に基づくものだが、「面白いポジション」の意味はまだある。それはプリウスとの関係性だ。今回の仕様変更で追加されたハイブリッドシステムは、3代目プリウスのそれである。「国内でそれほど売れていないオーリスに、いまさら何故ハイブリッド?」という疑問が沸くが、実はオーリスハイブリッドは'10年から欧州で先行発売されている。しかも昨年累計7万9千台と、ハイブリッド専用車であるプリウスを上回っているのである。かつてエコカーと言えばクリーンディーゼルとダウンサイジングターボが主流だった欧州市場も、ハイブリッド、プラグインハイブリッドが増えてきていて、躍進するトヨタ勢の中で支持されているのがオーリスなのである。

 さらに国内市場への投入順は4代目プリウス、2代目オーリスだったが、パワートレインの制御やバッテリーのレイアウトなどは、実はオーリスハイブリッドに先行投入されたもの。モーターやバッテリーはプリウスと完全に同一ではないものの、欧州市場のニーズに応えるべく様々な先進技術が投入されてきたオーリスが、欧州で人気のハイブリッドモデルを加えて、逆輸入されたということになる。

アグレッシブな外観とスポーティな内装が個性的

 それらを踏まえ、改めてオーリスを見てみよう。挑戦的な顔つきと、複雑な線と面から構成されるリアビュー。5ドアハッチのみの単一構成という点も、バリエーションの広さを誇るトヨタ車としては珍しい。

 全長4,330×全幅1,760×全高1,480㎜。フロントガラスをかなり寝かせ、リアハッチにも角度を持たせたことで、真横から見るといかにも空力に優れそうなスポーティさを放つ。デザイン的にイメージが近いのはVWシロッコあたりだろうか。オーリスは5ドアなので日常的な後席利用はスムースだし、欧州テイストのスポーティなクルマとなれば若者の支持を得られそうだが、実際には40代以上、特に子どもたちが手離れした50代の方が関心を示すとのこと。

 ラインアップは今回追加されたハイブリッドのほか、1・2リッター直噴インタークーラー付きターボ/1・8/1・5とガソリンモデルがあり、1・5には4WDも存在する。北海道では必然的に1・5リッター4WDが売れ筋となるのだが、最もスポーティなグレードとなるRSから最もエコなハイブリッド、ダウンサイジングターボまでが揃うオーリスは、やはり面白いポジションのクルマである。

 インテリアも国内仕様のトヨタ車と少し趣が異なる。運転席に座って先ず目に飛び込んでくるのはハイブリッド専用の立体2眼コンビネーションメーター。直射日光による視認性低下を考慮し、ドライバーのみに向けられた彫りの深いメーターで、右がスピードメーター、左はチャージ/エコ/パワーの3ポジションをシームレスに表示するハイブリッドシステムインジケーターとなっている。

 ダッシュ回りはセンターにカーナビと空調が縦に並び、質感の高いパッド素材がスポーティムードを盛り上げてくれるが、シフトレバーはプリウス同様、D/B/N/Rという4ポジションだけのエレクトロシフトマチック。このギャップがなんとも面白く、オーリスハイブリッドの個性を際立たせているようだ。

トヨタ AURIS詳細写真

インプレッション

優れた基本性能とコストパフォーマンス

 さて走り出してみよう。Dポジションからアクセルを踏み込むと、モーターで優しく動きだす。この挙動はプリウスと同様だ。巡航速度ではモーターとエンジンを状況に応じて切り替え、加速が必要なときはアクセルを強く踏むか、シフトレバー後方にあるモードスイッチで「パワーモード」を選べば良い。EVモードスイッチもあるが、時速45㎞/h前後までに対応しており、それ以上スピードを出すと通常(エコドライブ)モードに自動復帰する。エコモードはかなり燃費重視なので、上り坂や追い越しの際にはパワーモードを積極的に活用することをお奨めしたい。

 剛性の高いボディと、重厚な出足。それでいてアクセルを踏めばぐっと前に出る感覚。発進から巡航速度までの挙動はドイツ車のテイストだ。一方、ワインディングでコーナーをクリアしていく際のステアリング特性はフランス車っぽい。クイックだが、どこかダルな「遊び」を残したテイスト。決して悪い意味ではなく、あまりシビアにコントロールしなくても、適度な接地感と弱アンダーの状態でコーナリングできるので、腕に覚えのある人がドライブすると一定の満足感を得られるだろうし、ごく普通にドライブしても、破綻することなくスムースにコーナーを抜けることができる。全体的なテイストはドイツ車とフランス車をミックスした「トヨタ流」。欧州で支持を集めるのも頷ける。

 ハイブリッドにはノーマルと”G Package“の2種があり、前者にはメーカーオプション、後者には標準でトヨタ・セーフティセンスCが装備される。レーザーレーダー+単眼カメラによるプリクラッシュセーフティシステム、車線逸脱警報、オートマチックハイビームがセットになった先進の安全技術だ。リッター30㎞超のハイブリッドシステムとこれら安全装備は、トヨタが進める新時代のクルマづくりにおいて、極めて重要な要素。オーリスは欧州におけるトヨタのイメージリーダーとして、ますます重要な車種になっていくと思う。

ディーラーメッセージ

ネッツトヨタ札幌 藻岩店
棚町 太一さん

 オーリスは初代モデルから一貫して、ヨーロッパ市場を意識したクルマづくりがなされてきました。そのため国内での知名度は決して高くなく、オーリスを指名買いされるお客様も少ないのが実情です。しかしその一方、独特の個性や適度なサイズに納得されるお客様も確実に存在します。この度、トヨタが世界に誇る先進のエコ性能、安全性能を身に付けたオーリスが誕生しました。現車をご覧いただき、試乗していただくことで、オーリスの魅力を体感していただければと思います。

主要諸元:

全長×全幅×全高/4,330×1,760×1,480mm
ホイールベース/2,600mm
トレッド/前:1,525mm 後:1,515mm
車両重量/1,390kg
最小回転半径/5.2m
エンジン/2ZR-FXE(1,797㏄ 直列4気筒DOHC)
最高出力/99ps/5,200rpm
最大トルク/14.5kgm/4,000rpm
モーター/3JM
最高出力/82ps
最大トルク/21.1kgm
JC08モード燃費/30.4㎞/ℓ
ミッション/電気式無段変速機
ブレーキ/前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
タイヤサイズ/205/55R16
駆動方式/FF
乗車定員/5名
車両本体価格(札幌地区)/2,642,073円(税込)

テキスト:横山 聡史 (Lucky Wagon)、Photo:川村 勲 (川村写真事務所)、取材協力:ネッツトヨタ札幌 藻岩店  ℡(011)583-5550

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