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イメージ一新のビッグマイナー、より洗練されたマークXがデビュー!

プロフィール

〜積み重ねてきた高級セダンの系譜!〜

 TOYOTAのホームページ、そのマークXを開くと、そこにはカウンターステアを当てながらドリフトしてゆく新マークXの姿が現れる。そして、「トヨタのFRスポーツセダン」というフレーズ。なんと斬新にして大胆な表現、このホームページを目にするだけでもTOYOTAの新マークXに対する強い思い入れを感じるのである。

 マークXを語るとき、先代のマークⅡを忘れてはなるまい。昭和43年にクラウンとコロナの中間車種として誕生したマークⅡ、当初はコロナ・マークⅡと呼ばれていた。これは、この頃のTOYOTAがよく取り入れていたネーミング手法で、例えば、スターレットも当初はパブリカ・スターレット、スプリンターもカローラ・スプリンターであった。

 この初代のマークⅡ、当初からスポーツ志向もあり、発売翌年には2ドアハードトップにDOHCエンジンを搭載したGSSというモデルも発売されている。これは現在のマークXにも、350RDSという超ハイパワーモデルが存在するのと同様であり、スポーツ心を持つ系譜は今も健在であるといえよう。

 昭和55年、4度目のフルモデルチェンジ。ここから兄弟車として、販売チャネル別にクレスタ、チェイサーも誕生、“セダン三兄弟”として月間販売2万台を超える大ベストセラーカーとなってゆく。しかし、年号が平成に変わった頃からユーザーの好みが大きく変化していき、ミニバンやコンパクトカー、SUVなどが国内販売上位に進出してくる。

 まさに“セダン受難の時代”に直面するわけだが、マークⅡも、平成16年に大変貌を遂げる。初代マークⅡから10代目にあたることから、10=Xという意味だったのだろう、マークXとして新たな道を踏み出すのだ。

 9代目のマークⅡから基本プラットフォームはクラウンと共通となり、それは現在も同様なのだが、そこからの“味付け”はまったく違う。マークXはクラウン、レクサスGSとホイールベース・トレッドはまったく同じなのだが、全長が12センチも短い。つまり重量物がクルマの外側には配置されず、慣性モーメントが小さいのだ。同じプラットフォームを使いながら、このコンパクトさはマークX独自であり、よりスポーティさが強調されている。このあたり、スポーツ志向を持つアッパーミドルクラスの支持をしっかり受けとめているといえよう。

 思えば、国内メーカーのなかで主要車種にFRセダンを持っているのはTOYOTAと日産だけになってしまった。クルマの基本はFRである。そこにTOYOTAのFRセダンに対する“愛情”と“意気地”そして“度量の深さ”を感じるのである。

安全装備もさらに充実!

 その昔、有力企業のエグゼクティブが選ぶクルマとしてメルセデス・ベンツを挙げる時代があったのだが、その理由のひとつが「事故での生存率の高さ」であった。マークXのユーザーにも“スポーツ心”を持ったアッパーミドル、管理職クラスも多いだろう。彼らにとっても安全性は重要科目なのだ。

 新マークXもその点は抜かりがない。まずは衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」が全車に標準装備された。ミリ波レーダーと単眼カメラを併用した検知センサーと統合的制御により、前方車輌や歩行者を感知してプリクラッシュブレーキが作動する。また、走行車線を逸脱しそうになると警告ブザーで知らせてくれる。さらに前走車を認識し、安全な車間距離を制御してくれるなど、いくつものシステムが搭載されている。これは、このマークXの他、プリウスとC─HRにだけ搭載されているTOYOTA最新の安全パッケージなのだ。

 不幸にして事故にあった場合にも、衝突安全ボディ“GOA”がトップクラスのキャビン保護性能を発揮してくれるし、エアバッグは通常の正面のみならず、ひざ下、ドアサイド、さらにウインドウ上部からカーテンのように作動し、乗員を多方向から守ってくれる。

 新マークX、スポーティさを強化されたばかりではなく、様々な安全対策も充実、その存在感をさらに高めてくれたのである。

トヨタ MARK X詳細写真

インプレッション

一層印象的なフロントマスクとインテリア!

 今回、試乗用に提供されたマークXは2・5リッターV6エンジン搭載の4WDバージョン、「250SFour」である。昨年末には観測史上50年ぶりという大雪に見舞われ、「地球温暖化なんて、どこで起きてるんだい!」と言いたくなるほどの寒さ。そうでなくとも、一年の半分近くも氷雪路面走行が通常である北海道のドライバーにとって4WDは必須アイテムかもしれず、試乗車を提供してくれた札幌トヨペットの担当者もマークXを選ぶ顧客の90%以上は4WDを選ぶというが、それもまた当然なのだろう。

 そのマークX、まず目を奪われたのはフロントグリル中央に置かれた“X”のエンブレム。先代にも当然“X”はあったのだが、その四隅を左右に引き出してしまったため、単なるグリルデザインと思われる傾向もあった。しかし今回ははっきりと“X”が独立してグリル中央に置かれ、マークXであることを強烈に自己主張しているのだ。

 ロアグリルも左右幅いっぱいに張り出し、両端にはクロームの縁取り、下端にはLEDフォグランプを配するという大胆さ。これまでにないデザイン変更であり、まさにマークXの面目躍如という“顔つき”になったといえるだろう。

 シートに座り、ポジションを決める。まず座面を一番下まで落とす。SUVやワンボックスを運転するのではない、スポーツドライビングをするのである、ヒップポイントは路面に近くなければならないのだ。そこからステアリングの上下・前後をチルトさせ、シートバックの角度も合わせ、ランバーサポートも解除して体をシートに深く沈み込ませてゆくが、これらの操作はすべて電動。満足ゆくドライビングポジションはスポーツ走行の基本であり、それを得るための要素やシステムは欠かせない。その点、マークXはドライバー優先が徹底しており、スポーツ派には何より嬉しいところだ。

 もう一点、好感を持てたのがステアリングホイール本体である。以前はナルディやモモなど、好みのステアリングホイールに交換するのが容易だったが、現在はそこにエアバッグの他、様々なスイッチが装着され、交換はほとんど不可能。であれば、クルマを選ぶときに純正のステアリングホイールが好みに合うかどうかも重要な選択肢になるのだが、その点でもマークXは合格点。ディンプル付き本革巻きはグローブにしっとりとなじみ、真円であることからどこを握っても違和感がない。これはスポーツドライビング派にとって大きなプラス要因になるだろう。

走りのクオリティが一段とアップ!

 マークXはスポーティさをテーマとしているクルマなのだから、試乗もそれに応えなければならないだろう。試乗の時期は1月下旬、もちろん路面には雪があり、主要道にはアスファルトが顔を出す部分もあったが、日陰には圧雪アイスバーンも残るという状況。しかしテーマは“スポーツドライビング”である、走行モードは「SNOW」や「ECO」ではなく、迷わず「SPORT」に入れる。シフトもシーケンシャルの1速に入れ、アクセルオン。

 タコメーターの針が一気に跳ね上がり、5000回転を越えたところで2速へ。2・5リッターV6エンジンは2000回転から最大トルクを発生、そこから5000回転を越えるくらいが最もこのエンジンの良さを引き出せるのだ。2速に入れても加速はまったく鈍らず、タコメーターを見ながら3速、4速とシフトアップしてゆく。コーナーが近づき3速、2速とダウン。エンジン回転が上がりはっきりとエンジンブレーキが効くことが分かる。クルマはアウト側へ流れようとするが前輪にもトルクが掛かり、一瞬左足でブレーキを踏んで難なくコーナーをクリア。ピックアップの良いエンジンは再び5000回転まで上昇、3速に放り込んだ後も鋭い立ち上がり加速を見せてくれる。

 さて、ここで「なんだかおかしいぞ…」と思われた読者がいるかもしれない、「まるで、夏場にマニュアル車を運転してるようじゃないか!?」と。しかし、前述の試乗記は、圧雪が残る路面を、オートマ車を使って実際に行われたものである。つまり、マークXは冬でもスポーツドライビングを存分に楽しめるのだ。

 マークXにマニュアル車の設定はないのだが、その6速オートマチックミッションはマニュアルと同等の操作性。クラッチペダル操作が無いだけで、シフトアップ時のショックは伝わってくるし、シフトダウンするとタコメーターの針が敏感に反応してくれる。このあたり、Vベルトを使ったCVTオートマでは決して味わえないフィーリングだろう。

 さらに今回の試乗車は4WDであるから、常にフロントタイヤにも駆動トルクが掛かっているため、リアタイヤのスライドを軽減し、コーナリング姿勢を安定させてくれる。今回の試乗でもう一点、ありがたいと思った4WDの利点が坂道発進。ハイパワーFRマニュアル車の最も苦手とする場面がそれであり、リアタイヤの空転で立ち往生することも多いのだが、マークXの4WDは圧雪路の坂道でも難なくスタートできたのである。

 特筆すべきもう一点は、操縦性の良さと高いボディ剛性である。新マークXはボディのスポット溶接をエンジンルーム、フロアを中心に90ヶ所も追加している。便利なトランクスルーを採用したため後部隔壁がない構造ながら、そこには接着剤を採用し補強、負荷が掛かった時にもボディ後部のねじれなどまったく感じることはなかった。

 このボディ剛性と締め上げられたサスペンションが最上のコーナリング安定性をもたらしてくれたのである。ステアリングの切り角に忠実にフロントはイン側を向き、リアのスライドにはわずかにカウンターを当ててやればよい。とにかく、操作と実際の挙動に時間差がないのだ。挙動がダルなワンボックスやミニバンでは到底味わえない感覚、それもFRベースだから故である。このドライビングの楽しさ、そして喜びをぜひマークXで体感して欲しいものだ。

ディーラーメッセージ

札幌トヨペット 月寒店
営業グループ
三雲 康平 さん

「マイナーチェンジを受けた新しいマークX、フロントマスクが大きく変わって、スポーティなイメージがより強調されました。FRベースのクルマが少なくなってきましたが、このマークX、私も乗ってみて、とても楽しくドライブできました。FRベースのクルマに乗ったことのない方も多いと思いますが、ぜひ一度乗ってみてください、その走りの楽しさが分かりますよ。そして、今回、このマークXには、セーフティセンスPが搭載され、安全面も万全になり、最先端のドライバーサポートを持ったクルマになりました。FRベースのセダン、ぜひその楽しさを体感してみてください。」

主要諸元:

全長×全幅×全高:4770×1795×1445mm
ホイールベース:2850mm
トレッド:前/1545mm 後/1540mm
車両重量:1570kg
最小回転半径:5.4m
エンジン:2499㏄V型6気筒DOHC
最高出力:203ps/6400rpm
最大トルク:24.8kgm/4800rpm
JC08モード燃費:10.6km/l
ミッション:スーパーインテリジェント6速AT
ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
タイヤサイズ:215/60R16
駆動方式:4WD
乗車定員:5名
車両本体価格(札幌地区)/3,475,440円(消費税込)

テキスト:青柳 健司 (フォトライター)、Photo:川村 勲 (川村写真事務所)、取材協力:ホンダカーズ札幌中央 新札幌店  ℡(011)897-7777

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