U-CAR FAIR 2017

presented by4+5陽春号New Car Impression

Jeepのフラッグシップモデル、タフさとラグジュアリー感を見事に両立!!

プロフィール

元祖は軍用4輪駆動小型車だった!

 Jeepは昨年、誕生75年を迎えた。知っての通り、Jeepはアメリカ陸軍の小型偵察連絡用4輪駆動車が初代である。第二次世界大戦中の1940年に軍から開発指示が出されたのだが、相当厳しい条件だったこともあり、有力メーカーはすべて辞退し、結局それに応じたのはバンタムという弱小メーカーのみ。この状況に危機感を持った陸軍は、バンタムが提出した優れた設計図をウイリスとフォードにも公開し、その3社が試作車を製造、翌1941年には実戦投入され評価を受けることになった。

 その実戦評価で勝ち残ったのがウイリス。実際の生産にはフォードも加わるのだが、そこからJeepの歴史が始まり、昨年で75年目を迎えたのである。初代からの堅固なラダーフレームにリジッドアクスルを縦置きリーフスプリングで吊るという構造は、現在でもハード系4WDの基本であることはいうまでもない。数多くのメーカーが4輪駆動SUVを販売しているが、それを説明するのに「あの、Jeepみたいなクルマだよ!」というだけで誰にでも理解される。そのジャンルの先駆者であったJeepは誕生時点から単なるブランドではなかったし、それが現在ではクロスカントリーカーの代名詞として、押しも押されもしない存在となっているのだ。

ヘヴィ・デューティ4駆の王道!

 このJeepというネーミング、その発祥は判然としないが第二次世界大戦後、ウイリス社は商標登録している。しかし、このJeepという商標はその後、所有メーカーの盛衰により転々とすることになる。AMCからクライスラー、そのクライスラーもダイムラー・ベンツと合併したが2007年には解消、現在は2009年にクライスラーの株式を取得したフィアットが実質的オーナーとなっている。

 所有会社が変わる度、そのメーカーのテイストが加えられ新たなJeepが生まれてきたのだが、クライスラー時代の1993年に最上級モデルとして販売開始となったのが「グランド・チェロキー」である。その当時、市場のニーズから居住性を改善し大型化したモデルが望まれていたし、人気で先行していたライバル車のフォード・エクスプローラーを追撃する必要もあったのだろう。

 その「グランド・チェロキー」、それまでのJeepのイメージであった無骨さや質実剛健といった部分から一歩抜け出し、デザインも都会的に洗練され、内装も上級感を持っていた。しかしドライブトレーンはフロント縦置きエンジンに強力な4WDシステムを持ち、悪路走破性も充分。高級感を持たせたとはいえ、ヘヴィ・デューティ4輪駆動マシンの基本を決して忘れず“王道”を歩む姿勢、「グランド・チェロキー」はそこから世界中のファンを引きつけてやまないJeep最上級モデルとして君臨して行くことになるのだ。

 2011年6月から販売されている現行のWK型は「グランド・チェロキー」としては4代目のモデル。今年3月にマイナーチェンジを受けたが、そのステアリングホイールの下部にはJeep生誕75年を記念する「SINCE 1941」の刻印がある。このあたりもまたJeepユーザーに誇りを感じさせてくれる要因なのだろう。

ジープ Jeepグランドチェロキー詳細写真

インプレッション

上級感あふれるその走り!

 今回、試乗用に提供されたグランド・チェロキーは3・6リッターV6エンジン搭載の「Limited」である。全長4・8m、全幅1・9mを超え、車体重量も2・2tの堂々たる「居丈高」はJeepのフラッグシップ・モデルとしての存在感は充分。多少上下高が短くなりハニカム状のグリルになったが伝統のセブンスリットや、台形のホイールアーチはそのまま残されている。これこそがJeepのアイデンティティなのだから。

 コクピットに乗り込むと上質なレザーシートが出迎えてくれる。筆者は身長175センチあるのだが、それでもシートには余裕がある。このあたりさすがにアメリカ車なのだ。ただ、フットスペースが狭い点は気になる。日本仕様の右ハンドルであるため、ペダルが右寄りになっており、さらに左には足踏み式のパーキングブレーキがあるため、フットレストもない。事実、助手席側に乗ってみるとフットスペースは充分すぎるくらい広い。このあたり右ハンドルとするための処置であり、許容範囲とすべきだろう。もう一点、気になったのがステアリングホイール。レザー巻きの豪華な作りなのだが、様々なスイッチがあるためスポーツドライビングに欠かせない「9時45分」の握りができないのだ。ハンドルから手を離さずにスイッチ操作するための処理なのだが、ここはドライバーによって賛否が分かれるところだろう。

 オートマのシフトをDレンジに入れ、広いメインストリートを走り出したが、まず驚かされたのが静粛性である。タイヤがブリヂストンのDUELER H/Pであることも寄与しているのだろうが、わずかなロードノイズ以外に雑音はほとんど聞こえない。SUVというより高級大型セダンに乗っているような感覚。さらにZF製の8速ATミッションもスムーズさは最高で、Dレンジで走っている限りどこでシフトアップしたか気付かないほどなのだ。

 現行のWK型、2011年6月から販売が開始されたのだが、その時点ではダイムラー・クライスラーだったため、基本のプラットフォームはメルセデス・ベンツのMクラスと共通である。さらに、そのベンツ系の技術を生かしてサスペンションにもJeep史上初めて、このWK型グランドチェロキーには金属スプリングを使わないエアサスが導入されている。その後、何度かマイナーチェンジされたが基本の車体構造は変わってはいない。舗装路面での静粛性やロードホールディングの好印象はそのあたりが生きているのだろう。

 車線変更したり、濡れた路面、今回は多少雪が残った路面もあったが4輪独立懸架とエアサスは破綻を見せない。重量級ボディを安全に運ぶ安定感と、操縦安定性はオンロードではまったく申し分なく、まさに上級SUVの面目躍如、Jeepの最上級車種であることの“誇り≠ニ“風格≠感じさせる走りであった。

ラグジュアリー感とJeepのDNAが両立!

 平坦なオンロードを離れ、クルマを砂浜へと乗り入れる。まだ雪が残っているため、そこへ向かうには高低さがかなりあるギャップを乗り越えなければならない。そこで威力を発揮するのがエアサスである。通常走行では210oの地上高が、センターコンソール上のスイッチを「UP」にすると276oまで上がるのだ。さらに、Jeep自慢の4WDシステムである「クォドラトラックⅡ」の機能を使い、「LOW」にスイッチすると圧倒的な駆動力を発揮する。その双方とも車速が60キロを超えると自動的に解除されるのだが、低速で不整路面のギャップを乗り越えてゆく時の安心感は大きい。実際、今回も固い氷雪まじりのラフロードを軽々とクリアしたのである。

 続いて砂浜と、高低差のある砂丘を走ってみた。ここでは走行モードを「SAND」、もしくは「MUD」に変える。ちなみにこの「セレクテレインシステム」のモードだが、積雪路面のための「SNOW」、砂地のためには「SAND」、泥濘地には「MUD」、岩山越えには「ROCK」があり、通常は「AUTO」にしておけば問題なく走れる。

 砂浜をアクセル全開で走り、コーナリング。ここでのステアリング応答性、エアサスのせいだろうか、リニアに反応が返ってこない。ステアを切り始めの前輪にはステアリングブレーキが掛かり、それを強力な後輪の駆動力で押し出しクルマを曲げてゆくのだが、横Gの感覚が「ドン」ではなく「フワ」なのだ。駆動力は充分に掛かっており不安ではないのだが、このあたりは独立懸架エアサスの特性に慣れるしかあるまい。

 路面に岩も顔を出すラフロードでの急坂のぼり、FF車ベースの4WDカーではリアデフが充分なキャパシティを持たない車種もあり、フロントが浮いてしまうとリアの駆動が期待できないシーンもあるのだが、このグランドチェロキーはFRベースであり、フロントが浮いても、充分な容量を持つリアデフからの推進力で難なく登ってしまう。

 数多くのメーカーが同様なSUVを販売している現在、Jeepのユーザーはそれらのクルマには目が向かないそうだ。それがJeepであるから、Jeepを買うのであり、その存在価値は何物にも代えられないのだ。そのフラッグシップたるグランドチェロキーもマニアの心を魅了し続け、さらに新たなファンを開拓してゆくことだろう。

ディーラーメッセージ

ジープ札幌琴似
営業グループ
戸梶 辰哉さん

 今年の3月にショールームがリニューアルされ、とても落ち着いた雰囲気になりました。このシックな店内で、ぜひ新しいグランドチェロキーを実際に見て、触れてください。寒冷地である北海道で選ばれるクルマのメインは4WDですし、4WDといえばJeepです。そしてJeepといえばこの店、Jeep札幌琴似です。このお店から新しいJeepの魅力を次々に発信していきたいと思っています。ぜひお立ち寄りください。

主要諸元:

全長×全幅×全高/4,835×1,935×1,805mm
ホイールベース/2,915mm
トレッド/前:1,630mm 後:1,635mm
車両重量/2,200kg
最小回転半径/5.7m
エンジン/3604㏄V型6気筒DOHC
最高出力/290ps/6400rpm
最大トルク/35.4kgm/4000rpm
JC08モード燃費/9.6q/ℓ
ミッション/電子制御式8速オートマチック
ブレーキ/前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
タイヤサイズ/265/60R18
駆動方式/4WD
乗車定員/5名
車両本体価格(札幌地区)/5,994,000円(税込)

テキスト:天野 克彦(BIBIMBA天野) 、Photo:川村 勲 (川村写真事務所)、取材協力:ジープ札幌琴似  ℡(011)640-1555

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