U-CAR FAIR 2017

presented by4+5陽春号New Car Impression

軽トールワゴンの先駆者ワゴンRが第6世代へ 毎日「普通」に使うために、エコ性能・安心快適性能が格段の進化

プロフィール

軽トールワゴンの先駆者

 スズキの主軸車種の一つ、ワゴンRが5年ぶりのフルモデルチェンジを受け、6代目となって登場した。今でこそ競合車種が増え、軽トールワゴンはすっかり市民権を得ているが、93年の初代はそのジャンルを切り開いた革新的なモデルだった。

 当時の軽自動車はセダンタイプ、あるいはワンボックスタイプや荷台を持つ商用車しかなく、室内が狭い、動力性能が低いといったネガ要素があった。しかしワゴンRはトールボディとすることで広い空間を実現し、ターボモデルの追加によって普通車にひけをとらない動力性能をも手に入れた。その後各メーカーがこぞってトールワゴンを発売したこと、そして初代デビューから24年を経た第6世代においても基本コンセプトが継承されていることを考え合わせると、ワゴンRがいかにすごいクルマであるかがわかる。

 今回のフルモデルチェンジにはトピックがいくつもある。まずはフロント周りのデザイン。ワゴンRには07年以降、スティングレーというスポーティ仕様モデルが存在し、一見して違いがわかるフロントデザインを持っている。今回はさらにベーシックなワゴンRに2種の顔つきが設定された。つまりスティングレーを加えると3種類ということになる。

 またグレード名はハイブリッドFZ・ハイブリッドFX、ガソリン車のFAとなった。12年発売の第5世代が次世代環境技術「スズキグリーンテクノロジー」を搭載する第一弾車種であり、エネチャージやエコクールなどの低燃費化技術、軽量化技術などが盛り込まれた。第6世代はそれらをさらに煮詰めることで、ISG(モーター機能付発電機)の高出力化、リチウムイオンバッテリーの大容量化などによって、マイルドハイブリッドシステムに進化させている。

 さらにハイブリッドシステムの状況などを表示する「マルチインフォメーションディスプレイ」がダッシュパネルセンターに設置された。これに伴い、軽自動車初となるヘッドアップディスプレイ(メーカーオプション)が用意された。他メーカーでも採用が始まっているヘッドアップディスプレイは、運転席正面に設けられた半透明のボードにスピード、シフトレンジ、各種安全機能の情報などを表示させるもの。ドライバーは大きく視線を動かさなくてもそれらを視認できるので、安全面でメリットが大きいとされる。ちなみにワゴンRのヘッドアップディスプレイは、エンジンの始動/停止と連動してダッシュパネル上に出現/格納される。そのメカニカルな動きは、初めて見る人を驚かせるに違いない。

 安全装備も極めて充実している。全車標準の装備では軽量衝突吸収ボディTECT、歩行者傷害軽減ボディ、頭部衝撃軽減構造インテリア、運転席/助手席エアバッグ、頸部衝撃緩和フロントシートなどが挙げられる。またFAグレード以外には「セーフティパッケージ」というメーカーオプションがあり、デュアルセンサーブレーキサポート、誤発進抑制機能、ふらつき警報機能、ハイビームアシスト機能、車線逸脱警報機能、先行車発進お知らせ機能という6つがあげられる。いずれも様々な車種への搭載が進んでいる機能だが、危険防止のみならず、交通の流れを妨げないよう促したり、安全で快適な運転を促すような機能が増えてきているのは好ましい傾向だろう。

 また快適装備も満載である。インパネの左右にはドリンクホルダーが設けられるほか、カードホルダー、オープントレイ、ドアポケット、ショッピングフックなど、とにかく収納が多い。極め付けは両リアドアに設けられたアンブレラホルダー(軽自動車初)。雨天時の乗降には気を使うものだが、これさえあればスマートに乗降できる上、ホルダー下部の雨水は車外へ放出される仕組みになっているので、日常的な清掃も簡単だ。

 おそらくはオーナーや社内スタッフの声を結集して考え抜かれたと思われる安全装備、快適装備。日常的な利用が想定されるワゴンRにとってこれらの装備は、道具としての完成度を高めるとともに、高い安全性により乗員を守る基本性能であるとも言える。

 ラインアップはハイブリッドFZ・ハイブリッドFX・ガソリン車のFAの3グレード。各々にFFと4WDが設定されているので、全6種のラインアップとなり、同様に6種がラインアップされるスティングレーも加えると、12種類となる。このうち試乗したのはハイブリッドFZ。標準のオーディオレス仕様だったので、音楽を一切聴くことなくドライブさせてもらったが、その静粛性に気づかされる結果となった。

 減速時、回生ブレーキを利用してISGが効率よく発電し、リチウムイオンバッテリーに蓄電。停車中はかなり高い頻度でアイドリングストップが働き、ブレーキから足を離すと即座にエンジンが始動。この過程でも実は大きなトピックがある。それが「モーターによるクリープ走行」である。アクセルもブレーキも踏まずに減速しているシーンで速度が13q/h以下になった時。そしてアイドリングストップからの発進時、最長10秒間の「モーターによるクリープ走行」が可能となった。もちろんバッテリーの蓄電量や空調他の車内電装品使用状況など一定の条件はあるし、「モーター走行」ではなく、あくまでも「クリープ走行」。それでも「エンジン補機類や電装品に電気を供給することでエンジンへの負荷を減らす」ことを目的としていた先代に比べ、大きな進化を遂げていると言える。その成果はFF車で33・4q、4WD車で30・4qというリッターあたりの燃費に現れている。実はこの進化こそがマイルドハイブリッドを名乗る所以であり、「スズキグリーンテクノロジー」が着実に結実していることの証でもある。

スズキ WAGON R詳細写真

インプレッション

「普通」のレベルを底上げし、また一歩リードした

 快適なデイリーユースを実現してくれる一台であることを記してきたが、それらを念頭に置いて走り出してみる。特に右足に力を入れずとも、スムースに加速し、ごく自然に流れに乗ることができる。減速時も同様だ。もちろん強烈な加速はしないが、それを望むならスティングレーを検討するのが良い。

 特筆すべきは車体のバランスの良さ。コーナリング時の挙動が独特で、硬すぎず柔らかすぎない足回りながら、中庸とか平凡というわけでもない。アンダーステアが出るかなと思う場面では、ほんの一瞬オーバーステア気味な感覚になった後、リアが即座に追従してくる。キビキビでもなくダルでもないのに、応答性が良く、安心感に包まれたようなこの感覚はとても新鮮で、ボディバランス・ボディ剛性・ステアリング特性などが実によく考えられているなと感心させられた。

 改めて書くが、ベーシックなワゴンRは、普通さが売りのクルマ。しかし、普通であることは意外や難しい。ドライバーや乗員が意識せずともごく自然に乗降でき、快適な車内空間を満喫でき、いざという時には充実の安全装備に守られる。これこそがワゴンRの凄さであり、自らが創出したカテゴリーを、自らがまた一歩リードしたと言えるだろう。

ディーラーメッセージ

スズキアリーナ札幌北
カーライフアドバイザー
石谷 安由華さん

この度フルモデルチェンジされたワゴンRは、安全性能や快適性能が大幅にアップ。特にアンブレラホルダーは雨の日に嬉しいとても便利な装備です。

スズキグリーンテクノロジーも満載で、エコ性能も向上しています。現在ワゴンRにお乗りの方々を中心に大きな反響をいただいておりますが、エコカーへのお乗り換えを検討されている方、小さなボディに広い空間を併せ持つ利便性の高い車を検討されている方、ワゴンRは初めてという方にも自信を持ってお勧めできます。

主要諸元:

全長×全幅×全高/3,395×1,475×1,650mm
ホイールベース/2,460mm
トレッド/前:1,525mm 後:1,515mm
車両重量/840kg
最小回転半径/5.2m
エンジン/658㏄直列3気筒DOHC12バルブVVT
最高出力/52ps/6500rpm
最大トルク/6.1kgm/4000rpm
モーター最高出力/3.1ps/1000rpm
モーター最大トルク/5.1kgm/100rpm
JC08モード燃費/30.4q/ℓ
ミッション/CVT
ブレーキ/前/ディスク 後/リーディング・トレーディング
タイヤサイズ/155/65R14
駆動方式/4WD
乗車定員/4名
車両本体価格(札幌地区)/1,530,360円(税込)

テキスト:横山 聡史(LuckyWagon)、Photo:川村 勲 (川村写真事務所)、取材協力:スズキアリーナ札幌北  ℡(011)721-8335

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