presented by2+3新春号New Car Impression

広大な室内空間を誇るスペーシア 安全性・快適性を大幅に向上させて新登場

プロフィール

軽スーパーハイトワゴンの主役

 スズキの軽スーパーハイトワゴン、スペーシアがフルモデルチェンジを受け、第二世代となった。ベーシックモデル「スペーシア」と、よりスポーティに仕立てられた「スペーシアカスタム」に大分され、今回はカスタムのインプレッションとなる。

 スペーシアは13年、パレットの後継車として登場した。両側パワースライドドアを継し、12年の5代目ワゴンRで初採用された次世代環境技術「スズキグリーンテクノロジー」が搭載された。ネーミングは空間を表す「スペース」からの造語である。

 細部をご紹介する前に、軽スーパーハイトワゴン(または軽トールワゴン)というカテゴリーについて触れておきたい。実はこのカテゴリー、にわかに熱気を帯びてきている。ここ数年の新型車に欠かせないキーワードに、低燃費・安全性能・自動運転支援技術が挙げられるが、ベーシックな乗用車には快適性や広い室内空間も求められるようになってきた。その結果、一般乗用は3ナンバー枠への移行が増えてきた。

 軽自動車は3サイズの上限が設けられているため、全長・全幅は上限一杯まで使い、全高を高くすることで有効空間を確保するという方向へシフトすることとなった。(道路運送車両法施行規則による軽自動車の規格は、全高2,000㎜以内)その火付け役は93年にデビューして以来、今なおトップクラスの人気を誇るワゴンR。1,700㎜近い全高がもたらすゆとりの空間とキビキビした走りで、その後の軽トールワゴンのあるべき姿を描いてみせた。以降、現行の第6世代に至るまで全高は1,650㎜余りに設定されてきたのだが、ついに1,700㎜を超える軽スーパーハイトワゴンも登場してきた。その有力な車種のひとつがスペーシアである。

ユーザー目線で考え抜かれた様々な装備

 激戦の中にあって、新型スペーシアは徹底的にユーザーの声を分析し、より完成度を高めて登場した。具体的には安全装備と快適装備が極めて充実し、軽自動車に初搭載された機能も多数ある。例えばフロントガラス投影式のヘッドアップディスプレイや、全方位モニター用カメラによる3Dビュー(メーカーオプション)、バックの際にも自動ブレーキが作動する後退時ブレーキサポート(標準装備)などである。

 視界と目線の移動を少なくすることは、自動車の運転においての極めて重要。そこでヘッドアップディスプレイを採用する車種が増えてきているが、光量やディスプレイの角度、映し出す情報の内容と表示方法などによって、明瞭度は様々である。スペーシアではフロントガラスに直接投影され、これまで見てきた同機能の中では群を抜いて見やすい。スピード、エンジン回転数、エアコン設定温度、前方衝突警報、進入禁止表示、交差点案内(対応ナビ装着時)などを表示してくれる。

 また後退時ブレーキサポートは、すでにお馴染みとなっている自動ブレーキシステムをバック走行時にも対応させたもの。透明なガラスも検知できるため、コンビニ駐車場など、日常的なシーンでの誤発進をサポートしてくれる。

 このほか、スリムサーキュレーター(車種別装備)も特筆に値する。前席上の天井に設置されており、車内の空気を効率よく循環させることで室温を均一に保つというもの。冷暖房がどうしても前席優先になってしまい、後席だけが寒い(または暑い)といった状態を緩和する。さらにエアコンルーバーもユニーク。エアコン出口のルーバーで風量や角度を調整できるのは一般的だが、スペーシアで採用されたそれは風を拡散できるという優れもの。顔などに直接風が当たるのを防ぎ、不快感や目の乾きを低減させてくれる。これらは、リビングルームでも求められそうな快適装備で、本当にユーザー目線で考えられていることがわかる。

秀逸なパッケージングにスズキグリーンテクノロジーをフル搭載

 ラインアップはカスタムがXSターボ/XS/GS、ベーシックモデルがX/G。各々にFFと4WDが設定され、全車種ハイブリッドシステムを搭載する。「スズキグリーンテクノロジー」におけるハイブリッドはユニークだ。通常ハイブリッド車では、駆動用のモーターを積んでいる。スズキはISGと呼ばれるモーター機能付き発電機により、駆動力と発電を担う。もちろんモーター単体での最高出力は3.1psと強大ではないものの、わずか100回転で最大トルク5.1㎏mを生み出す。さらに駆動用モーターの重量を減らせるので、車重の軽量化にもつながる。実際これほどの広大な空間を実現しつつ、車重は4WDでも950㎏と1tを切っている。足し算ではなく、引き算の考え方で低燃費化を図っているわけだ。

 エクステリアデザインはスーツケースがモチーフになっている。カスタムよりもベーシックなスペーシアで顕著だが、カスタムにおいてもドアハンドル部分に設けられたプレスラインやルーフ形状、そしてインテリアにおいても助手席前のインパネアッパーボックスに見てとれる。生活の道具として煮詰められたスペーシアと、高級感&スポーティさを増したカスタム。後者は主にエクステリアにおいて差別化されており、押し出しの強いフロントマスクが存在感を強烈にアピールしている。そうした個性を持たせつつ、低燃費と各種安全機能、快適機能をフル搭載しているのだから、人気が出ないはずはない。

スズキ スペーシア詳細写真

インプレッション

スポーツドライブも楽しめる、傑出した一台

 車内は驚くほど広く、特に天井の高さはびっくりするほど。身長170㎝の筆者がシートに座り、手を伸ばしてようやく天井に触ることができる。この空間を家族や友人で共有できれば、さぞかし楽しい会話に花が咲くことだろう。足回りも剛性感溢れており、キビキビと走る一方、不快な突き上げはない。4名フル乗車してちょうど良いセッティングになっているように思う。

 前述のISGによる走りへの影響だが、これがしっかりと体感できるほど大きい。ステアリングに「PWR」ボタンがあり、これを押すことでモーターが積極的に加わる。高速道路の合流や登坂などの際に役立つ機能で、ドライバーが自分でコントロールできるというのが嬉しい。モーターが駆動力に介入できるのは最長30秒であり、モーターのみのクリープ走行は最長10秒間可能となる。短いと思われるかもしれないが、加減速を繰り返す市街地での走行において、30秒間加速を続ける機会というのは殆どない。モーターなしでも走りは俊敏で、交通の流れに沿って走ることは全く問題ないのだが、「ここぞ!」という場面でのアドバンテージとして積極的に活用したい機能だ。

 ホットな軽スーパーハイトワゴンカテゴリーでは、経済性と走りの楽しさ、安全性・快適性と道具としてのユーティリティのバランスをどのようにとっていくかで勝敗が決まる。「軽自動車なんて」と言っていた時代は既に遠い過去。このカテゴリーこそが、今現在、日本車の大きなムーブメントの一つである。装備や機能に比例して価格も上がってきてはいるが、立派にファーストカーとして通用する以上、しっかりと試乗し、確かめた上で納得するべき部分だろう。乗ってわかるクオリティ。スペーシアはますます存在感を強めていくように思う。

ディーラーメッセージ

アリーナ札幌北
カーライフアドバイザー
春中 麻里さん

 安全装備とスズキグリーンテクノロジーがフル搭載された新型スペーシアは、ユーザー目線で考え抜かれた車です。便利な両側パワースライドドアには「予約ロック機能」が設定されたり、ワンタッチでフルフラットになるシート、多数設けられた収納スペースなど、実際に触れて乗って体験してこそわかる便利機能がいっぱいです。もちろん低燃費で、北海道の冬に強い4WDもご用意。冬の路面でこそ、ぜひご試乗いただければと思います。ご来店お待ちしております。

主要諸元:

全長×全幅×全高/3,395×1,475×1,785mm
ホイールベース/2,460mm
トレッド/前:1,295mm 後:1,300mm
車両重量/950kg
最小回転半径/5.2m
エンジン/658㏄ 直列3気筒DOHC12バルブVVCターボ
最高出力/64ps:6,000rpm
最大トルク/10kgm:3,000rpm
モーター最高出力/3.1ps:1,000rpm
モーター最大トルク/5.1kgm:100rpm
JC08モード燃費/24.0㎞/ℓ
ミッション/CVT
ブレーキ/前/ベンチレーテッド・ディスク 後/リーディング・トレーリング
タイヤサイズ/165/55R15
駆動方式/4WD
乗車定員/4名
車両本体価格(札幌地区)/1,908,360円(税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:青柳 健司(フォトライター)、取材協力:アリーナ札幌北 ℡(011)721-8335

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