presented by4+5陽春号New Car Impression

スズキが切り開く新ジャンル 遊び心に溢れたXBEE、登場

プロフィール

SUVとワゴンのクロスオーバー

 XBEE(クロスビー)は新車種として’17年12月に登場したSUV。大ヒットを記録した軽自動車ハスラーのエクステリアを引き継ぎ、そのまま兄貴分になったようなデザインだが、クロカンテイストが強まり、無骨さも感じられる。車両サイズもひと回り大きくなり、ハスラーと並べると明確に差別化されていることに気づかされる。

 実際にスズキでは「大人5人が乗れるワゴンの広さとSUVらしい走破性を両立した新ジャンル」と位置付けており、ハスラーからメカニズムやパーツは一切流用されていない。それらを共有しているのはイグニスやソリオなどのモデルである。遊び心に溢れ、ツートーンなどカラーリングの自由度を広げたことで大きな支持を得たハスラーをモチーフとして用い、ワンランク上の車格で新ジャンルに切り込んだモデルというのが正しい。そして新ジャンルとは「SUVとワゴンのクロスオーバー」。このコンセプトは新しい。これまでのクロスオーバーは「乗用+クロカン」「ミニバン+クロカン」などだが、スズキは独自に築いてきたミニワゴンのカテゴリーを存分に活かし、クロスカントリーのテイストをふんだんに取り入れ、無骨になりすぎない範囲で見事にまとめあげている。

高いオリジナリティを持つ内外装

 まずはハスラーとの違いを明確にしておこう。ハスラーの3サイズは全長3,395×全幅1,475×全高1,665㎜。これに対しクロスビーは全長3、760×全幅1、670×全高1、705㎜。エンジンはハスラーが660cc、クロスビーは1,000ccである。

 外観はクロスビーの方がふくよかで立体感がある。それでいて5ナンバー枠に収まっていることは非常にありがたい。本誌において折りにふれて書いてきたが、コンパクトカーはコンパクトであることに意味がある。SUVの競合他車が軒並み3ナンバーへ拡大されている中、コンパクトカーを知り尽くしたスズキが拡大路線に走らなかったのは大いに評価されるべきだ。さらにボディカラー・ルーフカラー・サイドパネルデカールの組み合わせにより、ツートーン、スリートーンの外装色を選べる。非常に斬新で、遊び心をくすぐられる設定バリエーションだ。

 室内は広い。特に頭上空間に余裕があり、後部座席に座っても拳3個分の余裕がある。前席はタイトである方がスポーティになるが、そこはSUVとして割り切り、快適性を重視している。

 運転席に座ってはじめに気づくのは、フロントウインドウとダッシュパネルの角度が立っていること。近年、特にミニバンでは大きなフロントウインドウが寝かされた設計になっているため、ダッシュ上に広大な奥行きが生まれている。ダッシュパネルも立体的な造形となり、シート側に傾斜がつけられたりしている。ところがクロスビーのフロントウインドウとダッシュパネルは垂直に近い角度で設計されているため、初めて運転席に座ると違和感を覚えるかもしれない。しかし違和感はやがて、思わずニヤリとさせられるような、ノスタルジーにも似た印象に変わる。この造形は、まだSUVという言葉がなくオフローダーと呼ばれていた頃の本格クロカンに似ている。スズキで言えば初代から98年までの二代目ジムニーがまさにそれである。かつてオフローダーの象徴だった無骨なテイストを取り入れ、現代風にアレンジしたクロスビーは、本格クロカンを体験している中高年層には懐かしく、若い層には新鮮に映るはず。しかも左右の空調吹き出し口を結ぶパネルはホワイトに塗装され、シートにも外装色とコーディネイトされたアクセントカラーが施されるなど、かなりオリジナリティの高いインテリアとなっている。

独自のマイルドハイブリッドと走行モード

 ラインアップは大きくMZとMXの2種。いずれも独自のハイブリッドシステムを搭載し、FFと4WDから全4車種を構成している。エンジンは直列3気筒のターボにISG(モーター機能付発電機)の組み合わせ。他社ハイブリッドのように動力専用のモーターを持たず、発電機がモーターを兼ねるというユニークなものだ。最高出力3.1ps/最大トルク5.1kgmと、決して強力ではないが、加速時にはしっかりとアシストしてくれる上、車両重量を減らすことにも貢献している。

 クロスビーのクロカン志向は4WD車に設定される走行モード切り替えに色濃く反映されている。スイッチ一つでスポーツ/スノー/グリップコントロール/ヒルディセントコントロールという4つのモードを選択できる。スポーツはエンジン回転数を高めにキープして俊敏な運動性能を。スノーではトルクを抑制してタイヤの空転を抑える。グリップコントロールはぬかるみやザクザクの雪道などにおいて空転しているタイヤをブレーキ制御する一方、グリップしているタイヤに駆動力を集中させるデフロックのような機能。ヒルディセントコントロールは急な下り坂において車速を約7km/hに維持する機能である。どのモードも選択していない通常モードはいわゆるエコモードながら、アクセルを踏めば軽快な加速を見せてくれる。

スズキ クロスビー詳細写真

インプレッション

今後が楽しみな新ジャンルクロスビー

 この車格にして安全機能がフル搭載されているのもすごい。基本安全と衝突安全に加え、予防安全(スズキセーフティサポート)の充実が嬉しい(MZとMXスズキセーフティサポートパッケージ装着車に標準装備)。デュアルセンサーブレーキサポート、後退時ブレーキサポート、誤発進抑制機能、後退誤発進抑制機能、車線逸脱警報、ふらつき警報、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト、全方位モニター用カメラといった最新の安全技術は、毎日の運転を安全・快適にサポートし、ロングドライブにおいてもストレスを軽減してくれる。

 走行時の静粛性は非常に高く、試乗車がオーディオレスだったためなおさら際立っていた。ただしスポーツモードで踏み込むとエンジン音は容赦なく高まり、軽快に加速していく。決して不快ではなく、運転が好きな方であれば逆に「楽しい」と感じられるであろう。マルチインフォメーションディスプレイに表示されるハイブリッドシステムの稼働状況を見ながら運転すると、エンジンとモーターがどのようなシチュエーションで機能しているかよくわかる。助手席下に設置されたリチウムイオンバッテリーへは回生ブレーキによって充電されるので、通常はこの状況を確認しながらエコドライブも可能となる。

 ハンドリングはクイックすぎずダルすぎず、ちょうど良い味付けだ。車高が高い割には大きくロールすることもなく、タイトコーナーでステアリングを急に切り込んでも、スッとリアが収まってくれる。この辺りのマナーは非常に好感触だ。

 このクロスビー、マーケットでどのように評価されるだろうか。個人的には大いにヒットする予感がしている。ミニバン、SUV、クロスオーバーと、目的やコンセプトに応じてさまざまなカテゴリーが生じてきている現在、真にオリジナリティを持ち、所有する喜びがあり、走行性能・安全性能・燃費性能がバランス良く共存した車こそが生き残る。その中でクロスビーの存在感は非常に大きい。

ディーラーメッセージ

アリーナ札幌北
カーライフアドバイザー
春中 麻里さん

 発売されて以降、お客様から大きな反響をいただいているクロスビー。アクティブなライフスタイルの相棒として試乗に来られる方もいらっしゃる一方、お子様が独立され、夫婦二人で楽しめるSUVとしてお選びいただいたケースもあります。幅広い年代層の方々から関心をお寄せいただいている背景にはSUVならではの使い勝手、低燃費と高い安全性など様々な要素がありますが、やはりクロスビーの持つ「遊び心」に尽きるのではないかと思います。ぜひ現車をお試しください。

主要諸元:

全長×全幅×全高:3,760×1,670×1,705mm
ホイールベース:2,435mm
トレッド:前/1,460mm 後/1,460mm
車両重量:1,000kg    
最小回転半径:4.7m
エンジン:996cc 直列3気筒DHOC12バルブ直噴ターボ
最高出力:99ps/5,500rpm
最大トルク:10.0kgm/3,000rpm
モーター最高出力:3.1ps/1,000rpm
モーター最大トルク:5.1kgm/100rpm
JC08モード燃費:20.6km/ℓ
ミッション:6AT
ブレーキ:前/ベンチレーテッド・ディスク 後/リーディングトレーリング
タイヤサイズ:165/60R16
駆動方式:4WD
乗車定員:5名
車両本体価格:2,145,960円(税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村勲(川村写真事務所)、取材協力:アリーナ札幌北 ℡(011)721-8335

[Carpia CELHOME]詳しくはこちらをクリック!

最近チェックしたクルマ

最近検索した条件
     

このページを印刷する

キーワード検索

検索