presented by4+5陽春号New Car Impression

自動運転支援技術に加えe-POWERも導入 ファミリーユースを追求した最新ミニバン

プロフィール

進化を続けるセレナに、新たな魅力を

 日産を代表するミニバン、セレナに電気自動車「e-POWER」が追加された。’16年11月、ノートに初搭載されたe-POWERは、発電専用のガソリンエンジンと駆動用バッテリー、駆動用モーターを併用することで、スムースな走りと低燃費を実現するシリーズ(直列)方式のハイブリッドである。ハイブリッドシステムには他にパラレル(並列)方式、スプリット(動力分割)方式などがあるが、e-POWERは駆動にモーターのみを用いることから、日産では「充電の必要のない電気自動車」という位置付けにしている。

 セレナのデビューは’91年。’99年に二代目となり、乗用タイプミニバンとして両側スライドドアを初採用したほか、外観もぐっとスタイリッシュになった。’05年に三代目、’10年に四代目と着実に進化を続け、現行の五代目となったのは’16年である。四代目では12年にスマートシンプルハイブリッド「S-HYBRID」、五代目ではミニバンクラス世界初となるプロパイロット(高速道路同一車線自動運転技術)が採用され、各々大きな話題となった。

 セレナの低燃費化・自動運転技術・安全装備の充実には、明確な理由がある。主たるターゲットがファミリー層であること。子どもの送迎や買い物に使用する奥様の方が、総合的に運転時間が長いということ。毎日の足だからこそ燃費が良く、車両感覚がつかみやすくなるよう機能を充実させる一方、ロングドライブにも快適性を追求するといったように、徹底的に磨き上げられているわけだ。そこへ登場したe-POWERは、さらなる魅力アップはもちろん、自動車の新しい世界を見せてくれる意味で興味深い。

革新的なe-POWERが、さらに磨き上げられている

 e-POWERは「電動パワートレインシステム」が正式名称で、その働きは大きく4つに分けられる。(1)駆動用バッテリー残量が十分にある時。モーターのみが動き、エンジンは停止している。(2)駆動用バッテリー残量が少ない時。モーター駆動とともにエンジンが動いて発電する。(3)急加速や登坂の時。モーターとエンジンが働くが、モーターに大電力を供給するため、発電モーターから駆動モーターへの直接給電が行われる。(4)減速・降坂時。エンジンを止め、駆動モーターを介して回生エネルギーを駆動用バッテリーに蓄電する。

 これらが自動的に制御されるのに加え「e-POWER Drive」という機能もある。ノーマルの他に、SとECO、2つのドライブモードが選択できるのだが、いずれも減速力が強く、リーフのe-Pedalのように働く。アクセルから足を離せばブレーキを踏んだように減速が始まり、アクセルだけで加減速をコントロールできるので、特に北海道の冬道や下り坂などには有効だろう。ここまではノートにも搭載されている機能なのだが、セレナでは新たにマナーモード/チャージモードが追加された。通常はバッテリー残量に応じてエンジンによる給電を制御しているのだが、手動でバッテリー残量を増やし、モーターだけで走行することができるという便利機能だ。

ユーザーの毎日を考慮した、至れり尽くせりの機能

 快適装備、安全装備はたっぷりと用意されている。グレードによって標準装備もあればオプション設定もあり、すべてをご紹介することはできないが、「さすがユーザーのことを考えているな」と思わされるものを記しておきたい。

 まずはインテリジェントルームミラー。荷物や乗員によって通常ミラーからの視界が妨げられる場合、ルームミラーをカメラ映像に切り替えることができる機能だ。夜間や悪天候時にもクリアな視界を保ってくれる。また日産が以前から取り入れているインテリジェントアラウンドビューモニターも便利。前後左右のカメラにより、車両を上空から見下ろした映像を表示してくれる。

 さらに駐車スペースへ自動でハンドルを操作してくれるインテリジェントパーキングアシスト、ヘッドライトを自動で切り替えるハイビームアシスト、低速衝突軽減ブレーキ機能、標識検知機能、インテリジェントDA(ふらつき警報)、足先をボディ下に入れて引くだけで自動開閉するハンズフリーオートスライドドア、自動スライドドアを途中でストップできる機能、前席背面と3列目の左右に用意されたUSB電源ソケット、手を汚さずに給油キャップを開けられるキャップレス給油口、シートバックのテーブル……。大きなミニバンボディのネガティブな印象を払拭するには十分すぎるほどの装備・機能を備えているのも、セレナの存在感を確固たるものにしている。

 グレードごとの装備とオプション設定については、ぜひカタログとディーラーで詳細をお確かめいただきたい。

日産 セレナ e-POWER詳細写真

インプレッション

積極的に機能を楽しみたいミニバン

 さて試乗インプレッションでは、あえて山道を走ってみた。広大な室内空間を実現するため、全長4,770×全幅1,740×全高1,865㎜という大柄なボディサイズだし、車両重量も1.7t前後と決して軽くはない。

 ノートで評価を得たとはいえ、基本的に同じe-POWERシステムを搭載して大丈夫なのか? しかし実際に走り出してみると、それは杞憂に終わった。セレナはモーターの美味しいところを美味しいまま使っている。

 エンジンとモーターの大きな違いはトルク特性にある。エンジンが最大トルクを発生する回転域は決まっており、それが狭いほどピーキーで扱いづらくなり、広ければフラットトルクで扱いやすくなる。

 大排気量エンジンやディーゼルは1、500rpmあたりからトルクがあるが、モーターはそれらよりさらに低回転域からトルクを発生する。多人数での移動を考慮したミニバンで重要なのは、トルクであって馬力ではない。その意味で、e-POWERシステムはセレナにとてもマッチしている。

 そしてクルマとしての基本性能も文句無し。具体的にはステアリング特性や加減速時の挙動などであるが、いずれにおいても「スムース」という言葉がぴったりだ。強めにアクセルを踏めば、発進からスムースなトルク感で加速してくれるし、カーブの続く下りでは「S」または「ECO」モードを選択することにより、アクセルだけで車速をコントロールできる。タックイン時の挙動も安定しており、弱アンダーからニュートラル付近の印象。ボディ剛性も高く、安定した姿勢のままコーナーを抜けることができる。「e-POWER Drive」への切り替えはボタンひとつなので、ぜひ積極的に活用してほしい。

 モーター走行時の静粛性も特筆に値する。路面状態が良ければタイヤの転がる音しか聞こえない。モーター駆動があまりにも静かなので、エンジンが始動した時に敏感に反応してしまうが、エンジン音もかなり抑え込まれている。試乗を終えて自分の車に乗り込んだ時、セレナの静粛性に気づかされることとなった。

 大きくて運転しづらいのでは? 走りを楽しめないのでは? ミニバンにつきまとうこうした懸念は、セレナに試乗してみることでかなり解消されるはず。それほど完成度が高く、ユーザーオリエンテッドな一台と言える。

ディーラーメッセージ

北海道日産自動車北店
カーライフアドバイザー
河野 健太さん

 プロパイロットをはじめとする自動運転支援技術を盛り込み、ご好評をいただいているセレナに、e-POWERが搭載されて魅力的なバリエーションが揃いました。日常的に使用されるファミリーカーだからこそ、安全性と快適性を最新の技術でサポートする。それによって運転が楽しくなり、豊かなカーライフに貢献する。セレナe-POWERはそうした方向性のもと、とても魅力的なミニバンに仕上がっていると思います。ご試乗にはもってこいのシーズン、ご来店お待ちしております。

主要諸元:

全長×全幅×全高:4,770×1,740×1,865mm
ホイールベース:2,860mm
トレッド:前/1,485mm 後/1,485mm
車両重量:1,740kg
最小回転半径:5.5m
発電用エンジン:1,198cc 直列3気筒DHOC
最高出力:84ps/6,000rpm
最大トルク:10.5kgf・m/3,200~5,200rpm
最高出力:136ps
最大トルク:32.6kgf・m
JC08モード燃費:26.2km/ℓ
ミッション:-
ブレーキ:前/ベンチレーテッド・ディスク 後/ディスク
タイヤサイズ:195/65R15
駆動方式:FF
乗車定員:7名
車両本体価格: 3,178,440円(税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村勲(川村写真事務所)、取材協力:北海道日産自動車 北店 ℡(011)711-6111

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