presented by12+1冬将軍号New Car Impression

クルマの世界をより楽しく!ピックアップトラックが13年ぶりに日本国内市場へ登場!!

プロフィール

アメリカでは超人気のジャンル!

 ピックアップトラックの発祥は諸説ありはっきりしないのだが、1918年頃、フォードT型のボディ後半に荷台を備えたモデルが発表されたのが最初らしい。その後、1930年代にはフォード、シボレー、クライスラーのビッグ3をはじめほとんどのメーカーが生産するようになる。広大な国土を持つアメリカの国情に合っていたのだろう、この4ドアのキャビンを確保した上で広い荷台も持つという車種の人気は瞬く間に急上昇する。日本国内では想像もつかないだろうが、アメリカでの自動車販売台数の上位を占めるのは常にこのピックアップトラックなのだ。

 その人気は圧倒的で、2016年の全米販売台数トップはフォードF150、2位がシボレー・シルバラード、3位がラム・ピックアップという有様。4位にはトヨタ・カムリが入っているものの、セダンやSUV、クロスオーバーカーなど、販売台数においてピックアップトラック勢の足元にも及ばないのだ。

 トヨタもそんなアメリカの状況を把握しており、1968年にハイラックスを輸出開始するが、その後輸入障壁をクリアするため現地生産に切り替えて「タコマ」という独立車種となる。続いて、ビッグ3の牙城である大型ピックアップトラック分野にも「タンドラ」で進出している。アメリカでは人気のトラックレースシリーズにも参戦し、昨年は「タンドラ」がチャンピオンカーとなっている。トヨタはピックアップトラック部門でも大きな人気を得て、その存在を高める努力を続けているのだ。

ボンネットトラックの伝統を守る!

 戦後の日本国内での小型トラックといえば、トヨタのメインモデルは「スタウト」だった。

 トヨタ・スタウトは昭和32年に発売されているが、正規の「スタウト」は昭和35年にモデルチェンジされたRK45型からと言えるだろう。このRK45型スタウト、スクエアなフロントグリルやアラウンドタイプのフロントウインド、エアスクープを思わせるボンネット上のマーカーランプなどアメリカンテイストを取り入れていた。この画期的デザインはマイナーチェンジを受けながらも19年間にわたって生産され続けるのである。

 そして昭和43年、1トン積み小型トラックで優位にあった日産ダットサン・トラックの対抗馬としてトヨタが市場に投入したのが「ハイラックス」だった。その時代、商用車であるトラックと乗用車の双方を所有するのが経済的にも難しく、乗用車仕様のキャビンを持ち、運転感覚も変わらないボンネット型ピックアップトラックは普段の移動手段としても使えるため相応の人気があり、「ハイラックス」も世界中の180カ国で1730万台も販売される人気となる。

 さらに「ハイラックス」の地位を確固たるものとしたのが昭和59年に誕生した「ハイラックス・サーフ」だろう。当初は荷台部分ルーフはFRP製だったが、昭和60年にはオンロード性能向上を狙い、サスペンションを改良し、荷台ルーフもキャビンとつながったメタルとなる。さらに登録上もライトバン扱いの4ナンバーだったものが、昭和61年には5ナンバー登録が可能となりAT車も設定、カントリー系ユーザーを取り込みさらに人気は上がってゆく。

 このあたりから「サーフ」はオリジナルの「ハイラックス」とは違った道を歩み始める。狙う顧客層が違うわけで、それもまた当然。そのため平成16年に純粋のピックアップトラックである「ハイラックス」が販売終了したあとも「サーフ」は販売が継続される。しかし時代のすう勢、日本国内の自動車販売の中心はFFベースのクロスオーバーSUVやミニバンに移ってゆき、「サーフ」も平成21年には販売終了。ここでとうとう「ハイラックス」という名前を持つクルマは日本から姿を消すことになるのである。

トヨタの世界戦略構想がスタート!

 13年前に販売が終了したハイラックスだが、今でも国内に9000台余りが“現役”であり、なかでも最も多いユーザーは北海道在住者。そう、この“北の大地”で林業、農業、漁業、建設業などの現場で働き続けてきた多くの「ハイラックス」がすでに“使用期限”を終えようとしているのに、それに代わるピックアップトラックが日本国内では販売されていないのが現実だったのだ。

 そこで、そのユーザーの声に応えようとトヨタは立ち上がる。すでに平成14年には「IMV」というプロジェクトがスタート。これは「インターナショナル・マルチパーパス・ヴィークル」の略であり、世界各地の新興国、発展途上国をターゲットに、単一のプラットフォームから、それぞれの国情に合った多目的に使えるクルマを開発し提供しようとするトヨタの国際戦略なのである。

 そのプロジェクトは平成16年、つまり日本国内でハイラックスが販売終了した年にトヨタのタイ工場で稼動開始。そこで生産されるIMV世界戦略車には「ハイラックス」というネーミングが継承されていたのである。つまり、日本国内やアメリカ、ヨーロッパでは販売終了した「ハイラックス」はアジア各国や南米、オセアニア、南アフリカなどではこれまで同様に生産出荷されており、新興国では予想以上の販売実績を挙げ続けていたのだ。

 日本国内でもピックアップトラックの待望論があることを知ったトヨタ、そこで視野に入ってきたのがこのタイ製「ハイラックス」だった。そう、13年ぶりに復活販売となった「ハイラックス」は日本向けに仕様を変えたタイから逆輸入されたトヨタ世界戦略車なのである。

トヨタ ハイラックス詳細写真

インプレッション

“超ド級”のデカさと存在感!

 この「ハイラックス」、カタログにもその大きさをうたう言葉が並んでいるのだが、確かにデカい。長いボンネットに4ドア5人乗りのキャビン、さらに1m50を超える荷台を持っているのだから当然なのだ。つまりそれはこのクルマが、日本国内使用を前提に開発されたわけではなく、世界各地での販売を主眼としていることを表す。そのため、先代とは違い、国内の4ナンバー小型貨物車の枠を超え、大型貨物車の1ナンバー登録を必要とするのだ。

 しかし、実際にドライバーズシートに乗り込んでみると、その大きさをさほど感じない。正面右に200キロ!(ここはさすがに海外仕様だ)までのスピードメーター、左には4500回転からレッドゾーンのタコメーターが並ぶ。ステアリングホイールも皮巻きで握りやすく、ファブリック地の余裕あるシートも乗用車感覚で、1ナンバーのトラックであることを意識することはなかった。ただ、長い荷台のせいでバックの感覚をつかみにくかったが、これも慣れの問題だろう。

 新開発のクリーンディーゼル、2GD系エンジンに火を入れ、これまた新開発の6速ATミッションを1速にシフトして走り始める。このエンジン、これまで他の地域では従来型のKD系ディーゼルやガソリンエンジンだったものを、日本国内の業務用車輌に対するディーゼル需要に応えるため、国内の厳しい排ガス規制をクリアしようと新たに開発されたもの。もちろんこの新しいGD系エンジンはタイで生産される海外仕様にも搭載されている。2・4リッターながら1600回転から40キロ以上のトルクを発生させ、2トンを超える大柄なボディを軽々と加速させてゆく。ただ、ATであるため、アクセルオンした時、多少の加速ラグを感じるが、CVTミッションほどの違和感ではなく、さらにハイラックスはスポーツドライビングをする性格のクルマではなく、なんら問題はあるまい。

 舗装の一般道ではボディサイズの大きさは気にならないが、段差や舗装の継ぎ目を乗り越える時、やはり「固い!」と感じる。それも当然であり、ハイラックスはFF乗用車ベースのクロスオーバーカーとは一線を画する設計、堅牢無比なラダーフレームを持ち、リアにはリーフリジッドというハードなサスペンションなのだ。ただそれは決して不快ではなく、あらゆる路面を踏破できるという安心感と、そのポテンシャルを持つクルマを扱っているという“優越感”さえ感じさせるのである。

“遊びグルマ”と“仕事グルマ”が見事に両立!

 今回、試乗用に提供されたのは「Z」という上級仕様のタイプ。そのためアルミホイールや安全システムの自動ブレーキや車線逸脱アラートなどが装備されている。さらにオプションのカーナビや荷台にはTRD製のハードトノカバーまで装着されていた。しかしこのハイラックス、林業や農業、漁業など業務用として選ぶ企業も多いはず。そのため、メッキなどの装飾を施さず、エアコンもマニュアル、ホイールはスチールというグレード「X」が用意されている。ただ、この新しいハイラックスの“魅力”は、業務用だけにとどまらない。

 ピックアップトラックというクルマに魅力を感じ、レジャーやタウンユースとして暮らしをさらに豊かにしようと考える新しいユーザーには「Z」で対応、実際、そのような新たなカーライフを創造しようとするユーザーは多数存在し、販売実績上でも「Z」が上位を占めているという。

 ハイラックスのポテンシャルを存分に体感しようとすれば不整路面や山岳路を走ってみるべき。強固なフレームや、力強いトルクフルなエンジン、それを伝えるハードなサスペンション、さらに本格的な直結4WDを体感するには、舗装のオープンロードでは到底無理なのだ。その意味では今回の試乗、残念ながらそこまではいけなかった。

 ただ、一部ではあったが泥濘路面を走ることができた。最初は後輪駆動のH2のまま乗り入れたのだが、アクセルを開けるとリアが滑り出す。そこで四駆ローモードのL4にセットして再度乗り入れてみた。そこからがハイラックスの真骨頂、フロントタイヤが濡れた路面をつかみ、滑りながらも加速してゆくのだ。世に多数あるFFベースの電子制御4WDでは到底味わえない、トランスファーやデフロックを持つ本当の4WDパワーを見せつけてくれたのだ。

 業務用の“仕事グルマ”が本来の姿なのだろうが、そこに“遊びグルマ”の要素も盛り込んで帰ってきたハイラックス。販売終了して以来、代替車を待ち続けてきた林業・建設業などの“仕事人”の方々。そして『日本には根付かない』と言われてきたピックアップトラックの登場で新たなカーライフの世界が開かれるかもしれない“遊び人”心を持ったユーザーたち。新しい「ハイラックス」がどう評価されるのか、大いに楽しみである。

ディーラーメッセージ

札幌トヨタ 月寒支店
新車課
石崎 健太さん

 旧型が現役だった頃、私はまだ学生だったので、その当時の姿を覚えてはいないのですが、13年ぶりに帰ってきたこのハイラックスを目にしたとき、思わず『カッコいい!』とビックリしました。こんなクルマを待っていた人たちが大勢いたんだと思いましたし、実際にお客様からも『こんなクルマが欲しいんだ!』という声もいっぱいいただきました。そしてとうとう登場した新しいハイラックス、ピックアップトラックとしてばかりじゃなく、色々な目的に使える万能車です。ぜひこの新しいハイラックスに乗って、触れてみて、その魅力を体感してください。ご来店、お待ちしております

主要諸元:

全長×全幅×全高:5,335×1,855×1,800mm
ホイールベース:3,085mm
トレッド:前:1,535mm 後:1,550mm
車両重量:2,080kg
最小回転半径:6.4m
エンジン:2,393cc直列4気筒ディーゼルターボ
最高出力:150ps/3400rpm
最大トルク:40.8kgf・m/1600~2000rpm
JC08モード燃費:11.8km/ℓ
ミッション:スーパーインテリジェント6速AT
ブレーキ:前/ベンチレーテッド・ディスク 後/リーディングトレーリング式ドラム
タイヤサイズ:265/65R17
駆動方式:パートタイム4WD
乗車定員:5名
車両本体価格:3,742,200円(税込)

テキスト:天野 克彦(BIBIMBA天野)、Photo:川村 勲 (川村写真事務所)、取材協力:札幌トヨタ自動車 月寒支店 ℡(011)851-6121

[Carpia CELHOME]詳しくはこちらをクリック!

最近チェックしたクルマ

最近検索した条件
     

このページを印刷する

キーワード検索

検索