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オープンエアの爽快感とクーペの快適性を両立・オンリーワンの存在感を放つ「Mercedes Benz SLK-CLASS」

メルセデスSLK

プロフィール

基本を踏襲しながら、大きく進化した三代目

 SLKはCクラスをベースとした2シーター・ライトウエイト・オープンカーとして96年にデビュー。04年に二代目へ移行し、今年5月に三代目が日本に導入された。15年に及ぶ歴史の中には特別仕様車やAMGモデルが多々存在するが、基本バリエーションは320や350のように3リッター台のV6エンジンを積むモデルと、230や200のように2リッター前後(先代には3リッターV6の280も存在したが)のモデルに大別される。新型のバリエーションもこれを踏襲し、1,795cc直列4気筒DOHCの200と、3,497ccV型6気筒の350から構成されている。
 ただし大きなトピックが幾つかある。先ずは200/350ともにブルーエフィシェンシー仕様であること。ブルーエフィシェンシーとはメルセデスが提唱する環境対策技術の総称で、SLKにおいてはアイドリングストップ機能(350)、空気抵抗を低減するラジエターブラインド(200)、ガソリン直噴エンジン、7速AT「7G‐TRONICPLUS」、軽量化に貢献するアルミニウム製ボンネット、エンジン負荷を低減させたパワーステアリング、バッテリー容量に応じて休止するオルタネーターなどである。
 また200には「スポーツ」というグレードが新たに追加された。これはレザーシートなどの豪華装備をオプション設定することで価格を抑えた戦略的なモデルで、ユーザーの若返りを図り、今後Cクラス、Eクラスなどのオーナー候補として醸成していきたいという意図が感じられる。

積極的にルーフを開けたくなる機能が充実

 フロントマスクは最近のメルセデスのデザイントレンドに則り、スリーポインテッドスターが大きく目立つもの。キュートさも感じられた初代、SLRマクラーレンのスポーツイメージを継承した二代目と比較すると、シャープネスとスポーティ感が強調されたダイナミックかつワイド、伝統と革新を融合したイメージだ。
 SLKはリトラクタブルハードトップを持つオープンカーの先駆者。このためオープン時の爽快感とクローズ時の快適性の両立という面で、かなり熟成されてきている。先ずはバリオルーフ(電動開閉式トップ)。マグネシウム合金の採用によってフレームで6Kg、ルーフモジュール全体で30%もの軽量化が図られた結果、開閉時間は20秒を切った。ルーフ開閉の手間やストレスというのは、オープンカーに乗りながらもクローズで走ることが多いという悲しい事態に直結する。その点バリオルーフは積極的に屋根を開けようという気分を促進してくれる。
 またロールバーに設けられたエアガイドと、ヘッドレスト下部に設けられたエアスカーフが素晴らしい。ともに200スポーツにオプション設定、その他には標準装備される機能で、エアガイドは風の巻き込みが大幅に低減し、エアスカーフは首の後部に温風があたることで秋から冬にかけてのオープンエア・ドライビングをより快適にしてくれる。

オープンエアとクーペの完璧な同居

 インテリアは黒基調のダッシュ周りとブラック/グレー/ベージュ/レッド/ブラウンからチョイスできるシート・ドア内張りから構成され、シックでスポーティな雰囲気。着座位置が低く適度な囲まれ感があることから、乗り込んだ瞬間からクルマ好きの心を鷲掴みにする。オープンカーはインテリアや乗員が外から丸見えなので、大人のお洒落を具現化したこの演出は嬉しい。ラゲッジは335リッター(ルーフ格納時225リッター)で先代の277リッター(同185リッター)から大幅に拡大されている。二人分のトラベルバッグを放り込んでゆったりとクルーズする分には必要充分なスペースが確保されている。
 取材日は撮影を終えた頃からいきなりの豪雨となったため、必然的にルーフを閉めることとなったが、クローズ時の快適性も極めて高い。一般的なクーペと何ら変わりない剛性感・静粛性は、乗員に一片の不安も感じさせない。簡単な操作でオープンエアを楽しめ、いざ天候が変化したら僅か20秒弱でクーペに戻る。この完成度こそが、SLKたる由縁であろう。

メルセデスベンツ SLK-CLASS詳細写真

インプレッション

様々な機能が美しさの中に凝縮された一台

 足回りは固めの印象だ。だがごつごつしているのではなく、スポーティで路面に吸い付くようなイメージ。ロングドライブに出かけた際やワインディングで、その持ち味を発揮してくれそうだ。
 試乗車は直列4気筒DOHC直噴ターボを搭載する200で、このエンジンは184ps/5,250rpmの最高出力と、27.5Kmm/1,800〜4,600rpmの最大トルクを発生する。先代はスーパーチャージャーで低域からのトルクを稼いでいたが、今回低プレッシャーのターボを採用することで低回転から高回転までとても扱いやすいトルク特性となっている。街中ではごく普通のアクセルワークで流れに乗り、いざという時には瞬時に爽快な加速を開始する。ダッシュパネルにはブースト計がないのだが、ターボであることを全く意識させないほどナチュラルなフィーリングだ。
 メルセデスはブルーエフィシェンシーにより環境への配慮を徹底する一方で、メルセデスらしい走行性能・安全性能・快適性能も熟成させてきた。現行ラインアップ中もっとも身近なスポーティモデルであるSLKには、そうした方向性が見事に凝縮されている。この完成度はまさに驚きに値すると断言しておこう。

取材協力:メルセデス・ベンツ札幌中央(011-210-0777)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)、テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)

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