presented by2011.12+2012.1冬将軍号New Car Impression

「駆け抜ける歓び」と燃費性能を両立。Cセグメントでひときわ異彩をを放つプレミアム・コンパクト

BMW 116i Sport

プロフィール

異彩を放つプレミアム・コンパクト

 BMWラインアップのボトムを受け持つ1シリーズが、2004年以来初のフルモデルチェンジを受けた。1シリーズは「手の届くBMW」として、主にパーソナルユースをターゲットとしたプレミアム・コンパクトであり、Cセグメントの中で唯一FRを採用する。エンジンは縦置きされ、1.6リッターながらターボ加給によって136ps(116i)/170ps(120i)を発生。その一方で17.6km/l(116i/10.15モード)という高燃費を実現している。
 先代が発表された際、長時間テストドライブする機会を得てワインディングにも脚を踏み入れてみたのだが、キビキビとした挙動と必要十分な動力性能に驚かされたものだ。しかし今回のニューモデルは明らかに先代を凌ぐ完成度である。それは動力性能にとどまらず、環境性能、スタイリング、インテリアの質感などあらゆる箇所において感じられる。

完成度の高いエフィシェント・ダイナミクス

 トピックはかなり多い。先ずはBMWエフィシェント・ダイナミクス。エフィシェントとは「効率的な」という意味で、メルセデスが「ブルーエフィシェンシー」という名称を使っているのに対し、BMWはそれにダイナミクスを組み合わせているのが面白い。エフィシェント・ダイナミクスとはエコと走りの両立を実現するBMW最先端技術の集合体の総称で、アイドリング・ストップ、ツインパワー・ターボ、ブレーキ・エネルギー回生システム、電動パワー・ステアリング、ドライビング・パフォーマンス・コントロール、8速ATなどが含まれる。
 中でもツインパワー・ターボは直噴+バルブトロニック+ダブルVANOS(バリアブル・カムシャフト・コントロール)+ツイン・スクロール・ターボ(排気を2気筒ずつタービンへ送る)という総合的技術。その恩恵で最大トルク22.4kgmを1,350〜4,300rpmに渡って発生する(116i)というフラットな特性を持つ。ターボラグもまったく感じず、極めてスムーズな加速を実現している。
 8速ATもスムーズさに大きく貢献しており、ステップトロニック付きなのでマニュアルライクなスポーツ走行も楽しめる。最近はパドルシフトも増えているので欲が出るところではあるが、マニュアル的という面では短いシフトノブを小気味良く操作する方がそれらしい。なにより俊敏な出足と高速クルーズでの静粛性・燃費性能に極めて有利だ。

BMW 116i Sport詳細写真

インプレッション

脈々と継承されるBMWのポリシー

 BMWの重要なコンセプトに50:50の前後重量配分がある。FF車は駆動機構がエンジン周辺に集まるためどうしてもフロントへヴィーになるが、FRでは50:50を実現でき、トラクション性能や走行性能が大きく向上する。軽量サスペンションとも相まって、コーナリング時の挙動はとてもキビキビしており、意のままにクルマを操る喜びがふつふつと沸いてくる。先代は強めのオーバーステア傾向にあったが、新型はニュートラルに近くなり、走りに味が加わった。
 またドライビング・パフォーマンス・コントロールも実用的だ。走行シーンに合わせてECO PRO/コンフォート/スポーツモードを選択でき、燃費重視のECO PROモードではエンジン・レスポンス、シフト・タイミング、AC動作まで効率的に制御して燃費走行に徹する。スポーツにするとまさに豹変という言葉がぴったりで、性格は一気にやんちゃなスポーツコンパクトになる。ただしマナーはしっかりしており、あくまでもBMWらしいプレミアム感を伴ってのやんちゃぶり。その出足は強烈で、NAで言えば2,500ccクラス並みであろう。

選択肢を広げ、新規オーナーとり込みへ

 最後に外観と内観についても触れておこう。先代よりもアクティブ感、スポーティ感がアップした外観デザインは全長95mm、全幅15mm、全高40mmそれぞれ拡大され、ウェッジの効いたスタイリングとなった。リアはロー&ワイドの印象が強められ、安定感を演出。全体から受ける印象は先代と似ているが、細部を検証していくと完全に別物である。スリーサイズは全長4,335mm×全幅1,765mm×全高1,440mm。全幅が3ナンバーサイズだが、日本で使いやすい大きさだ。
 インテリアはオーソドックスながらスポーティでシック。コクピットは囲まれ感がありなんともその気にさせてくれるが、狭いという印象はない。同様に後部座席も思うより狭くなく、前席シート上部は目前に迫るものの、足元に余裕があることと頭上に拳2個分のゆとりがあることから、圧迫感はほとんどない。もっともこのクルマ、フル乗車の機会はそう多くないだろうし、必要充分な車内スペースを確保していると言えるだろう。
 さて新しい1シリーズ。120i/116iという基本ラインアップ各々にスタンダード/スポーツ/スタイルという3グレードがあり、ボディカラーが11色、内装はグレードごとに設定されるマテリアル/カラーのバリエーションが多様に揃うため、オプションも含めたバリエーションはなんと1,600種以上にも及ぶという。これはBMWが本格的に新規ターゲット層を広げていこうという意思を具現化したものであり、低めの価格設定で世間を驚かせたX1から続く世界戦略に基づくものだろう。「駆け抜ける歓び」とエコを両立し、コンパクトなボディに詰め込んだ1シリーズは、間違いなく今後の大きな流れを形成して行くことだろう。

取材協力:国際興業 月寒営業所(011-853-6891)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)、テキスト:横山聡史(Lucky Wagon)

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