presented by2011.12+2012.1冬将軍号New Car Impression

プロフィール

フォルム変更は小規模

マツダ・アクセラは、マツダ自信のハンドリングと動力性能に、かつて提携関係を強めたボルボ、フォードの安全技術やマーケティングのノウハウを結集し、それまでに世界100以上の国・地域で200万台超を浸透させた1stモデルをベースに、09年6月に2ndモデルへ移行した。この際の全面改良で手にしたプラットフォームは、グローバル展開に欠かせない性能を維持するための基幹テクノロジーとなり、今回の3rdモデルもしっかりとキャリーオーバーする。従って、車台を含めたボディー各部は、新型ながらも大きくは変わっていない。
 具体的にシルエット各部を見ると、シリーズ共通の変更点はフロントグリルとバンパー、マフラーの形状程度。だが実際には、最大のテーマであるエコ性能を側面支援するため、ボディー下部の空気整流効果をねらってフロアトンネルやプラットフォーム自体の結合構造、溶接方法にまで手を加えている。これにバンパー形状の変更なども併せ、空気抵抗係数cd値は、例えばスポーツ・グレードで0.32から0.28へ減少した。

キャビンの質感アップ

インテリアも基本的に旧モデルのデザインと配置、操作性を受け継ぐが、メーターの照明カラーを新たにホワイトに統一し、センターコンソール中央のシフトレバー周辺を中心に素材を上質なタッチのピアノブラック系のものに変えるなど小変更を重ね、キャビン全体の質感を高めている。
 車種構成は1.5Lと2Lユニットをそれぞれ擁するスポーツ(ステーションワゴン)とセダン(セダン)からなる。全長×全幅×全高のスリーサイズはスポーツが4460×1755×1465mmで、全長だけが旧型より30mm短縮され、その他は同一。セダンは全長が4580mmとスポーツより120mm大きいが、他は同じ。2640mmのホイールベースは旧型、新型全グレードを通じて共通。トレッドの前後1535×1520mmも同様である。

スカイアクティブ搭載

というわけで、新型アクセラの焦点は何と言ってもブランニュー・グレードのスカイアクティブ搭載モデルの誕生。ハッチバック(マツダはステーションワゴンと分類)のスポーツとセダンの各2Lに、それぞれ20Sと20C、20Eと20Cの呼称を冠する4車種がラインアップされる。2L直4DOHC16Vから最高出力154ps/最大トルク19.8Kg・mを発生し、うち大径タイヤを履くなどスポーティー装備の20Sを除く3車の燃費(10・15モード)は20Km/L、JC08モードでは18.8Km/Lとなる。ちなみに1.5Lモデルの最高は18.4Km/L(10・15モード)。
 スカイアクティブについては先発デミオですでに喧伝されていて、改めて詳細な説明は要しない。が、参考までに簡潔におさらいをすると―。HVやEVのようなモーターを一切使わずに最大のエネルギー効率を生むべく、ディーゼルエンジンのそれに近い14.0の高圧縮比と、エンジン各部、ミッション、トレイン系のすべてでフリクションロスを極限まで低減した、マツダ独自の省燃費テクノロジー…それがスカイアクティブ。さらに排気干渉を低めたテールパイプのまとめ方、ピストンリングの張力半減とコンロッドの軽減などなど、その工夫、苦心の集積も、これに関与する。

クラストップの20Km/L

新型アクセラは表向きはマイナーチェンジだが、新開発のアイテム、デバイスなどは結構多く、その代表が、スカイアクティブドライブと呼ばれる新開発6速AT。簡潔に言うと、従来型ATとCVT、それにデュアルクラッチミッションを合わせて1つにしたような機構で、トルコンの滑りがほとんど無い、リニアなシフトチェンジの感覚を実現した。マツダの説明によると「デミオは燃費改善に的を絞り込んだが、アクセラは、クルマ本来の走る楽しさ=ズームズーム=にエコ性能を最大限にプラスすることをねらった。プワー系とミッション系の2つのスカイアクティブは、高いレベルでその目的を達成する原動力」という。ちなみに、新型アクセラ・シリーズの頂点に座るのは「マツダ・スピード・アクセラ」。2.3L16Vをターボ過給し、実に264psと38.7Kg・mの強力パワーを発揮する。ハッチバックだけだが、6速マニュアル、225/40R18タイヤを装着し、このモデルだけがメーターの目盛りやシートのステッチに鮮烈なレッドカラーをあしらう。
 新型アクセラの車種構成はほぼ旧型と同じで、グレード総数は10に及ぶ。価格は1.5Lのベーシックモデルの166万円台からスピードの267.8万円台まで。アクティブ仕様は190万円から229万円台まで。

マツダ アクセラ詳細写真

インプレッション

スポーツカーの雰囲気

ハイブリッドでもないエコカーでスポーツ・ドライビングなんて…。そんな思い込みは、新型マツダ・アクセラスポーツ20Sスカイアクティブで走り出した途端、見事に覆えされた。
 腕と足をすっと伸ばしたスポーティーな姿勢を構えられるドライビングポジションが、まずうれしい。握りの太い本革巻きの小径ステアリングが、やる気にさせる。前後左右をタイトに、そしてブラック一色にまとめたコクピットのムードが、たまらなくいい。上下左右をニートに狭めて、むやみにだだっ広くないフロントウィンドウからの視界も、スポーツカー的でテンションを高める。
 短いシフトノブをDにセットし、右足を踏み込む。エンジンのレブ上昇に一切のよどみが無く、パワーノートは明瞭だが、雑音めいた音色は混じらず、絶対音量は低く心地いい。
 道の前方が空いて、シフトDのままステアリング裏両側のパドルを引く。と自動的にDは解除されて6速マニュアル・モードに切り換わり、ダイレクトに車速を引き上げる。逆に表側両サイドのレバーを押し込むと、これもタイムラグを感じさせずにシフトダウンを演じ、スピードの選択は電光石火、そして自在。
 信号が近づいてブレーキを踏む。超ナチュラルな減速フィールの中で停止すると、すっとエンジンが止まる。アイ・ストップの出番だ。そしてブレーキから足を離すと、ブルンと軽い合図を伝えて再始動。

環境への優しさに配慮

街なかでは少々ゴツゴツ感とロードノイズを伝える足回り。だが、スピードの上昇につれて、不思議と突き上げ感も騒音も消え、実にフラットで上品な、上級プレミアムか最新スポーツカーに近いフィールに。
 とまあ、驚くほど好印象で、最近のクルマには珍しい操る楽しさを実感させるが、このクルマで最も肝心なのはもちろん燃料消費の具合い。残念ながら50Kmや60Kmを走った程度のテストランでは、最新、最先端のエコカーの燃料ゲージ指針が動くはずもない。ただし、これも最新エコカーの例にもれず、ドライバーにエコ運転を促し、そのレベルを教示するモニターやサポート画面がいくつもあって、ごく自然に省燃費運転マナーに導かれる。
 ともあれ新型アクセラは久々に、本格スポーツカーを駆る楽しさにも似た壮快感を覚えさせる一方で、無意識のうちに環境への優しさをドライバーに植え付ける、実に希有(けう)なモデルだと総括しておく。

取材協力:北海道マツダ販売 麻生店(011-726-5551)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)、テキスト:仲世古 正之

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