presented by10+11錦秋号New Car Impression

スズキが世界に誇るコンパクトカー・スイフトがエコ性能も手に入れてマイナーチェンジ

SUZUKI SWIFT

プロフィール

世界戦略車スイフトがさらに進化

 スイフトは2000年に初代が発売されて以降、クルマの基本である「走る・曲がる・止まる」がしっかりと煮詰められたスズキの世界的人気車として、幅広い支持を得てきた。特に2004年発表の二代目は世界戦略車として設計され、スポーティなイメージに快適性と走行性能をパッケージングして登場した。現行の3代目は2010年にフルモデルチェンジされ、今回マイナーチェンジを迎えることとなった。 最大のトピックスはデュアルジェットエンジンとエネチャージシステムの設定である。これはスイフトの魅力であるスポーティさを損なうことなく環境性能向上を図ったもので、1.2リッター以上のガソリン車の中ではトップとなる26.4km/Lという燃費性能を誇る。

デュアルジェット×エネチャージの静かなる効果

 デュアルジェットというネーミングからはあたかも過給器のような強い印象を受けるが、実はデュアルインジェクションシステムのことである。通常インジェクターは一気筒に1つ。これを2つにすることで噴射する混合気を微粒化し、燃焼しやすくした。さらに圧縮比を高め、EGRシステム(排出ガスの一部を冷却して燃焼室内に戻し、燃焼温度を下げる)を抱き合わせることで、燃焼効率とノッキングという相反する課題を解消している。 そしてもう一本の柱、エネチャージ。減速時にタイヤの回転を利用して専用バッテリーに蓄電する仕組だが、多くの方々にはハイブリッドカーでお馴染みだろう。プリウスやインサイトの専用バッテリーは大容量で、リアカーゴルーム下にあるのに対し、スイフトのリチウムイオンバッテリーは助手席下に収まるコンパクトサイズである。ハイブリッドカーの専用バッテリーはモーター駆動を目的にしているが、スイフトのそれは電装系への供給のみを目的としているため、小型化できたわけだ。そして供給時にはオルタネーターも作動しないので、相対的に抵抗が減り効率がアップするというシステムである。 デュアルジェットとエネチャージは、ネーミングのインパクトほど体感することができないのだが、燃費性能が向上し、さらに4WD車でも100%免税を獲得するなど、その効果は絶大だ。ハイブリッドや電気自動車の技術ももちろん素晴らしいが、内燃機関の効率をとことん追求した結果、走りと環境性能を両立させたスズキには頭が下がる。

スポーティな外観の一方、エコ意識を高めるメーターも

 試乗させていただいたのはXG-DJE(デュアルジェットエンジン×エネチャージ)グレード。スイフトには伝統的にスポーツグレードの設定があるが、XGはごく普通に使えるベーシックグレードである。 エクステリアはキュートでスポーティ。ちょっぴり小生意気な印象が躍動感を感じさせる。実際このエクステリアデザインは秀逸で、2代目から3代目へのフルモデルチェンジの際に、デザインコンセプトはそっくり継承されている。 一方インテリアはオーソドックスだ。「平凡」ではなく、飽きのこない「普通」っぽさが潔い。末尾に「DJE」がつくグレードでは新設計の専用メーターが設定された。中央にスピード計、その周囲にタコメーター、水温計、燃料計、そして中央にはエネルギーフローインジケーターが配置されている。このインジケーターは分かりやすいシンプルなもので、通常走行時(エンジンが駆動系を動かす)、減速時(駆動系がエネチャージを作動させる)、アイドリングストップ時という3つの表現がある。スピード計の目盛りとメーター照明は通常運転がブルー、エコ走行時がグリーン、エネチャージ作動時はホワイトというように色が変化し、葉っぱのマークでエコドライブ達成レベルを評価するエコスコアとともに、環境への配慮を意識させるよう設計されている。

スズキ SWIFT詳細写真

インプレッション

クルマとして熟成され、ドライブが楽しい一台

 走り出して驚いた。実は3年前のフルモデルチェンジの際にも試乗しているのだが、静粛性と剛性感が大幅に向上し、その一方で加速性能も向上しているからである。CVTなのでアクセル操作と加速開始の間に僅かなズレがあるものの、その気でアクセルを踏めばタコメーターの針は3,500回転あたりから一気に吹け上がり、1.2リッターとは思えぬトルク感で加速していく。 足回りのしっかり感はかなりのもので、直進では吸い付くような感触、コーナーではナチュラルな操舵感で軽やかな立ち振る舞い。コンパクトカーはかくあるべしという走行性能がとても気持ち良い。今の時代、エコ性能は極めて重要な要素だが、キビキビした走りや、いざという時のアドバンテージはあるにこしたことはない。それはクルマの基本性能であると同時に、愉しみでもあるからだ。 なおスポーツグレードである「スイフトスポーツ」は初代から存在しており、現行型においては1.6リッターエンジンにCVTまたは6速MTが設定されている。さらに特別仕様車として「スイフトRS」も存在する。これは1.2リッターのデュアルジェットエンジンをベースに、足回りを固め、エアロをまとったグレード。スポーツにはFFしかないが、RSではCVT+4WDも選択できるので、エコ性能も大事にしながら「個性的なスイフトが欲しい」という方には魅力的な設定となるであろう。 ハイブリッドや電気自動車が増加する一方、それらと異なる方法でエコ性能を追求するメーカーもある。マツダのSKY-ACTIVEしかり、スズキのデュアルジェット×エネチャージしかりである。コストパフォーマンスやライフスタイルによって、各々の採点はドライバー諸氏にお任せするが、コストを最少限に押さえ、効率を追求するというスズキの姿勢には大いに共感したい。スイフトはそんなスズキの探究心が具現化された一台である。

ディーラーメッセージ

スズキ アリーナ札幌北 副店長
岡村 康弘 さん

 決して奇をてらわず、クルマとしての基本性能を煮詰めてきたスイフトは、幅広い年代の方に支持されるだけの理由を持っています。今回のマイナーチェンジで新たに設定されたデュアルジェットエンジン×エネチャージによって、従来の魅力にエコ性能も加わり、4WDで100%免税というクラス唯一のクルマとなりました。バランスのとれた「普通に良いクルマ」に仕上がっていますので、是非多くの方に試乗して戴きたいと思います。

主要諸元(SUZUKI SWIFT XG-DJE)

●全長×全幅×全高:3,850×1,695×1,535mm
●ホイールベース:2,430mm
●トレッド:前/1,490mm 後/1,495mm
●車両重量:1,090kg
●最小回転半径:4.8m
●エンジン:K12B(1,242cc 列4気筒 DOHC VVT )
●最高出力:91ps/6,000rpm
●最大トルク:12.0kgm/3,000〜4,400rpm
●JC08モード燃費:22.6km/L
●ミッション:CVT
●ブレーキ:前/Vディスク 後/ディスク
●タイヤサイズ:175/65R15
●駆動方式:4WD
●乗車定員:5名
●札幌地区車両本体価格:1,576,050円(税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)、取材協力:スズキアリーナ札幌北(011-721-8335)

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