presented by10+11錦秋号New Car Impression

ストイックから充実への変化

DAIHATSU MIRA e:s

プロフィール

黄金期の代表格

 軽自動車が「走ればよい」とされた時代は、今となっては遠い過去のようにも思えてくる。機能的で、乗りやすく、装備が充実していて、お手ごろ価格なうえに経済的。なおかつ、ルックスにも個性が求められるのが現状である。すなわち、いいとこ取りのクルマでなければ、現代のユーザーには受け入られない。各メーカーから魅力溢れる車種が続々と登場しているのは、そんな時代性の反映にほかならないだろう。とりもなおさず、今や日本の軽自動車界は黄金期を迎えたと言える。 人気車ミラをベースに開発され、2011年に登場するやたちまち旋風を巻き起こし、軽自動車黄金期の主役を張るに相応しい一台へと躍り出たミライースが、先ごろビッグマイナーチェンジ。機能・装備とも、一段とレベルアップを図った。その際立つポテンシャルのほどを、レポートしていこう。

シャープになったフロント

 まずは、フロントマスクに進化の形跡が見られる点に着目。2011年度グッドデザイン賞を獲得したボディー自体に大きな変更はないものの、グリル形状が上下とも横長にワイドなフォルムとなり、一層シャープなイメージとなった。さらに、フロントバンパーに“エアロコーナー”を採用。これは、前方からの風をスムーズに後方へ流すとともに、空気抵抗の低減に貢献している。また、カラーバリエーションに、ダイハツとしては久しくラインナップから除外されていた鮮やかな赤(シャイニングレッド。一部グレードには未設定)が加わった点も、注目すべきポイントだ。いわゆる“第3のエコカー”のイメージとしては、パステル系の控えめなカラーが主流と言えるが、それをくつがえすほどの斬新さに、思わず目を奪われる。 インテリア面は、インパネデザインも含めて基本的に前モデルからそのまま引き継いでいる。そのうえで、フロントシートに表皮を採用したグレードも用意されており、より上質感を求めたいというユーザーは、そちらを選択するとよいだろう。

常識破りの多機能性

 さて、ここからは新型ミライースが獲得した性能の本質に迫ってみよう。今回新たに搭載された装備は実に多彩であり、なおかつ有効性が多いに期待されるものばかりである。 まずは何と言っても、“スマートアシスト”機能搭載のグレードが配備されたこと。これは、新型ムーヴにも採用され信頼性は実証済みの低速域衝突回避支援ブレーキシステムのことである。時速約4〜30km/hで走行中に、前方約20m以内に車両があることをレーザーレーダーが感知し、そのままの速度では追突の危険性が高いと判断した場合に警報音が作動。さらに、そのままでは追突すると判断した場合には、自動的に急ブレーキが作動して不測の事態を回避する。その有効性は、ディーラー駐車場に設置された専用コーナーでも体験可能なので、試乗の際に試してみることをおすすめしたい。ちなみに筆者は、新型ムーヴでトライしたのだが、もちろん難なく衝突を避けることができた。 次に触れたいのは、これまたムーヴで好評を博した誤発進制御機能。停車時にレーダーが前方の車両や建物の壁などの障害物を感知し、その状態でシフトをDレンジなどに入れたままアクセルを強く踏み込んでしまった際に、警報とともにエンジン出力を自動制御し、発進をゆるやかにするシステム。これによって、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる衝突事故を未然に防ぐことが期待される。高齢化の一途をたどるクルマ社会において、先進的な技術力でニーズに応え続けるダイハツならではの機能である。 さらに、先行車が発進したことをブザーで知らせる機能や、車体の横滑りを制御する機能、後方車に急ブレーキへの注意を促す機能など、安全運転を支援するシステムが満載である。これまでのミライースを、究極までムダを削ぎ落したストイックなクルマであったとするならば、新型ミライースはまったく逆の発想で設計されたと見てさしつかえないだろう。にも関わらず、徹底的な低コスト化などにより低価格化をも実現させたことは、大いに評価してよい。ベーシックなグレードはなんと、車両本体価格(税込み)76万750円というから恐れ入る。 その一方で、ミライースのアイデンティティとも言える燃費性能でも、また一歩ライバルたちから抜け出して見せた。新衝突安全ボディーによる軽量化、高効率のオルタネーターによるエンジン負荷の低減、進化を図ったアイドリングストップシステム“エコアイドル”などの複合的な効果で、JC08モード33.4km/Lを達成(2WD車)。2013年8月現在おいて、定位置とも言える低燃費ガソリン車トップの座に返り咲いている。このように、カタログ的な表現をしてしまうと見落とされがちだが、ミライースにおいてはアイドリングストップ機能でさえ、もはや搭載していて当たり前の技術であるという事実に、あらためて感心させられる。

ダイハツ MIRA e:s詳細写真

インプレッション

安定感・走行性ともに向上

 新型ミライースのグレード構成は、機能据え置きのD(2WDのみ)から、エコアイドル搭載のL、エコドライブディスプレイや電動格納式ヒーテッドドアミラーなどを加えたX、スマートアシストを標準で備えたG“SA”が設定されており、D以外には4WDバージョンとしてLf、Xf、Gfが用意されている。また、Dを除いた各グレードに、スマートアシストを追加した“SA”も用意。よって、GとGfにはおのずと“SA”が列記される。その中から今回試乗に提供されたのは、Gf“SA”(車両本体価格【税込み】128万円)である。 乗車の際にまず気付くのは、ドアがワイドに開くこと。フルオープンにすると約90度まで開くため、乗り降りはもちろん、荷物の積み下ろしも楽々である。シートに座ってみると、ドライビングポジションが思いのほか高い。小柄な人でも、十分な前方視界が確保されており、同時に左右の視野も広く、運転に際してすこぶる都合のよいコクピットとなっている。 アクセルを軽く踏み込めば、発進はこの上なくスムーズ。平坦な道においては、硬質のハンドリングと相まって、車体は安定的かつクイックな挙動を示す。また、最高出力52ps/6800rpm、最大トルク6.1kgm/5200rpmのパワーユニットからは、数字以上の推進力が伝わってくる。例えば、軽自動車が総じて苦戦する登坂路においても、もたつき感は比較的低いレベルにあり、そのあたりは軽量ボディーの恩恵と見てよいだろう。静粛性も上々で、ボディーを短絡的に軽く(薄く?)仕上げたものではないと実感する。前輪にマクファーソン・ストラット式コイルスプリング、後輪に3リンク式コイルスプリング(2WDはトーションビーム式)を配したサスと、適度に体をホールドするシートの効果からか、悪路もストレスなく抜けられ、快適なドライブフィールが得られる。無理なく落ち着いた運転を心がけると、デジタルスピードメーター上下の照明がブルーからグリーンへと変化。これは、燃費のよい運転をしている状態を示しており、必然的にエコドライブの意識を高めてくれる。 最小回転半径は4.4mとあって、コンパクトな車体を手に取るようにドライブできる感覚が、強く印象に残った。

進化は続くのか?

 上位車種であるムーヴとそん色ない機能を搭載しながら、燃費はガソリン車トップであり、なおかつ乗り心地も向上した新型ミライース。コストパフォーマンスにおいても、極めて高い水準にある。今後、ライバル車たちがクリアすべきハードルを、一挙に上げてしまったと感じる。 折しも、税金面でのメリットにメスが入る可能性が報じられた昨今。軽自動車の著しい進化に水をさすような事態は、何としても避けてほしいと考えるのは、筆者だけではないはずだ。

ディーラーメッセージ

ダイハツ北海道販売 白石店 カーライフアドバイザー 山口 萌苗美さん

 今回マイナーチェンジした新しいミライースの特徴は、まず何と言っても燃費性能が向上した点があげられます。北海道では多くの方が4WDをご希望されますが、4駆バージョンでも軽No.1のJC08モード30.4km/Lという非常に優れた低燃費を実現させておりますので、経済性の面でより多くの皆さまにご満足いただけると思います。また、スマートアシストをはじめ多彩な機能を備えておりますので、安全性や乗り心地という部分でも、質の高い優れた仕上がりとなっていることを実感していただけるかと思います。

主要諸元:

●全長×全幅×全高:3395×1475×1500mm
●ホイールベース:2455mm
●トレッド:前/1300mm 後/1265mm
●車両重量:790kg
●最小回転半径:4.4m
●エンジン型式:658cc 冷直列3気筒12バルブDOGC横置
●最高出力:52ps/6800rpm
●最大トルク:6.1kgm/5200rpm
●JC08モード燃費:30.4.km/L
●ミッション: CVT
●ブレーキ:前/ディスク 後/リーディング・トレーディング
●タイヤサイズ:155/65R14
●駆動方式:4WD
●乗車定員:4名
●車両本体価格(札幌地区)/128万円(消費税込み)

テキスト:青柳 健司(フォトライター)、Photo:有岡 志信(SAフォトワークス)、取材協力:ダイハツ北海道自販(011-864-2721)

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