presented by2012.12+2013.1冬将軍号New Car Impression

普遍的なデザインで蘇るホンダの原点

HONDAN N-ONE

プロフィール

名車の系譜

2012年2月に開催された札幌モーターショーにおいて、N CONCEPTのネーミングのもと道内初お目見えとなったあの時、時代性を超越しようとするメーカーの意欲が伝わる独特のフォルムに、思わず目を奪われたモーターファンがさぞ多かったのではないだろうか。ホンダ愛好家ならずとも、あの日から市場投入を心待ちにしていたという人も少なくないはずだ。
こうして、2012年に発表される新車の目玉のひとつと見られていたN-ONEが、去る11月1日ついに登場。早速、その魅力を探るべく、ホンダカーズ札幌中央・東苗穂店に赴いた。
周知の通り、1967年から1972年にかけて生産された名車N360へのリスペクトを設計の基本に据えたN-ONE。N360に乗っていた年齢層には懐かしく、往時を知らない若年層にとっては新しい、いわゆる普遍的なデザインが施された点に、まずはおおいに興味をそそられるところ。特に、フロントまわりの形状は秀逸と言えよう。

目を引くルックス

N360直系の、印象的な丸型ヘッドライトから、真っ黒に浮かび上がるラジエター周辺部に至る造形からは、小動物を思わせる愛らしさが感じられ、同時にムダなくスッキリと描かれたラインが近未来的でもある。その極めて個性的なフロントフェイスに大きく貢献しているのはやはり、クリッとした“眼差し”で前方を見据えるヘッドライトだ。内部には、プロジェクタータイプのライトをぐるりと囲むようにLEDポジションランプがレイアウトされ、ウインカーも一体化。機能美という点においても、非常に優れている。
リアビューも、N360のイメージを取り入れたもの。ストップランプのポジショニングを含めたトータルバランスが、まさにそれである。そして、カッチリと鋭角的な凹凸ラインがアクセントとなり、ここでもまた近未来的な味付けを施こすことに成功している。
サイドから見ても、前部と後部の丸みを帯びた形状にしっかりとしたまとまり感があり、どの角度からもユーザーの愛車心をくすぐりそうだ。

ゆったりとした空間

N-ONEは、ホンダが掲げる軽自動車Nシリーズの第3弾に位置づけられ、既発のN-BOXと共通のプラットフォームを持つ。
これは、特許技術により燃料タンクを前席下に収めたセンタータンクレイアウトを採用したもので、全長3395mm、全幅1475mmの小さなボディでありながら、すべての席で大人がゆったりと座れる空間を確保した大きな理由となっている。どの程度広いかといえば、成人男性の平均身長程度のユーザーが前席に座った場合は頭の上に拳3個分ほど、後部座席で同じく2個ほどの余裕がある。また、足元にもたっぷりとスペースがあるため、前席スライドシートは中間位置で十分に広い。
インパネ周辺はシンプルかつスマートにレイアウトされており、計器類の視認性も上々だ。燃費のよい運転をしている時は、スピードメーターの文字盤周囲がグリーンに点灯し、エコドライブの目安をドライバーに提供してくれる。高品質カーナビはオプションとなるが、スマートフォンを接続してナビ系アプリなどを画面に表示させることが可能なディスプレイオーディオシステムも用意されており、ユーザーのライフスタイルに合ったドライブサポートシステムを選択できるのがよい。
また、低反発系の加工を施したシートは、ほぼフラットな形状でありながらフィット感があり、ドライバーの微妙な体重移動をきっちりサポートする。
搭載されたエンジンは、58ps/7300rpmで、JC08モード27.0ℓという優秀な燃費を達成した水冷直列3気筒。また、64ps/6000rpmを発生するターボエンジン搭載車も配備され、それぞれにFFと4WDバージョンがある。同時に、リアスポイラー、本革巻ステアリング、木目調パネル、上質シートを備えたプレミアムタイプも用意されており、装備面においては上位車種からの買い替え組なども十分に満足できそうなラインナップとなっている。
また、車体と内装は最大7色からセレクトできるうえに、ボディ、グリル、インテリアなどに無数の組み合わせのカラーデザインが施せるオプションもあり、オンリーワンのN-ONEを目指したいというこだわり派の人も、持ち前の個性を存分に発揮できることだろう。

ホンダ N-ONE詳細写真

インプレッション

小気味よく取り回しも楽

試乗に提供されたのは、58ps/7300rpmエンジン搭載の4WDバージョンであるG・Lパッケージに、ディスプレイオーディオシステムをオプション装備した車種(142万3000円)だ。
着座してまず気がつくのは、意外なほど目線が高いこと。N360に乗った経験のあるドライバーならば、いささか面食らうところではないだろうか。もっとも、そのおかげで路面状況を把握しやすく、また着座姿勢に窮屈さを覚えることもない。
ボタン一発で、乾いた軽妙なサウンドを放ちながらエンジン点火。アクセルを踏み込むと、軽自動車らしいハイトーンの回転音とともにわずかなバイブレーションが伝わってくる。剛性を追求したボディにより静粛性はまずまずだが、加速時はさすがに上位車種並みのラグジュアリースペースとまでは言い難い。それでも安定走行に入れば、スイスイとどこまでも行けそうなフィーリング。ハンドリングは比較的硬質で安定しており、カーブではステアリングの切り角に対して小気味よく車体が反応する。またその際、フィット感のあるシートの上に取り付けられた大きめのヘッドレストが、ドライバーの体勢を適切に保ってくれる。
前輪にディスク(ターボ車はベンチレーテッドディスク)、後輪にリーディングトレーディングを採用したブレーキシステムは、制御能力十分。ABSとトラクションコントロールに予期せぬ横滑りを防ぐ機能を加えたVSCが標準搭載されており、冬の山道も不安なく上り下りできそうだ。発進時や上り坂での非力感が気になるユーザーは、迷わず4WDやターボバージョンを選択するとよいだろう。
最小回転半径が4.7m(FF車は4.5m)とあって、とにかく取り回しが楽な点も好印象である。特に、街中の混雑路や狭い路地はまさにお手の物。車庫入れなどの際、バックギアに入れて後方を振り返ると、大きめのヘッドレストがいく分視界の妨げとなってしまうので、広角、フラット、俯瞰と、3種の画角をスイッチひとつで切り替えできるバックモニターの搭載をおすすめしたい。

標準装備の充実

ソツのない走りを実感するN-ONEの、特筆すべき特徴のひとつに機能面の充実ぶりがあげられよう。オーディオレスのベーシックなGパッケージ(115万0000円)でも、急ブレーキ時に自動でハザードが高速点滅して後方車に注意を促す新装備エマージェンシーストップシグナルを採用し、坂道発進時に車の後退を制御するヒルスタートアシストや、アイドリングストップシステムなども標準搭載。コストパフォーマンスの高さも、N360の理念をそのまま踏襲したものと言える。
まずは、この個性的で愛らしいルックスを入口として、車に利便性のみを求める層、インテリアを充実させたい人、見た目をさらにカスタマイズしたい人まで、幅広い層のユーザーのニーズに応えてくれる。それがN-ONEの実力であり、可能性なのである。

ディーラーメッセージ

ホンダカーズ札幌中央 東苗穂店
チーフセーフティコーディネーター
新藤 光さん

N-ONEは軽自動車でありながら、またベーシックなタイプでも、機能が充実しています。ですから「軽自動車なのにここまで」とか「低価格車でも十分満足」と、感じていただける車です。あらゆる世代の皆様に自信を持っておすすめできますね。個人的には、父が今でもホンダファンなので、その歴史に名を刻むN360はもちろん大好きです。私と同じように、ホンダ好きの両親を持つ方々も、N-ONEにはおおいに関心を寄せていただいております。

主要諸元

(G・Lパッケージ・4WD)
●全長×全幅×全高:3395×1475×1630㎜
●ホイールベース:2520㎜
●トレッド:前/1300㎜ /1305㎜
●車両重量:890㎏
●最小回転半径:4.7m
●エンジン:658cc 水冷直列3気筒 横置
●最高出力:58ps/7300rpm
●最大トルク:6.6㎏・m/3500rpm
●JC08モード燃費:25.0㎏/ℓ
●ミッション: 無段階変速オートマチック
●ブレーキ:前/ディスク 後/リーディング・トレーディング
●タイヤサイズ:155/65R14
●駆動方式:4WD
●乗車定員:4名
●車両本体価格(札幌地区)/1,360,000円(消費税込)

テキスト:青柳 健司(フォトライター)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)、取材協力:ホンダカーズ札幌中央 東苗穂店 (011-789-2222)

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