presented by2012.12+2013.1冬将軍号New Car Impression

もっと走りたくなるVWの新型コンパクト 手の届く低価格設定で新登場

VW up!

プロフィール

完全新開発のコンパクト

VWから新登場したup!。1tを切る2ドア/4ドアハッチボディに1リッターエンジンとシンプルなトランスミッションを搭載し、軽快なイメージを前面に打ち出した新開発コンパクトである。車格的にはLupoの後継車とも考えられるが、Lupoの日本での展開は06年に終了しているため、ゴルフ、ポロに続く全く新しい末弟として位置づけることができる。
車名は「up!」と小文字に感嘆符がつく。これはかなり異例であり、日本国内のテレビCMに久保田利伸とチャラというR&B系のアーティストを起用していることからも、楽しさを前面に打ち出すキャラクターということが窺い知れる。
試乗してみての印象を先に書くが「懐かしくて、新しいコンパクト」である。無駄な機能を配したシンプルさ、如何にも「運転している」と思わせてくれる乗り味、ASGトランスミッションの感覚。最新の車でありながら、往年のクルマ好きを唸らせるに充分な魅力を持った一台であると言える。

制約の中で生み出された個性的なエクステリア

ラインアップはベーシックなmove up!と機能の充実したhigh up!から構成され、move up!には2ドア/4ドア+ハッチバック、high up!は4ドアハッチのみとなる。スリーサイズは全長3,545×全幅1,650×全高1,495㎜と共通で、2,420㎜というロングホイールベースも共通である。タイヤをボディ四隅に配置することで有効室内空間を確保するとともに、走行安定性を生み出すのは定石だが、デザイン上の制約が出てくる。
そのエクステリアデザインはエンジンルームを極力コンパクトに抑え、ボンネットフードとフロントウインドウに連続性を持たせていることと、ラジエターグリルの大部分にボディと同色のパーツを配することで独特のアイデンティティを生み出している。リアハッチはほぼ垂直に切り落とされているが、緩やかな丸みを帯び、全面ガラスの下半分をブラックアウトすることにより、一目でup!と分かる個性を演出している。

シンプルで実用性の高いインテリア

を抑えるためと言えばそれまでかも知れないが、無理に上級感を追求せず、割り切った中で実用性を重視している。このあたりの考え方はとても潔く、up!だけの新しい世界観を演出していることに驚かされる。
そして、さすがだなと思わされるのはシートである。座面、背面ともに十分なサイズ、適度な硬さで、これならロングドライブでも疲れることはないだろう。後席はさすがにレッグスペースがギリギリだが、頭上に拳2つ分の余裕があり、窮屈感はほとんどない。
 リアハッチを開けてラゲッジを一見すると「まあ、こんなもんだろう」という印象を持つが、実はラゲッジの床下には驚くほど広いスペースが隠されており、床の位置を変えることもできる。(バリアブルカーゴフロア)2名乗車の際、後席を倒せば、エクステリアから想像できないほどの荷物を積み込むことも可能だ。

フォルクスワーゲン up!詳細写真

インプレッション

マニュアルミッションを思わせるシフトタイミング

走り出してすぐに気付くのが、シングルクラッチのASGトランスミッションの挙動である。誤解を恐れずに書くが、CVTや7速ATに慣れてしまうと、ASGのシフトチェンジ時の挙動には違和感を覚えるだろう。一瞬失速したのではないかと思うようなタイムラグが、特に1〜2速/2〜3速のシフトアップ時に発生する。しかし様々なシーンで試乗を続けるうち、気付いたことがある。それは「マニュアル車の挙動に似ている」ということ。冒頭に「懐かしくて、新しい」と書いたのはまさにこの点であり、そもそもVWが新開発した5速ASGトランスミッションは、マニュアルギヤボックスをベースとし、シングルクラッチを採用したものなのである。
恣意的かどうかは分からないが、マニュアルを連想させるこの挙動は、如何にも「運転している」感覚を思い起こさせ、マニュアルモードを駆使することで、もっと走りたいと訴えかけてくる。簡単には破綻しそうにない足回りと相まって、その気になってワインディングを飛ばすと、かなりのハイアベレージを実現できそうだ。

走行性能と実用性で選びたいクルマ

この他にも至れり尽くせりの国産コンパクトと異なる点は多々ある。例えば運転席ドアトリムにあるパワーウインドウスイッチが一個だけ(国産では全窓分のスイッチがある)で、しかもオート機能がなかったり、トランスミッションにはPがないため駐車時にはニュートラルでサイドブレーキを使う必要があるといった具合だ。さらに後席の窓は上下せず、ほんの数cm、ベンチレーションとして開くのみである。
こうした点をネガティブに捉えるか否かがポイントになってくるが、個人的な考えを言わせてもらうなら、走りそのものに影響する部分ではないので、up!の魅力を損なうものではないと思う。CMで強調されているシティエマージェンシーブレーキはなんと全車種に標準装備される。走行性能、特に走らせる喜びが演出され、最新の安全性能を持つだけで、細かな機能の有無は帳消しになると思われる。
全国的な販売統計では、high up!が約50%、move up!の2ドアが約30%、残る約20%がmove up!の4ドアという比率らしいが、ライフスタイルによっては2ドアという選択肢も十分魅力的だ。VWルポには2ドアハッチしかなく、4ドアを望む声も多かったのだが、逆に2ドアハッチだからこそ乗りたいというドライバーも間違いなく存在するはず。その意味でup!のラインアップは的を得ているし、魅力的であると思う。

ディーラーメッセージ

Volkswagen 札幌西 営業係長
稲場 啓一さん

up!は基本的な走行性能と安全装備を充実させた全く新しいVWコンパクトです。活発なエンジン、安心感のある足回り、広い室内空間、そして23.1km/ℓという高い燃費性能を実現しており、10月1日の発売以来、すでに大きな反響を戴いております。価格もベーシックなmove up! 2ドアで1,490,000円と、大胆な設定になっていますので、是非ドライブしてみていただきたいと思います。実際に走らせてみることで、up!の魅力を存分にご体験下さい。

主要諸元

(Volkswagen high up!)
全長×全幅×全高:3,545×1,650×1,495㎜
ホイールベース:2,420㎜
トレッド:前/1,415㎜ 後/1,410㎜
車両重量:920㎏
最小回転半径:4.6m
エンジン:CHY(999cc 直列3気筒 DOHC)
最高出力:75ps/6,200rpm
最大トルク:9.7㎏m/3,000〜4,300rpm
JC08モード燃費:23.1㎞/ℓ
ミッション:5速AT
ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
タイヤサイズ:185/55R15
駆動方式:FF
乗車定員:5名

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)、取材協力:Volkswagen 札幌西(011-668-0022)

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