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ミニバンに新たな価値感

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 ミニバンのカテゴリーでありながら5ナンバーサイズのコンパクトボディーを持つことで、一定の支持層を獲得してきたホンダ・ストリーム。2014年6月に、その生産終了が発表されたのも記憶に新しいところ。この時点ですでに中国市場に投入されていたジェイドが、後継車種になるであろうと言われ続けてきたが、そんな大方の予想通りに、ストリームと入れ替わるタイミングで今年2月から国内販売がスタートした。

 3ナンバーサイズであり、最大6人乗りとなり(ストリームは7人乗り)、ハイブリッド専用車種でもあることから、単なるコンセプトの引き継ぎではないことは明らかである。しかしながら、オデッセイを頂点とした”低床化ミニバン“路線の中で、小回り性能を追求したモデルとしての立ち位置をしっかりと踏襲している。同時に、新たな支持層を開拓しようとする意図を、強く感じさせる仕上がりだ。

低くて広い

 まずは、その特徴が明確に現れているボディーサイズから触れていこう。全長・全幅ともに、ストリームから80〜100mm弱のサイズアップが図られながらも、全高は1530mmと、逆に15〜40mm程度ダウン。より大きく、より低くなったというワケである。これによって、全高1550mm以下に制限されている多くの立体駐車場に対応可能となり、シティーユースに不便さが付きまとうミニバン最大の弱点を難なくカバーしたことになる。

 そのあおりで、車内が狭く感じられるかと思えばさにあらず。燃料タンクや排気システムを薄型でコンパクトな新設計とし、サスペンションアームがボディーに直付けされたプラットフォームも開発。その効果で、ゆったりとしたスペースが生み出されている。とかく、添え物程度になりがちの3列目シートでさえ、ハイブリッドシステムのインテリジェンスパワーユニットを同社で初めてセンターコンソールに収めたことで、予想以上の居住性を確保している。

 写真でご覧の通り、そのルックスからも”低さ“は明らか。そして、流麗かつスペーシーなデザインと相まって、ミニバンのカテゴリーの中ではとりわけ際立った個性を放つ。

シートに新機構を採用

 次に、内装と装備を見ていこう。標準カラーは、ブラックで統一されたものを基本に、上級グレードには木目調のインテリアパネルと調和させたアイボリーと、ダーク系の木目調パネルと組み合わせたブラックコンビを用意。シートの座面と背もたれに、スポーツウェアに用いられる通気性と耐消耗性に優れた素材を使用しており、機能美とともにしっとりとした座り心地を実現している。もちろん、オプションで本革仕様の選択も可能だ。2列目シートは独立したセンターアームで分割されており、左右スペースもたっぷり。なおかつ、リアのホイールハウスを避けて斜めに大きくスライドさせる新機構が採用されており、最も後方に引いた際には足元に贅沢な空間が生まれ、少々大きな荷物を置いても余裕綽々である。また、3列目とともにシートの収納がイージーで、全納時には巨大なラゲッジスペースが出現。マウンテンバイクやスノーボードなども楽に積む事ができる。

 また、ボディーやパーツ各部に吸音材・遮音材を適用するなど、車内に入り込む雑音の低減にも余念がなく、上級グレードには「ノイズリデユーシングアルミホイール」を採用し、ロードノイズも低減させている。凍てついた雪道のロングドライブも、快適に過ごせるだろう。

 グレード構成は、ベーシックモデルと、上級グレードにあたる「X」の2種。Xには、衝突軽減ブレーキをはじめ、前車との車間距離を適切に保つアダブティブ・クルーズ・コントロール、車線維持支援システム、誤発進抑制機能などの先進の安全運転支援システムを備えた「Honda SENSING」を標準搭載しており、そのほか諸々の装備を見てもベーシックモデルとの価格差は20万円に過ぎないことから、必然的にこちらに人気が集まりそうだ。

 なお、気になる燃費はJC08モード25・0㎞/l(Xは24・2km/l)と、クラストップレベルを誇っている。

ホンダ JADE詳細写真

インプレッション

クイックで安定した走り

 試乗車は「X」。あらためて実車を目の当たりにすると、そのスマートなスタイリングが極めて鮮烈だ。数値以上に細長く、そして車高が低い印象。当然ながら、コクピットからの視界は一般的なミニバンとは大きく異なり、セダン系車種とほぼ同等の高さで、なおかつミニバン特有のワイドな視認性を併せ持ったものと言える。従って、セダン系やオデッセイあたりからの乗り換え組は何ら違和感がないだろうが、ステップワゴン等のラージサイズ系ミニバンから乗り換えるユーザーは、着座位置からの視野が新鮮に感じられるのではないだろうか。

 ドライビング中のイメージもまたセダン系と同様であり、車体サイズを意識するような場面は皆無。要するに、そういったタイプの車種を乗り継いで来たユーザーは、ミニバンだからといって身構える心配は無用なのである。

 ハイブリッド独特のマシーナリーなモーター駆動音を肌で感じながら加速していくと、アクセルワークに対して実に素直な反応が返ってくる。思い切って踏み込めば、期待以上の力強さで推進。最大出力131ps/6600rpm、最大トルク15・8kgm/4600rpmを発生するパワーユニットに加え、最大29・5psを繰り出すモーターにより、システム出力は160psを超える。排気量1500ccの車体に対し、余力たっぷりのパワーを搭載していることは、その走りからも実感できる。さらに、シフトレバー手前のSモードボタンを押せば、一層トルクフルなドライビングが可能。特に、登坂道の連続コーナーともなれば、高剛性ボディーやリアに備わったダブルウィッシュボーンサスペンションなどの効果もあって、クイックかつ安定感に富んだハンドリングが繰り出され、スポーツカーさながらのドライブフィールが楽しめる。静粛性においても非常に高いレベルにあり、混雑する都市部から郊外の悪路まで、搭乗者に不安や疲れを感じさせないパッケージングとなっている。

ワゴンへの接近

 現在、HONDAのラインナップには、かつてのオルティアやアヴァンシアのような純然たるステーションワゴンが存在しない。フィットシャトルがこれに近いが、ストリームがカバーしていた部分も決して小さくはなかった。その後継車種ジェイドは、ミニバンからさらにステーションワゴンの領域へ踏み込んだクルマという印象が強い。それどころか、シートを倒した際の積載能力は、ワゴン系を遥かに凌いでいる。でありながら、6人乗りも可能なこのクルマには、フレキシブルという表現が実に相応しい。内装や機能面のグレードも高く、遊び心を抱き続けているミドル世代には、まさにうってつけの一台と言えよう。

 余談と言ってはなんだが、2列目シートの高い居住性がこの車のウリのひとつであるがゆえに、最後にぜひ触れておきたい。快適さという点では、「超」が付くほどの優れモノである。シートを最も後ろにスライドさせると、足はほとんど伸ばした状態で座ることができるから、背もたれを倒した時の状態は仰向けに寝ているような感覚に近い。もし機会があれば、車中での仮眠も試したいものだ。

ディーラーメッセージ

ホンダカーズ北海道 手稲前田店
フロントスタッフ
椿 珠里さん

 運転がしやすく、安全運転支援システムが充実していて、居住性も優れていますので、幅広い年齢層のお客様にアピールできるクルマです。特に、子育てから開放されたご夫婦におすすめしたいですね。個人的には、3列目シートのルーフトップが一部スモークガラス張りになっていて、開放感があるところも気に入っています。

主要諸元:

全長×全幅×全高/4,650×1,775×1,530㎜
ホイールベース/2,760mm
トレッド/前:1,540mm 後:1,530mm
車両重量/1,510kg
最小回転半径/5.5m
エンジン/1496cc直列4気筒DOHC
最高出力/131ps/6,600rpm
最大トルク/15.8kg・m/4,600rpm
モーター形式/交流同期電動機
JC08モード燃費/24.2㎞/ℓ
ミッション/7速オートマチック
ブレーキ/前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク
タイヤサイズ/215/50R17
駆動方式/FF
乗車定員/6名
車両本体価格(札幌地区)/2,920,000円(消費税込)

テキスト:青柳 健司(フォトライター)、Photo:川村勲(川村写真事務所)、取材協力:ホンダカーズ北海道 手稲前田店 TEL(011)688-0888

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