presented by4+5陽春号New Car Impression

端正なフォルムに先進の安全性と利便性を凝縮 走りも楽しめるスポーティなミニバン

プロフィール

7人乗りのVW小型ミニバンが正常進化

 ゴルフ・トゥーランは、フォルクスワーゲンが'03年に発表した小型ミニバンである。日本では'04年4月から販売が開始され、同年、プラットフォームを共有する5代目ゴルフとともに「2004-2005インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。今回フルモデルチェンジが行なわれ、1月より国内販売が開始されたので、その真価と魅力を探ってみることになった。

 先ずは大まかな歴史を記しておこう。初代モデルは'07年と'12年にマイナーチェンジを受けているが、その過程で5人乗り仕様は姿を消し、7人乗りとなった。エンジンは1・4/1・6/2・0Lガソリン、1・9/2・0Lディーゼルと豊富なバリエーションを展開、日本にはディーゼルが導入されず、'07年春から'16年の最終型までは1・4L直4DOHC TSIエンジンのみとなっていた。いわゆるダウンサイジングターボの代表的なエンジンである。トランスミッションは初期のティプトロニック6速から、'07年に6速DSG、'09年9月に7速DSGへと仕様変更を受けている。

 フルモデルチェンジされた第二世代は、初代や他モデルで熟成されたDSGトランスミッションを継承する一方、新開発のオールアルミ製1・4Lエンジンを採用したほか、各部の軽量化や若干のサイズアップに伴う有効空間拡大など、正常進化を遂げている。

エクステリア/インテリアともにシンプルでスポーティ

 先ずはサイズアップしたボディから見ていこう。初代に比べ、全長130㎜、全幅35㎜、ホイールベースが110㎜拡大された。3サイズは全長4,535×全幅1,830×全高1,660㎜で、数字だけ見ると特に全幅が大きく感じられるが、立体駐車場の利用が視野に入るセダンタイプと違って、それほど神経質にならなくても良いサイズと言えるだろう。逆に、ゆったりとした室内空間を実現したメリットの方が遥かに大きい

 直線を基調としながらもディテールに曲線や曲面を取り込んだエクステリアデザインは非常に端正で、ミニバンとしてはかなりスタイリッシュな仕上がりだ。シンプルでいてスポーティ、可愛すぎずゴツすぎない絶妙なデザインである。また一目でVWと分かるフロント回りの造形も良い。最もコンパクトなUP!を除けば、ポロから大型のパサートやCC、SUVのトゥアレグに至るまで、全てのラインアップにVWとしてのアイデンティティを持たせ、かつ車種ごとの差別化を図っている点は称賛に値する。

 インテリアも端正なイメージで、シンプルかつスポーティだ。ダッシュまわりは無駄なく機能的にデザインされ、初めて乗り込んでもどこに何があるかすぐ分かる。その一方で飽きのこない、ドライバーオリエンテッドな設計と言える。

 3列目シートは2名分用意されている。床面に対して座面が低いので、若干膝が立つことになるが、大人でも極端な窮屈さは感じない。ましてお子様であればまったく問題なく活用できる。ワンタッチで2列目シートが斜め前方へスライドするので、乗り降りはとても簡単だ。

フォルクスワーゲン Golf Touran詳細写真

インプレッション

喜びに溢れた走りが楽しめるミニバン

 日本のHVやEVに対し、ヨーロッパはダウンサイジングターボが主流だ。エンジンを小さくすることでエコ性能を高め、排出ガスを少なくする一方、ターボ加給によって走行性能を確保するという合理的な考え方に基づくものだ。トゥーランのエンジンは1・4L直4DOHC TSI。しかもかつてのスーパーチャージャー+ターボチャージャーからシングルターボとなり、1・3t前後のゴルフならともかく、1・5t超のトゥーランには非力かと思われたが、そんな懸念は全く無用だった。25・5kgmの最大トルクを1,500rpmから発生するこのエンジンは、極めて軽快でトルクフル。坂道を登る際など、アクセルを少し踏み込めばターボの加給域に入り、強力なトルクが湧き出てくる。しかも急激にトルクバンドに突入する「ドッカンターボ」ではなく、アクセル開度に応じてスムースに加速してくれるので、非常にコントロールしやすい。

 またDSGトランスミッションは相変わらずスゴい。2つのクラッチを持ち、常に片方のクラッチが次のシフトチェンジに備えているため、変速に要する時間はなんと0・03〜0・04秒。変速時のタコメーターの針の動きはとても機敏で、まさにレーシングカー並みだ。小型ながらトルクフルなエンジンとDSGの組み合わせは相性が抜群で、Dレンジでも、マニュアルモードにして左手でシフト操作しながら走っても、クルマ好きなら思わずニヤッとしてしまうような爽快な走りを実現している。もちろん車格的に僅かながらマイルドな味付けではあるが、下手なスポーティカーなど寄せ付けないだけの喜びに溢れた走りが楽しめる。

 峠道でもスポーティな印象は健在。全高がある分、コーナリング時のロールやアンダーステアを予想したが、タイトコーナーでの挙動はゴルフを運転している感覚と何ら変わりない。ステアリング特性はニュートラルで、切った方向へスッと鼻先を向けてくれる。ボディ剛性が高く、鼻先と同時にリアも追従するので、オン・ザ・レール感覚のコーナリングである。

喜びに溢れた走りが楽しめるミニバン

 新型トゥーランは昨年9月、ユーロNCAP(ヨーロッパで実施されている自動車安全テスト)で、最高評価の5つ星を獲得した。乗員保護、歩行者保護、チャイルドプロテクション、安全支援機能の4種の観点からテストするもので、パッシブセーフティのみならず、アクティブセーフティ面での比重が高まっている。

 新型のラインアップはトレンドライン/コンフォートライン/ハイラインの3グレード。このうちハイラインのみの標準装備となるのはレーンキープアシスト(車線逸脱警報)で、ブレーキアシストやABSなどのアクティブセーフティシステムは全車種標準装備となる。中でも目新しいものはプロアクティブ・オキュバント・プロテクションとドライバー疲労検知システムであろう。前者は急ブレーキな極端なオーバーステア/アンダーステアを検知してシートベルトのテンションを高め、同時にウインドウはすべて閉め、エアバッグが最大限の効力で備えるというもの。後者はドライバーのステアリング操作をモニタリングし、通常の運転パターンと異なる動きを察知して警告するものだ。

 またコンフォートライン/ハイラインにオプション設定されているインテグレーテッド・チャイルドシートもユニーク。2列目シートの左右座席が、座席一体型のチャイルドシートになっているもので、パッシブセーフティに分類される装備である。

 トゥーランはVWが推進しているMQB(セグメントの枠を超えてプラットフォームやパーツを共有化する概念)プラットフォームをミニバン/MPVとして初めて採用したモデル。その恩恵で、ミニバンであることを忘れさせる走りと、ミニバンであるメリットを最大限活用できるパッケージを身に付けた。競合も多いカテゴリーだが、走行性能・安全性能において一歩抜きん出たトゥーラン。今後が非常に楽しみな一台だ。

ディーラーメッセージ

Volkswagen 札幌西
営業係長
工藤 圭司さん

ゴルフ譲りのハンドリングと走行性能は、一度試乗して戴ければすぐにご理解戴けると思います。ツインチャージャーからシングルターボになったにも関わらず、軽快でトルク溢れる走りは健在。先進的な各種安全機能も盛り込まれ、先代と比べると、少しだけ大人になったイメージです。すでにお乗りのオーナー様からは「運転が楽しくなった」「もっと走りたくなった」という嬉しい言葉を頂戴しております。道路状況が良くなってくるこの季節、ぜひトゥーランをご試乗ください。

主要諸元:

全長×全幅×全高/4,535×1,830×1,660mm
ホイールベース/2,785mm
トレッド/前:1,570mm 後:1,540mm
車両重量/1,560kg
最小回転半径/5.5m
エンジン/CZD(1,394cc 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ)
最高出力/150ps/5,000〜6,000rpm
最大トルク/25.5kgm/1,500〜3,500rpm
JC08モード燃費/18.5㎞/ℓ
ミッション/7速DSG
ブレーキ/前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
タイヤサイズ/205/60R16
駆動方式/FF
乗車定員/7名
車両本体価格(札幌地区)/3,170,000円(消費税込)

テキスト:横山 聡史 (Lucky Wagon)、Photo:川村 勲 (川村写真事務所)、取材協力:Volkswagen 札幌西  ℡(011)668-0022

[Carpia CELHOME]詳しくはこちらをクリック!

最近チェックしたクルマ

最近検索した条件
     

このページを印刷する

キーワード検索

検索