presented by6+7新緑号New Car Impression

ラインアップ充実を図ったトゥインゴ。フランス車らしい魅力満載

プロフィール

可愛くお洒落なコンパクトルノー

 ルノーのAセグメント小型車トゥインゴ。現行モデルは’16年に日本での販売が開始され、’17年にはエントリーグレードZEN(ゼン)を追加したほか、限定モデルGTを発売するなど、選択の幅を広げてきている。今年2月にはGTがレギュラーモデルへと昇格したので、改めてトゥインゴの魅力に迫ってみようということでの取材となった。

 まずはその歴史を振り返っておこう。初代がデビューしたのは’93年。小型ながらタイヤを四隅に追いやることで室内空間を確保。小気味良い動力性能を得たことで人気を博し、’07年まで実に’14年にわたって製造された。第二世代は世界戦略車としての性格が濃くなり、デザインは曲面を多用した小粋なイメージに発展。1.2〜最大1.6Lのエンジンを積み、世界中の街を走り回った。

 現行の第三世代は14年に本国で発売が開始され、エクステリアデザインの方向性は第二世代を踏襲しているものの、5ドアのみとなり、さらにモチーフにしたのは名車ルノー5(サンク)。’72〜’84年にかけて世界中でヒットし、特に5ターボはモータースポーツでも活躍したので、鮮明に記憶されている方も多いことだろう。確かに真横から見た際のテイスト、特にリアハッチの角度などはよく似ていて、直線的だった5を、曲線・曲面で再構成するとトゥインゴになるというイメージである。エクステリアやインテリアのデザインモチーフを過去の名車に求めるのは、長い歴史と多彩なパッケージングの引き出しを持つ本場ヨーロッパだからこそなせる技。トゥインゴは他のどんな車にも似ておらず、一目でそれとわかる一方、知らない人からは間違いなく「可愛い」「お洒落」と言われるだけの個性を持っている。

リアエンジン、リア駆動という独自性

 トゥインゴの持つ様々な特徴・魅力のうち、まずは最大のトピックを記しておこう。RRレイアウト、つまりエンジンをリアに積みリアホイールで駆動する、世界的にも稀有な存在であるということだ。実を言うとトゥインゴは、メルセデスが手がけるスマート for fourとプラットフォームを共有している。世界中の小型車の常識となっているFFを採用していないのはこのためで、エンジンはラゲッジスペースの下部に、わざわざ49度の角度で傾けて設置されている。

 RRによる恩恵は後述するとして、真っ先に懸念されるのが「北海道の冬道で走れるの?」ということだろう。ルノー札幌でお話を伺ったところ、重量のあるエンジンがリアにあることでしっかりとトラクションがかかり、万一滑りそうになってもトラクションコントロール機能付ESC(横滑り防止装置)が効率よく働いてくれることで、日常的な走行に支障はないとのこと。むしろ3,620㎜の全長に対し、ホイールベースが2,490㎜もあることで、安定した走りが楽しめそうだ。

 もう一点、クルマに対するフランス人(というよりヨーロッパ全域)ユーザーの意識についても記しておきたい。マニュアルシフトが圧倒的に好まれ、クルマ任せではなく、自分の意思や技術で運転するということ。マナーも万一の事故も、自己責任の意識が強いということ。その観点から、トゥインゴには現代の日本車が当たり前に備えているミリ波レーダーによる衝突回避機能や車線逸脱防止機能は採用されていない。もちろんコストを抑える意味も多分にあるだろうが、必要十分な装備と、走る・曲がる・止まるという基本機能を徹底的に磨き上げ、「自由に楽しんでね」と訴えかけてくるベーシックカーなのである。

エンジン、カラー、デザインも個性的

 ラインアップは998㏄のNAエンジン+5速MTのZEN、897㏄ターボエンジン+6速EDC(エフィシエント・デュアル・クラッチ)のインテンス、同キャンバストップ、そしてスポーティバージョンのGT(897㏄ターボエンジン+6速EDCまたは5速MT)。NAは1リッターで、897㏄はターボ加給という構成は非常に合理的で説得力がある。6速EDCは奇数段と偶数段が各々クラッチ機構を持ち、素早いシフトチェンジとスムースで効率的な変速を行うもの。ベーシックカーとはいえ、これを奢ってしまうあたりに欧州車らしさを感じる。

 3サイズはGT以外が共通で全長3,620×全幅1,650×全高1,545㎜。このサイズは全長3,400×全幅1,480㎜以下という軽自動車規格よりもひとまわり大きい程度で、現車を目の前にすると本当に小さくて可愛らしい。後部ドアの取っ手がCピラーと一体化しているため、一見すると3ドアハッチに見えるが、実は5ドアというのも粋だ。また試乗車のブルードラジェというカラーは、ポップでキュート。一種のレトロ感も漂うフランス車らしいカラーリングで、所有する楽しさも持ち合わせている。

 インテリアも必要最小限の機能で、タコメーターすらないが、絶妙なレイアウトと配色で、チープさを感じない。試乗車のダッシュパネル中央には純正オプションのスマートフォンホルダーが装着されており、無料配布される専用アプリケーションをインストールすることで、スマートフォンにタコメーターを表示したり、BlueTooth接続してオーディオをコントロールするなどが可能。この辺りはさすが現代車らしい。

 見た目よりも室内にはゆとりがあるが、後部座席の頭上スペースだけは少なめ。しかし、ベーシックカーであると同時に、普段使いのシティコミューターでもあることを考慮すると、後部座席に人を乗せる機会はそう多くないはず。お子様用のシートとして、あるいは買い物の際のスペースとして割り切れば、何ら不満はないと思う。

ルノー TWINGO詳細写真

インプレッション

自在に操ることのできるバディのような存在

 キャンバストップを開けたまま走り出してみると、中域のトルクが厚く、非常に走りやすいことに驚かされる。ダウンサイジングターボなので低域には期待していなかったが、活発に回るエンジンとEDCの相性が非常によく、踏んだ分だけ走ってくれる印象だ。最大トルクを2,500rpmで発生するので、40〜50㎞/hからの加速では「速い」とさえ感じられるだろう。

 特筆すべきは駆動力から解放されたフロントの足まわり。トルクステアもなく、すっと曲がってくれる上、最小回転半径は4・3mと小さいので、小回りもきく。乗り心地はわずかに硬めながら、不快な突き上げはなく、極めてナチュラルなドライブを楽しめる。コーナーでの挙動も素直。当然ながらFF車につきまとうアンダーはなく、オンザレール感覚の特性を示す。FRとも異なり、重量バランスに大きく影響するエンジンがリアにあることによってフロント荷重が減り、その分、フロントが自由に機能しているようだ。エンジンも小排気量で軽く、45:55という理想的な重量配分も実現している。まさにRRのメリットだけを抽出した一台と言える。

 さぞや女性オーナーからの支持が多いだろうと思っていたら、実は男性からの人気も高いというトゥインゴ。試乗してみてわかったのは、運転が楽しいという、極めてシンプルなことだった。等身大で自在に操ることのできるバディ(相棒)であり、可愛く、お洒落で、他のどのクルマにも似ていない。ボーイズレーサー的なGTではスパルタンな走りも楽しめるし、キャンバストップならオープンエアも満喫できる。フランス車に乗ったことがないという方にも、ぜひお勧めしたい。

ディーラーメッセージ

ルノー札幌
セールスアドバイザー
谷野 智哉さん

 トゥインゴの魅力は多々ありますが、個性的なエクステリアデザインと、RRプラットフォームによる独特の乗り味が大きな特徴です。自動車としての基本性能を磨き上げているため、ドライブが楽しく、奥様用にとご主人が推薦されるケースがあるなど、予想以上に男性のお客様からもご支持いただいています。また大胆なデザインとカラーリングを施したインテリアも、実用的かつ乗るたびに楽しくなるような仕上がり。フランスならではのセンスと空気感を持っている一台ですので、ぜひ現車をご覧いただきたいと思います。

主要諸元:

全長×全幅×全高:3,620×1,650×1,545mm
ホイールベース:2,490mm
トレッド:前/1,455mm 後/1,445mm
車両重量:1,040kg
最小回転半径:4.3m
エンジン:897cc 直列3気筒DOHC12バルブ ターボ
最高出力:66kW(90ps)/5,500rpm
最大トルク:135N・m(13.8kgm)/2,500rpm
JC08モード燃費:21.7km/ℓ
ミッション:6速EDC
ブレーキ:前/ベンチレーテッド・ディスク 後/ドラム
タイヤサイズ:フロント165/65R15 リア185/60R15
駆動方式:RR
乗車定員:4名
車両本体価格:2,040,000円(税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村勲(川村写真事務所)、取材協力:ルノー札幌 ℡(011)583-4433

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