presented by8+9盛夏号New Car Impression

ニッサンが描く未来の自動車像を具現化 いま手が届く先進テクノロジー満載車

プロフィール

高まるe-POWERへの評価

 ニッサンの主力コンパクトカーであり、発電のためだけにエンジンを用いるe-POWERをラインアップするノートがマイナーチェンジを受けた。スポーツブランド「オーテック」バージョンの追加や安全装備の採用グレード拡大、エクステリアカラーの追加など大幅にアップデートされているが、なにより大きなトピックはe-POWERに4WDが新設定されたことである。

 初代ノートは04年に発表、翌05年から販売が開始された5ドアハッチバックで、ヨーロッパでの人気もあり、12年まで製造された息の長いモデルだった。12年に現行の第二世代に移行した際は、エンジンを1・2リッター直列3気筒にダウンサイジングし、高燃費とともにキビキビとした走りも楽しめるよう進化。さらに16年11月には4度目のマイナーチェンジを受け、300万円以下の量産型コンパクトカーとしては世界初、エンジンを発電に用い、バッテリーに蓄えた電力でモーターを駆動するというe-POWERが新登場。エンジンとモーターを併用するハイブリッドが多い中、e-POWERの登場は革新的で、すでに6年が経過している第二世代ながら、ノートというクルマの素性の良さもあって、今年上半期には軽自動車を除く全登録車中、販売台数1位を獲得している。

近未来の乗用車

 子どもの頃に観たSF映画/ドラマの中では、クルマが空を飛んだり、主人公の危機を察知して自動的に駆けつけたりしていた。そんな時代が果たして来るのかどうか、来たら面白いなと思いつつ、どうしたら実現できるのかは分からないままだった。しかし技術は着実に進み、「電気で走る」「クルマがドライバーを支援してくれる」という新たな時代が既に始まっている。その双方を牽引しているのがニッサンである。100%電気自動車のリーフ。そしてそのシステムを継承しながら、発電用エンジンを搭載するe-POWER。現在セレナとノートにe-POWERの設定があるが、今後ますます搭載車は増えていくだろう。

 e-POWERはシリーズハイブリッドと言われることが多いが、実際は違う。確かにエンジンとモーターを搭載しているものの、エンジンは完全に発電のみに使用されるので、発電機付き電気自動車、自ら発電する電気自動車というのが正しい。フロントモーターは最高出力を3、008~10、000rpm、最大トルクを0~3、008rpmで発生するため、トランスミッションは介在せず、ロスのないダイレクトな駆動が可能。さらにアクセルだけで加減速をコントロールできる「e-POWER Drive」であり、ノートe-POWERをドライブすることは近未来体験と言っても過言ではない。FFでも十分雪道に強かったが、リアにもモーターを搭載した4WDが登場したことで、まさしく鬼に金棒、現行モデルにおいての完成形へと進化している。もちろんまだ空を飛ぶことはできないが、エコカーというよりは近未来の乗用車であり、我々はそれを体験するチャンスを既に得ているのである。

日産 NOTE詳細写真

インプレッション

熟成された安全装備とデザイン

 ニッサン・インテリジェント・モビリティの先進技術も「近未来感」に拍車をかけている。乗り込んですぐに気づくのは「インテリジェントルームミラー」(メーカーオプション)。ルームミラーにカメラ映像を映し出すことができる他、インテリジェント・アラウンドビュー・モニターと組み合わされ、前後左右と、上空からのビューを表示してくれる。さらにクルーズコントロール、車線逸脱防止支援システム、衝突を回避するエマージェンシー・ブレーキ、踏み間違い衝突防止アシストといった安全運転支援システムが用意される。

 なお今回のマイナーチェンジで追加されたエクステリアカラーは、試乗車のサンライトイエロー。ポップすぎず、深みのある色である。従来のe-POWER車専用色プレミアムコロナオレンジも非常に印象的な色。ホワイト/ブラックは定番中の定番ながら、こうしたビビッドカラーを選ぶのも面白い。

 インテリアは先進的なメーターパネルを除けば、全体的にシックな装いに仕立てられており、ラインナップ中最上級の試乗車では、ブラックを基調としつつ、ブラウンを用いたジャガード織物のツートーンシートが上質空間を演出している。5ナンバー枠ながら室内幅には余裕があり、後部座席の頭上にも拳2個分のスペースがあるので、大人4名乗車でも快適に過ごせるだろう。

 現行型ですでに6年経過と冒頭に書いたが、プラットフォームの改善はかなり行われてきたそうで、モデルサイクルの短い国産車にあって、じっくり醸成していくニッサンの手法は、むしろ好ましい。安全装備とエクステリア/インテリアがこれだけ熟成されてくると、ユーザーは「すぐに旧型になる恐怖心」から脱却し、安心して選ぶことができる。

体験すればわかる「新時代の運転」

 走り出して、一度減速を経験した瞬間に、ほとんどの方が「おや?」と思うことだろう。ブレーキを踏まずとも、アクセルを緩めただけで減速するからだ。回生ブレーキが強力に効き、想像しているエンジンブレーキのような減速イメージをはるかに上回る。すでにリーフとセレナe-POWERを体験済みのレポーターでさえそう思うのだから、もしかすると戸惑う方もおられるかもしれない。しかし数分も走れば、すぐに慣れる。慣れると今度は面白くなる。加速時/減速時ともに路面状況を感知してくれるので、特に冬道においては大きなメリットとなるし、レースやラリーを経験したことのある人であれば、右足のわずかな力加減で車をコントロールする感覚がそこにあるからだ。

 コーナーでの挙動もナチュラルで非常に素晴らしい。ニュートラルステアを維持し、スムースに曲がり、スムースに加速する。そして非常に速い。分類上はエコカーなので意外に思われるかもしれないが、モーターのフラットで力強いトルクは、一度味わうと病みつきになる。以前180SXとリーフが加速競争するテレビCMがあったが、あれはまんざら嘘ではない。アクアセルを踏み込むとモーターが必要とする電力に応じてエンジンも音を立てるが、それ以外のシーンでは存在を消しているかのように静かだ。

 ワンペダルのこうした操作感は、どうしても言葉では伝わらない。どんなクルマも試乗しないとわからない部分が多いが、e-POWER Driveほど、ライターとしてもどかしさを感じる機能は他にない。とにかく一度体験してみていただきたい。コンパクトカーであるノートにはキビキビとした走行性能を、重量のあるセレナにはゆとりの走りをもたらすe-POWER。もしこれがスポーティカーに搭載されれば、スポーツドライブそのものが大きく変化するだろうし、アッパーミドル以上の車種に搭載されれば、パーソナルカーとしても、ショーファードリブンカーとしても、圧倒的な静けさに包まれた新世代の高級車が誕生することになる。ニッサンが描く未来のモータリゼーションを楽しみにしたいと思う。

ディーラーメッセージ

札幌日産自動車 宮の森店
カーライフアドバイザー
三井 敏行さん

 発売以来ご好評をいただいているノートe-POWERに、待ちに待った4WDが設定されました。FFのノートe-POWERにお乗りいただいているお客様からは「FFでも十分走る」との声が非常に多いのですが、4WDが追加されたことによって、例えば坂の上にお住いの方や、冬でも長距離を走行される方には、より一層の安全をお選びいただけるようになります。ワンペダルで加減速可能なe-POWER Driveは、体験していただかないとなかなか伝わらない面がありますので、ぜひご試乗なさってみてください。

主要諸元:

全長×全幅×全高:4,100×1,965×1,525mm
ホイールベース:2,600mm
トレッド:前/1,480mm 後/1,485mm
車両重量:1,310kg
最小回転半径:5.2m
発電用エンジン:1,198cc 直列3気筒DOHC
最高出力:58kW(79ps)/5,400rpm
最大トルク:103N・m(10.5kgm)/3,600~5,200rpm
フロントモーター:EM57
最高出力:80kW(109ps)/3,008~10,000rpm
最大トルク:254N・m(25.9kgm)/0~3,008rpm
リアモーター:N2
最高出力:3.5kW(4.8ps)/4,000rpm
最大トルク:15N・m(1.5kgm)/1,200rpm
JC08モード燃費:28.8km/ℓ
ミッション:-
ブレーキ:前/ベンチレーテッド・ディスク 後/リーディングトレーリング
タイヤサイズ:185/65R15
駆動方式:4WD
乗車定員:5名
車両本体価格: 2,569,320円(税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)、取材協力:札幌日産自動車 宮の森店 ℡(011)644-4123

[Carpia CELHOME]詳しくはこちらをクリック!

最近チェックしたクルマ

最近検索した条件
     

このページを印刷する

キーワード検索

検索