presented by10+11錦秋号New Car Impression

ホンダファンには待望の新C-RV、すべてを鍛え直し2年ぶりに国内市場へ復活!

プロフィール

初代モデルから"主役"の座に!

 ホンダは元々は2輪メーカーである。それが昭和38年、T360というDOHCエンジンを搭載した"常識はずれ"の軽トラックで4輪業界に進出。さらに続いて、S500という2シータースポーツカーを発売するという、当初はセダンやファミリーカーには目も向けない強烈なスポーツイメージを持ったメーカーだったのである。

 そのイメージは維持しながらも、1990年代に入って新たなクルマ像としてホンダが提案したのが"クリエイティブ・ムーバー"という考え方。ユーザーそれぞれの個性や環境に合わせ、クルマという移動手段を創造的に楽しんでもらおうというのだ。

 その第一弾として発表されたのが初代オデッセイであり、これがミドルクラスセダンに満足できなかった多数のユーザーを取り込むことに成功、未曾有の大ヒット。オデッセイはミニバンだったが、続いて"ライト・クロカン"(当時はSUVという呼称一般的ではなかった)として、1995年に登場したのがCR-Vだった。同じ時期、1994年にはトヨタからRAV4が発売されており、この2車はライバルとして激しい販売合戦を繰り広げることになる。

 RAV4が、SMAPの木村拓哉をCMキャラクターに起用し若年層への浸透を狙ったが、ホンダはそのような戦略をとらなかった。CR-Vは硬派なRVイメージを残しながらも、3ナンバーボディの居住性やスタイリッシュなデザイン、さらに全車コラムATという女性にも受け入れられる商品力で勝負したのだ。結果は、適正な価格帯を打ち出したこともあるがCR-Vの勝利、発売初年度から軽量RVの"主役"に躍り出たのである。

ヨーロッパ、アメリカでは超人気車!

 納車まで3ヶ月以上待たされたほどの大ヒットとなった初代CR-Vだが、2001年に正常進化の二代目にモデルチェンジされる頃にはブームも沈静化し、初代ほどの販売実績を挙げる事は難しくなっていた。

 そのため2006年にはイメージ一新のフルモデルチェンジが敢行される。高級感あふれるグラマラスなボディを持ち、プレミアム感満載となったが、それは海外需要に適合させるための販売施策であり、残念ながらCR-Vを再度、国内トップの座に押し上げる要素にはならなかった。2013年、ホンダはライトウエイト・クロスオーバーSUVの決定版として「ヴェゼル」が国内市場に投入されるが、その時点で日本国内におけるCR-Vの使命は終わったと言っていいだろう、「ヴェゼル」の大ヒットの陰で、CR-Vは2016年、国内生産を終了するのである。

 ところがこのCR-V、海外においては歴代車種すべてが超人気。海外販売台数は全ホンダ車の中で、アコード、シビックに続く第3位に君臨。昨年度も全世界販売台数は73万台、車種別シリーズ合計では、カローラ、シビック、ゴルフ、RAV4に続いて世界ランキング第5位という実績。まさに押しも押されもしない座にCR-Vはあるのだ。

 その要因のひとつが多彩な仕様選択の幅だろう。日本国内やアメリカではオートマ車のみ販売されるが、ヨーロッパでは需要の高いマニュアルミッション車も設定され、さらにディーゼルエンジン車も販売されている。この人気はヨーロッパ・アメリカのみならず、オーストラリアを中心とするオセアニア地域、中国でも同様であることを忘れてはならない。

 つまり国内生産は終了したCR-Vだが、その改良と開発は途切れなく継続されていたのだ。8月31日から発売開始となった五代目CR-V、すでにアメリカや中国では販売されている。しかし、それをそのまま日本国内で販売するには、さらなる熟成が必要だったのだろう。なにしろ日本国内は様々なジャンルの魅力的なクロスオーバーSUVが次々と投入されている激戦市場であり、そこを勝ち抜いてゆくには、それらライバル達を凌駕するポテンシャルを身につけなければならない。現状を見直し、鍛え直し、国内の生産体制も整備しなければならなかった。そのために2年という期間が必要だったのだ。

 日本国内SUV市場でホンダはコンパクトSUVの「ヴェゼル」という国内専売一車種だけで戦ってきた。しかし、ホンダはアメリカだけでも6銘柄のSUVラインナップを持っているのだ。確かにヴェゼルは秀逸なポテンシャルを持つ大ヒットモデルだが、なにしろ援軍も無く孤軍奮闘中。そのホンダの現状を打破するためには、ミドルクラスのSUVが絶対に必要であり、そのために選ばれたのがCR-Vだった。ヨーロッパのサーキットはもちろん、山岳路や市街地でも走りこみ、さらなる熟成と進化を遂げたCR-Vが今、勇躍日本国内市場に帰ってきたのである。

ホンダ C-RV詳細写真

インプレッション

次世代SUVとして正常進化!

 現車を見ての第一印象、それは「大きくなったな!」だった。初代から3ナンバーとして誕生したCR-Vだが、その初代との比較はもちろん、アメリカンサイズとなった先代からも全長で70㎜、幅が35㎜、ホイールベースも40㎜ほど拡大されているのだから、もう堂々たるミドルクラスSUVである。女性的な印象もあった先代と違い、フロントフェンダーを膨らませ、凹凸を持たせたフロントマスクなど力強さを感じさせるが、一部車種にあるようなデザインを優先させるあまり、ウインドウ面積を削ったり、ルーム内の居住性を犠牲にすることはなく、箱型ボディを堅持しているのは好感が持てる。

 コクピットに乗り込み、シート位置を決めるのだが、シート座面を最も低くするとステアリングホイールとのバランスがしっくりこない。基本設計のアイポイントはセダンの160㎜上で設定されているようで、やはりSUVらしく上からの視線で乗るべきなのだろう。ステアリングホイールには3時、9時のスポークに様々なスイッチがあるのだが、それが握り具合に影響せずグローブとのフィット感も上々である。

 メーターパネルには上に横長のタコメーターがあり、その下にデジタル数字で表示されるスピードメーター。さらにその下に4WDのトルク配分を表すディスプレイがある。筆者のような世代には大径丸型のアナログ表示がベストなのだが、昨今のデジタル世代ユーザーにはこの表示で違和感はないのだろう。そこから左に視線を移動すると、カーナビなどの情報を表示するディスプレイが目に入る。他メーカー車種にはこのディスプレイがダッシュボードから大きく飛び出し、ドライバー視線をさえぎってしまうクルマもあるのだが、CR-Vにはそれがない。"ドライバー・オリエンテッド"を大切にするホンダのポリシー、それはこのドライバー視線を確保するという設定にも表れている。

 そしてルーム内の余裕ある広さ。助手席との間のセンターコンソールは大きく、そこにはドリンクホルダーや小物入れがあり使い勝手は良好。リアシートに座っても足元は余裕があるし、大人3名乗車でもまったく狭さを感じない。これなら7名乗車の3列目シートの設置も容易だったはず。そう、今度のCR-Vにはミニバン並みの7名乗車仕様もあるのだ。クルマの使用状況に合わせてシートアレンジを選べるのは、ユーザーにとってうれしい車種設定だろう。

絶妙なハンドリングとパワーのバランス!

 今回、試乗用に提供されたのは、1・5リッター直噴ターボエンジンのガソリン車である。このエンジン、ホンダがグローバルモデル第一弾として全世界で販売しているシビックにも搭載されており実績は充分で、それをアメリカ仕様の190馬力にまで出力を上げている。これだけのパワーがあれば市街地走行にまったく問題はない。CVTミッションはアクセルオンした瞬間の追従性に難点があるのだが、今回のCR-Vはそれをあまり感じさせず、CVTセッテイングの熟成は相当に進んだようである。

 ただ、なにしろ総重量が1・7トンものミドルサイズSUVである、190馬力あるとはいえスポーツカー並みの運動性能を期待してはいけないし、立ち上がり加速の瞬発力も今ひとつ。さらに5000回転に近づくとエンジン音がラフになり、ノイジーなのは気になるところ。それも感じ方の問題、これをエンジンが『私は今、しっかりがんばっています!』という意思表示しているのだと思えば、それも"ホンダらしさ"と理解できるのではないか。

 ワインディングロードに入って、高速でのコーナリングを試してみる。全高が1・7m近いSUVなのだから当然重心点も高く、路面に張り付くような走りを期待してはならないが、横Gの掛かるタイトターンでも不安感はない。さすがにヨーロッパの山岳路で熟成を重ねた足回りは伊達ではないと思わせる仕上がりだ。

 ブレーキのタッチも秀逸で、ペダルを踏んだ強さに合わせてリニアにスピードが落ちる。右足でアクセルを踏んだまま、左足でフルブレーキングというスポーツドライビングにもしっかり反応してくれる、このタッチが絶妙なブレーキへの安心感は大きい。

 有力なライバルが群雄割拠する国内SUV市場に2年ぶりに戻ってきたCR-V、海外での絶大な人気を背景に、さらなるポテンシャルアップを遂げての登場である。すでに予約状況は好調だと聞くが、本当の勝負は11月にハイブリッド仕様が発売されてからだろう。ハイブリッドでありながら本格的4WDシステムを持つ新型CR-V、北海道では大きな期待を持って受け入れられるはずで、その市場動向を楽しみに待ちたいと思う。

ディーラーメッセージ

Honda Cars 札幌中央 清田店
新車課 営業
田口 潤弥さん

 新しいCR-V、今回発売になったのは1.5リッターのターボなのですが、低速から高速までそのレスポンスは素晴らしく、そのホンダらしい"味付け"は最高です。5人乗りと7人乗りの双方ありますから、ファミリー層にも、子育てが一段落した熟年層にもお勧めです。また、「Masterpiece」という上級車種には、ハンズフリーで開閉できるリアゲートや電動サンルーフなど新しい装備も満載です。筋肉質のフェンダーラインなどデザインも魅力的で、必ずお気に入りの一台になるはずです。11月にはハイブリッドも発売になりますから、ぜひ一度試乗してくださり、新型CR-Vの、一歩も二歩も進化した新しい魅力に触れてください。ご来店、お待ちしております

主要諸元:

全長×全幅×全高:4,605×1,855×1,690mm
ホイールベース:2,660mm
トレッド:前/1,600mm 後/1,615mm
車両重量:1,610kg
最小回転半径:5.5m
エンジン:1,496cc 直列4気筒DOHC直噴ターボ
最高出力:190ps/5,600rpm
最大トルク:24.5kgm/2,000rpm
JC08モード燃費:15.0km/ℓ
ミッション:トルクコンバーター付CVT
ブレーキ:前/ベンチレーテッド・ディスク 後/ディスク
タイヤサイズ:235/60R18
駆動方式:4WD
乗車定員:5名
車両本体価格:3,774,600円(税込)

テキスト:天野 克彦(BIBIMBA天野)、Photo:青柳 健司(フォトライター)、取材協力:Honda Cars 札幌中央 清田店 ℡(011)884-2222

[Carpia CELHOME]詳しくはこちらをクリック!

最近チェックしたクルマ

最近検索した条件
     

このページを印刷する

キーワード検索

検索