presented by10+11錦秋号New Car Impression

SUVに宿るアルファロメオの血統 ドライビングプレジャー極まるニューモデル

プロフィール

クルマ好きを魅了し続けるアルファロメオ

 アルファロメオから初のSUVとなるステルヴィオが発売された。ステルヴィオとはイタリア北部のアルプス山中に実在する峠の名称で、標高2,700m、48ものヘアピンカーブがある難所。腕に覚えのある人なら存分にドライビングを楽しめる場所でもあるが、SUVにその名を冠するあたり、アルファロメオの熱い思いを感じとることができる。

 アルファロメオときいて、どんなイメージを持たれるだろうか。スポーツカー、レース、エモーショナル、官能的デザイン、高性能ゆえに気難しいマニアックな車といったところだろうか。A・L・F・A(ロンバルダ自動車製造株式会社)の発祥は1910年。その8年後、ニコラ・ロメオ技師有限会社を吸収合併。それ以降「ALFA ROMEO」というブランド名で高性能スポーツカーの開発を進め、1920年代から1930年代にかけて、アルファロメオのレース部門総責任者は、かのエンツォ・フェラーリだった。こうした歴史が「高性能スポーツカーブランド」としてのイメージに大きく貢献しているのは間違いない。その後、国有化や量産メーカー化、民営化とともにフィアットグループの一員になるなど時代の波に揉まれながら、ジュリアやスパイダー、75、155、164、156といった車種を生み出し、今日に至るまで、ブランド名が失われることはなかった。

 現代のアルファロメオは、ラグジュアリー要素を持ち合わせたグローバルカーである。モータースポーツのアイデンティティを明確に維持しつつも、故障に頭を悩ませることなく普段使いできる、非常に完成度の高い車種を送り出している。メルセデス、BMW、アウディ、ポルシェといったドイツメーカーが様々なSUVモデルをラインアップしている現在、後発のアルファロメオが満を持して発表したステルヴィオ。今回発売されたのはステルヴィオFIRST EDITIONが正式名称で、400台限定である。本国仕様にはフェラーリ製V6エンジン搭載モデルとディーゼルがラインアップされているが、日本市場を考慮した第一弾という位置付けになる。

スポーツマインドに語りかけてくる秀逸なデザイン

 エクステリアは純粋に格好良い。SUVはボディが大きく、どうしても無骨になるが、巧みなデザインでスマートに、スポーティに仕上げられている。フロントには独特のトライローブ(三つ葉)グリルがあり、アルファロメオであることを強烈に訴求。サイドから眺めると、50:50の前後重量配分を感じさせる、スポーティでバランスの良いデザインが美しい。サイドウインドウ下端の直線的なショルダーラインと、前後ドアに施された滑らかなプレスラインは、周囲の景色を映し出しつつも陰影をはっきりと浮かび上がらせ、いやがおうにもスポーツマインドをくすぐられる。リアはコンビネーションライトを含むナンバー上のエリアが平坦に切り取られたカムテールデザイン。アクセントとしてはもちろん、空気抵抗の低減を図っている。ボディカラーはアルファホワイト/レッドのソリッドカラー2種と、ストロンボリグレー/ブルカノブラックというメタリックカラー2種がある。

 インテリアはブラック+ウォールナットウッド、ブラック/チョコレート+グレイオークウッド、ブラック/ベージュ+ウォールナットウッド、そして試乗車のようにブラック/レッド+グレイオークウッドという派手な組み合わせもある。ダッシュパネルはシンプルで、少し触れば理解できるような配慮がされている。シフトレバーにPポジションがなく、レバー先端にPボタンが付いていたり、エンジン始動/停止ボタンがステアリングについていたり……。一瞬戸惑うかもしれないが、機能的だし、なるほどイタリア車だなと妙に納得させられてしまう。

 適度な囲まれ感がある前席と、ゆとりたっぷりの後席。特に後席は1,905㎜の全幅の恩恵が大きく、頭上にも拳一個分のスペースが確保されているので、3名以上の乗車でもくつろげること間違いなしである。

アルファロメオ Stelvio詳細写真

インプレッション

唯一無二のハンドリングSUV

 エンジンは最高出力280ps/最大トルク40・8㎏mを発生する、2リッター直列4気筒16Vインタークーラー付ツインスクロールターボ。非常に活発で、2、000回転を超えたあたりからタコメーターの針が嬉しそうに跳ね上がる。大排気量のモリモリしたトルクとは違い、軽快で滑らか、如何にも「もっと走りたい」と訴えてくるような加速感である。

 そしてワインディングへ足を踏み入れてみると、最大の驚きが待っていた。ステアリングの動きに対する車体の追従性がクイックかつシャープ。弱アンダーからニュートラル付近のマナーを維持しながら、コーナーをこともなげにクリアしていく。半信半疑ながら「ハンドリングSUV」というキャッチフレーズを頭に入れて試乗に臨んだものの、これほどコーナーが楽しいとは予想していなかった。

 SUVモデルでコーナリングを楽しむ…この信じがたいシチュエーションは、今のところステルヴィオ以外では体験することができない。というのも、ステルヴィオのルーツは昨年国内販売が開始されたジュリアなのである。カーボンファイバー製プロペラシャフトやアルミニウム製エンジンフードをはじめ、ドア、リアハッチ、前後フェンダー、エンジンブロック、サスペンションなどに超軽量素材を使用することで軽量化を徹底したほか、後輪のスリップを検知すると最大50%のトルクを前輪へ配分するオンデマンド式4WD(Q4)を採用するなど、安定した走行性能はもちろんのこと、その先に「ドライビングプレジャー」を置いている。100年近い時を経ても、アルファロメオの血統は一切失われていなかった。

幅広い層に訴求できる、価値の高い一台

 安全装備も抜かりない。車線逸脱警報や歩行者検知機能など、昨今の日本車が装備しているセーフティ機能はほぼ搭載されている。自動運転支援技術に基づいた安全装備は、グローバルスタンダードになりつつあり、アルファロメオも例外ではない。

 またドライブモード切替も備わる。パフォーマンスとレスポンスに特化した「d(ダイナミック)」、日常走行において最もバランスのとれた「n(ナチュラル)」、エネルギー消費を最小限に抑える「a(アドバンスト・エフィシェンシー)」。この3種の頭文字をとってALFA DNAドライブモードシステムと呼ぶが、このネーミングひとつとっても、スポーツマインドを絶妙にくすぐってくる。

 限定400台と書いたが、FIRST EDITIONは、今後ほかのラインアップを導入していくにあたってのマーケティング的な意味合いを持つのかもしれない。本国でのオプション装備を日本向けに多々チョイスしており、実はコストパフォーマンスに優れる設定なのである。アルファロメオに乗りたいという方はもちろんのこと、運転が楽しいSUVを探している方や、ドイツ車とは異なる個性を求める方など、広いターゲットに訴求するだけの魅力を秘めたステルヴィオ。今後の動向が非常に楽しみな一台だ。

ディーラーメッセージ

インポート・プラス 札幌清田店
営業グループ
高橋 宏明さん

 ステルヴィオは後発SUVだからこそ、様々な面で作り込まれています。例えばリアゲート開口幅は1,000mmとライバル各車よりも狭いのですが、ボディ剛性を確保し、スポーティなハンドリングを実現するためです。またパワーウエイトレシオは6.46kg/psで、SUVモデルとしては群を抜いています。走行性能のみならず、ハーマン/カードンプレミアムオーディオシステムやスマートフォンと連動できるインフォテイメントシステムなど、充実の装備を誇ります。ご試乗お待ちいたしております。

主要諸元:

全長×全幅×全高:4,690×1,905×1,680mm
ホイールベース:2,820mm
トレッド:前/1,610mm 後/1,650mm
車両重量:1,810kg
最小回転半径:6.0m
エンジン:1,995cc 直列4気筒マルチエア16バルブ インタークーラー付ツインスクロールターボ
最高出力:280ps/5,250rpm
最大トルク:40.8kgm/2,250rpm
JC08モード燃費:11.8km/ℓ
ミッション:8AT
ブレーキ:前/ベンチレーテッド・ディスク 後/ベンチレーテッド・ディスク
タイヤサイズ:255/45R20
駆動方式:オンデマンド4WD
乗車定員:5名
車両本体価格:6,890,000円(税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)、取材協力:インポート・プラス 札幌清田店 ℡(011)887-2277

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