presented by2+3新春号New Car Impression

発売から1年、人気のクロスオーバーSUVマツダCX-8に待望のガソリン・ターボ仕様車が誕生!

プロフィール

あくなき挑戦と先進性!

 マツダ、当時は東洋工業であるが、この自動車メーカーとロータリー・エンジンを切り離して考えることはできない。世界初のロータリー・エンジン試作機を発表したのはドイツのNSUだったが、正直なところそれは到底実用になるとは思えない代物であり、実質的な開発がスタートするのは、昭和35年に東洋工業がNSUの技術提携先となってからだろう。契約条件としてNSUから突きつけられた法外な要求をクリアしながら、孤立無援のままロータリー・エンジンの技術開発・実用化に向けて、東洋工業の苦闘が始まったのである。

 そして、その苦闘の成果が実り、昭和42年5月30日、革新的な2シータークーペ、コスモ・スポーツが満を持して発売される。これこそがNSU(のちのアウディ)の技術では成し得なかった、実用化ロータリー・エンジンを搭載した世界初の量産自動車だった。その後もマツダからはロータリー・エンジンを搭載したクルマが次々と発売され、有力メーカーが撤退してゆく中、世界唯一の量産ロータリー・エンジンメーカーというポジションは確固たるものとなってゆく。

 新型車を新たに開発するには数百億円単位の費用が必要といわれる。それはエンジンでも同様であろう。ましてやレシプロではなく、ロータリーという新分野に踏み込むという決断。東洋工業にとってはまさに社運を賭けた挑戦だったに違いない。

 それは、現在の「マツダ」を支えるエンジン理論『SKYACTIV』を完成させるまでの道程と同様だったろう。化石燃料を使う内燃機関は、すでに開発され尽くしたと思われていたが、ガソリン・エンジンにしても、ディーゼル・エンジンにしても、そこにはまだまだ開発の余地があると考えたマツダの技術陣が、細部まで見直した末に到達したエンジン理論が『SKYACTIV』だったのだ。

SKYACTIVの最新作!

 現在、地球規模の大問題となっているのが「環境汚染」と「温暖化」であり、自動車メーカーにも「燃費低減」と「排ガスクリーン化」という課題が突きつけられた。これをクリアするために日本の主要メーカーが選んだのは、「ハイブリッド」や「電気自動車」であり、さらにもっと未来を見据えた究極のエコカーである「水素電池車」までを市販してしまった。

 しかし、ヨーロッパの主要メーカーはまったく新たな革新技術ではなく、これまであった技術に工夫を盛り込むことで乗り切ろうとした。それがディーゼル・エンジンの改良だったのだが、しかしこれには大きな落とし穴があった。ドイツの複数有力メーカーの一部車種は排ガス規制をクリアできず、不正プログラムを用いて検査時だけ数値を下げていたという事実が発覚する。つまり、彼らの環境問題に対する取り組みは適切ではなかったのだ。

 マツダもこの命題をクリアするにあたり、ハイブリッドなど新技術ではなく、これまで培ってきた従来のエンジン技術をさらに見直し、磨き上げることで対応しようとした。ただそれはドイツ系メーカーとは違い触媒やフィルター対応ではなかった。内燃機関の作動原理のすべてを突き詰めて見直し、これまで不可能といわれてきた部分への挑戦だったのである。

 ディーゼルでもガソリンでも通常稼動が不可能と思われていた圧縮比14を実現し、可変バルブによるミラーサイクルを導入し、排気系も効率化、ピストンヘッドまで工夫を加えるなど、内燃機関の可能性をより広げる「SKYACTIV」と呼ばれる技術を完成させる。

 望みや可能性を信じ切る力、自らの能力を最大限に生かし切る力、それがマツダを支えてきたのだろう。そのマツダ自慢の「SKYACTIV」、ターボカーはディーゼル車にはあったが、ガソリン車はNAのみ。それが昨年10月下旬、とうとう最新作としてガソリン・ターボがラインナップに加わり、人気のCX-8に搭載されて発売されたのだ。

マツダ CX-8詳細写真

インプレッション

居住性とデザインが見事に両立!

 発売から1年、受注実績も好調というCX-8、その印象はこれまでのマツダCXシリーズと変わりはない。特にフロントなど“弟分”のCX-5との違いは、マツダ車の象徴である変形5角形グリルがCX-5がメッシュ、CX-8が6本の横ラインという部分だけ。しかし、サイドビューはまったく違う。長いのだ。それも当然で、CX-8の最重要ポイントは3列シートを設置することであり、そのためにはホイールベースを伸ばす必要がある。そこでマツダはアメリカでの専売車種であるCX-9が3列シート車であり、そのプラットフォームを活用しようと考えたのだ。

 しかしCX-9は全幅が2m近いビッグサイズ、そのままでは日本国内の道路事情にマッチしないだろうと、長いホイールベースはそのままにプラットフォームの幅だけをCX-5サイズに縮小したのである。そうなるとどこかにデザイン上のアンバランスさが見えてくるはずなのだが、実際に現車を見ても、それを感じない。ルーフラインは3列シートのために低くできずフラットなのだが、ウインドウラインがうまくそれをカバーしている。このあたり、『魂動』をテーマとするマツダデザインチームの面目躍如たるところで、不要なプレスラインや装飾に頼らない処理は大いに評価されるべきだろう。

 CX-8の最大ポイントである3列目のシート、これが充分に実用的なのである。まずドライバーズシートから順番に余裕を持たせて位置を決めてゆき、最後に3列目に乗り込んでみた。そこでちょっとした驚き。筆者は身長175cmなのだが、前席のシートバックに膝が当たることもなく、シート自体の作りも良いせいで腰も落ち着く。前席下につま先が入る空間があり、それもあって狭さを感じさせないのだ。クロスオーバーSUVながらCX-8は7名乗車が充分に可能なクルマに仕上がっている。

 マツダは、すでにアメリカでは市場が縮小化しているミニバン部門からの撤退を表明している。そのためには、新たに多人数乗車のクルマを提案しなければならず、マツダはそれに3列シートを持つクロスオーバーSUVを選んだのである。その判断は正鵠を得ていたのだが、CX-8はマツダの最上級SUV車輌である。ならば、その上質感やグレードを表す“華”や“格”をデザインに盛り込み、“弟分”達との差別化をもっとしても良かったと思うのだ。そのニーズはディーラーオプション等で満たされることが殆どではあるのだが。

シティクルーザーとしての魅力は充分!

 コクピットに乗り込むと、センター部に光沢のある素材を使った高級感あふれるシートが迎えてくれる。通常の試乗では、シートポジションを最も低くし、ハンドルも低く手前にするのだが、それではシフトが高く、ひじがセンターコンソールに当たり、フロントスクリーンに投影される情報も目に入らない。そこで気がついた。CX-8はマツダの最上級クロスオーバーカーであり、それに合わせたドライビングポジションを取るべきなのだ。シート位置を上げると左右のひじ置きに腕を預け、正面の交通標識情報もしっかり目にしながら、楽なドライビングポジションが取れた。

 今回、初めて搭載されたガソリンターボエンジンに火を入れ、広いメインストリートを走り出す。アクセル全開での加速、圧倒的なパワー感はないがシフトアップされるたび確実にスピードは上がってゆく。つまりパワーよりもトルクで速度を稼いでゆくタイプなのだ。新開発の、速度域に応じて排気経路を切り替える可変バルブと適切な排気マニュホールドにより、低回転からターボは効き始める。そこから4500回転くらいまで、常にスムーズなパワーとトルクを発揮し続ける、扱いやすいエンジンに仕上げられている。車体装備重量は2トン近いビッグボディだが、パワー不足を感じることはあるまい。

 次は4WDシステムである。北海道の冬、その氷雪路面を考えるとユーザーの多くが4WD車を選ぶという。CX-8の4WDシステム、「i-ACTIV AWD」と呼ばれているが、通常はFF走行で、フロントタイヤが滑りやすい路面に乗ったことを感知するとリアタイヤに駆動を配分するという、最近のクロスオーバーカーの多くに採用されているシステム。平坦な圧雪路面ではまったく問題なくクリアしたが、新雪が30センチほど積もったままで除雪されていない道路での発進、踏破には多少の不安は残ったものの、通常走行でのパワー感と走破性はまったく問題はない。ビッグサイズSUVとしての存在感を持って、両腕をひじ掛けに置いて悠然と市街地を走り、自動ブレーキをはじめとする安全対応は万全。時には多人数を乗せてツーリングにも出られ、ルーム内にはエンジン騒音や風切り音は入り込まず3列目シートのパッセンジャーも会話を楽しめる。

 そう、「技術は永遠に革新である」というマツダのモットーは、自動車業界に参入した昭和6年から、上質な仕上がりを見せる「CX-8 25T」の現在までも、綿々と守り続けられていたのである。

ディーラーメッセージ

北海道マツダ販売
東月寒店 販売係長
佐藤 法厚さん

 マツダ自慢の『スカイアクティブ』に初のガソリン・ターボが誕生しました。それがこのCX-8 25Tです。マツダのSUVはディーゼルが中心だったのですが、このガソリンエンジンも魅力満載です。長距離を走る方ならディーゼルですが、シティユースが多い方ならガソリン車がお勧め。しっかりしたボディ剛性により車内の静粛性は高いし、ターボパワーを生かした俊敏性は他では味わえません。実は私、メカニック出身なものでクルマの話は大好きなんですよ。先だっても地方からご来店いただいたお客様が私とクルマ談義をするうちに即決でご契約いただきました。試乗車も常時ご用意しておりますから、CX-8のターボパワーと7名乗車もOKという使い勝手の良さをぜひ体感してみてください。ご来店、お待ちしています

主要諸元(25T PROACTIVE AWD)

全長×全幅×全高:4,900×1,840×1,730mm
ホイールベース:2,930mm
トレッド:前/1,595mm 後/1,600mm
車両重量:1,870kg
最小回転半径:5.8m
エンジン:2,488cc 直列4気筒DOHC直噴ターボ
最高出力:230ps/4,250rpm
最大トルク:42.8kgm/2,000rpm
JC08モード燃費:12.0km/L
ミッション:6速AT
ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
タイヤサイズ:225/55R19
駆動方式:4WD
乗車定員:7名
車両本体価格:3,742,200円(税込)

テキスト:天野 克彦(BIBIMBA天野)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)
取材協力:北海道マツダ販売 東月寒店 ℡011-855-2377

[Carpia CELHOME]詳しくはこちらをクリック!

最近チェックしたクルマ

最近検索した条件
     

このページを印刷する

キーワード検索

検索