presented by4+5陽春号New Car Impression

世界中で支持されるラングラーが新たな魅力を伴って大幅進化

プロフィール

伝統のジープブランドを継承するラングラー

 日本でも熱く支持されているジープブランド。中でも、伝統的なジープのテイストを色濃く継承するラングラーがフルモデルチェンジを受け、第四世代となった。

 ジープは1941年、アメリカ陸軍の要望に応えてウィリス・オーバーランド社が開発した車両が全ての始まりである。'44年にCJ-2と呼ばれるモデルが登場し、以降、'86年のCJ-7型まで生産が継続される。その翌年、'87年にはYJ型と呼ばれる新モデルが登場、これがラングラーである。ホイールベースが拡大され、フロントガラスを大型化して居住スペースもしっかりと確保するなど、CJの軍用車たるテイストは薄れ、町乗りも可能な本格派クロスカントリーという位置付けを確立した。

 '97年には第二世代のTJ型が登場。日本仕様は右ハンドルとなり、左ハンドルが不便と感じている層からも注目を浴びる。YJ型とTJ型は2ドアコンバーチブルというボディ形状がメインで、エンジンは4Lまたは4.2Lの直6、2.4または2.5Lの直4という構成だった。

 '07年には第三世代のJK型へと進化。4ドアも追加されたことで、SUVとしてのテイストが濃くなり、エンジンが3.8LのV6となったことで、無骨さ・ワイルドさは抑えられる方向となった。

 そして今回の新型はJL型と呼ばれる。快適装備も充実したことで、JK型の方向性を引き継ぎ、より魅力を増してきた。TJ型までが好き、あるいはCJ型が好きというファン層からは賛否両論あるかもしれない。無骨で、泥や砂地が似合う、走破性の高い相棒。そんなイメージへの憧れはよく理解できる。ただ、時代は安全性・快適性、そしてエコ性能を求めている。さらに言えば、ラングラーは現代車の中にあって、とてつもなくタフで無骨なイメージである。高い走行性能は維持したまま、現代のニーズに合わせた快適性を身につけたと考えれば、極めて魅力的に見えてくる。

至るところに感じられる、ラングラーらしさ

 新型のエンジンは2種類。3.6LのV6はSPORTとUNLIMITED SAHARAに搭載されるが、前者は受注生産である。そして新たに加わったエンジンがUNLIMITED SPORTに搭載される2L直列4気筒DOHCターボ。ラングラーのエンジンも時代とともにダウンサイジングを余儀なくされたのかと、悲観的な心境で試乗に向かったのだが、その印象はものの見事に覆されることになる。

 エクステリア全体のイメージは大きく変わっていない。もちろん細部は色々と手を加えられているが、ラングラーはそれで良いと思う。このカタチと言えばラングラー、ラングラーと言えばこのカタチ。考えてみれば、ここまでしっかりとアイデンティティを主張するデザインは他にない。それはクルマにとって非常に重要なことだと思う。

 インテリアは快適性が高く、上質なもの。ダッシュパネルが立っていて、高級乗用車のように最先端デザインというわけではないが、歴代モデルと比較すると、その上質感は一目瞭然。先代のJK型も乗用車テイストに近づいていたが、新型ではさらに磨きがかかり、エクステリアとのギャップが(良い意味で)広がっている。このインテリアであれば、国産車から乗り換えても何ら不満はないだろう。あえて挙げるならば、前述の通りダッシュパネルに奥行きがなく切り立った崖のようであることと、フロントウインドウが近い故に感じる眼下の狭さだろう。慣れてしまえばどうということはないが、最近の国産車、特にミニバンやSUVはフロントウインドウが寝かされ、ダッシュパネル上に広大な空間が設けられている。この開放感がラングラーにはない。そのかわり視線の先には角張ったボンネット先端が見え、手前に視線を移動すると、モダンなメーターパネルがある。このギャップは本当に面白い。

本格派4WDを支える最新テクノロジー

 その他、まだまだトピックスはたくさんある。例えばトランスミッション。なんと8速ATが採用された。このところ国内外問わず、マニュアルでは6速、オートマチックでは6速以上が増えている。高級車では10速ATも存在しているが、多段化のメリットは何であろうか。これは燃費向上、正確には燃焼効率の向上が最大のメリットである。エンジンには最も効率よくパワーを引き出せる回転数があり、たとえ勇ましく高回転まで使っていても、効率の良い回転数から外れていると、実際にパワー/トルクは発生していなかったり、極端な燃費悪化につながったりする。燃費性能も重視される現代にあって、トランスミッションの多段化は、一つの選択肢になっている。オンロードからオフロードまでをカバーするラングラーは、できるだけ幅広いシチュエーションにおいて、効率的かつ高い走行性能を確保したい。それゆえの8速だと考えられる。

 また従来パートタイム式であったトランスファーには、ついに「4H AUTO」モードが搭載された。セレクトラック フルタイム4×4システムと名付けられたそれは、2H/4H AUTO/4H PART TIME/N/4Lという5種のモードをレバーで切り替えることができる。ちなみに、クロスカントリー/オフローダー特有のトランスファーについて説明しておくと、4Hは「4WDでのハイレンジ」であり、ハイレンジは通常走行を示す。特徴的なのは4L。これは岩場や泥炭地、川などを走行する際のもので、慎重にトルクをかけながら進むためのモードである。

ジープ WRANGLER詳細写真

インプレッション

爽快な走りを楽しめる、新しい魅力を持ったラングラー

 さて直列4気筒DOHCターボエンジン、これが実に心地良い。3,000回転を超えたあたりからトルクがモリモリ湧いてきて、何ともスポーティな加速感である。3L以上のV6エンジンとはトルクの出方が全く異なるので、これまでのラングラーを知っている人や、3L以上の乗用車を経験している人は驚くに違いない。先に書いた「試乗前の悲観的な心境」は、あっという間に消し飛んでしまった。このワイルドなボディが、軽やかに加速する様は痛快すぎる。極端なドッカンターボではないが、3,000回転以下で走行すれば過給されず、燃費向上も期待できるので、まさに新しい魅力を持ったラングラーということができるだろう。

 ステアリングはニュートラルでの遊びが若干多め。欧州車や現代の国産車と比較すると、最初は「おや?」と感じるかもしれない。しかし、ラングラーはそもそもオフローダーであり、タフな走行シーンも想定されている。その場合、過度に敏感なステアリングはドライバーに負担を強いることになり、最悪は怪我をすることさえある。それらを考慮した結果だと思われる。もちろん慣れで解消される範囲である。

 ところでラングラーは伝統的にコンバーチブルである。新型も、前席上部のルーフは簡単なラッチ操作で取り外し可能。本格派4WDとなると、北海道民はどうしても冬を想像してしまうが、ルーフを取り去って走る夏も楽しそうだ。キャンプ・釣り・サーフィン・MTB・スノーボード・スキーといったアウトドアスポーツはもちろん、4Hでの快適なクルーズから4Lでのダイナミック走行まで、走りそのものを楽しむことができるラングラー。ここまで個性的なクルマは、とても希少な存在だと思う。

ディーラーメッセージ

インポート・プラス札幌美園店
営業グループ
野村 大和さん

 本格派クロスカントリーであるラングラー。快適さが加わり、より魅力的になって新登場しました。後部座席も改善され、ゆったりとおくつろぎいただけるほか、エアコンも独立型となりました。また各種安全装備やリアビューカメラ&モニターも備わり、高い走行性能はそのままに、良い多くの方々にお楽しみいただける内容となっています。特に新登場の2Lターボエンジンの走りは爽快で、町乗りから悪路、雪道までシーンを選ばない頼もしい走破性をお楽しみいただけます。

主要諸元(UNLIMITED SPORT)

全長×全幅×全高:4,870×1,895×1,845mm
ホイールベース:3,010mm
トレッド:前/1,600mm 後/1,600mm
車両重量:1,950kg
最小回転半径:6.2m
エンジン:1,995cc 直列4気筒DOHCターボ
最高出力:272ps/5,250rpm
最大トルク:40.8kgm/3,000rpm
JC08モード燃費:11.5km/l
ミッション:8AT
ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
タイヤサイズ:245/75R17
駆動方式:4WD/FR
乗車定員:5名
車両本体価格:5,043,600円(税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)
取材協力=インポート・プラス 札幌美園店 ℡011-822-8225

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