presented by8+9盛夏号New Car Impression

新技術と思いやりを盛り込んだ 新時代の軽トールワゴン

プロフィール

ファミリーのファーストカーになり得る新型登場

 ダイハツから軽トールワゴンの新型タント/タントカスタムが登場した。タントとは、イタリア語で「とても広い、たくさんの」という意味。同じダイハツにムーブ/ムーブカスタムがあるが、カジュアルでパーソナリユースにも向くムーブに比べ、車内空間を最大限活用し、ファミリーや高齢者の使い勝手を考慮しているのがタントである。

 軽トールワゴンは国内で人気の高いカテゴリー。「小さい」ことは軽自動車のメリットでもあるが、「狭い」というネガティブな印象でもあった。そこで全高を稼ぐことによって広い室内空間を生み出した上、安全装備や走行性能を充実させることで、普通車からの乗り換えも促進してきた。なにより諸経費やランニングコストを低く抑えられることから、HV・EVと並行して支持を拡大してきた。タントは後発モデルながら、息の長い人気を誇る。

 初代の誕生は'03年。2世代目にバトンタッチする'07年までの4年間販売された。その後、3代目が'13年、今回の4代目が'19年と、各々6年間という長期間にわたり軽トールワゴンの代表車種として支持されていることから見ても、徹底したユーザビリティへの取り組みや熟成度がわかる。事実ニューモデルは、極めて広い室内空間、乗降の容易さを生み出す機能、安全装備、エコ性能、そして走りにおいても革新的な魅力に溢れている。

福祉車両もある豊富なラインアップ

 ラインアップは大きくFFと4WDに分かれる。双方にXターボ、X、L(スマートアシスト装着車と非装着車)、カスタムRS、カスタムX、カスタムL、福祉車両フレンドシップシリーズのX(ウェルカムターンシート装着車、ウェルカムシートリフト装着車)、そしてFFにのみ車椅子対応のスローパーがある。

 ムーブとタントには伝統的にカスタムグレードがあり、エクステリアがスポーティになる。今回試乗したのはカスタムRS 4WDで、シリーズ全体の最高級グレードである。以降カスタムRSを中心にご紹介していくが、ノーマルグレードのデザインもなかなか秀逸で、昨今流行の薄目ヘッドライトを採り入れつつ、端正な仕上がりとなっている。

 まずはエクステリア。全体のシルエットはムーブよりもウェイクに近い、直線を基調としたもの。エンジンルームを小さくする一方、居室スペースを大きくとることで、広く開放的な車内空間を実現しようとしている。真横から見るとそれは明らかで、ワゴンというよりもミニバンに近い印象を受ける。フロントウインドウはムーブのように寝かされておらず、広い視界を確保するために極細Aピラーが採用されている。このAピラーによってフロントウインドウの両端には縦長のガラス窓が設けられ、左右の視野が非常に広い。これはムーブキャンバスやウェイクでも採り入れている手法で、安全性の確保と同時に、デザイン上の大きなポイントにもなっている。

ミラクルウォークスルーパッケージは既成概念を超えている

 インテリアはブラックとグレーを基調に、シンプルにまとめられている。視界の邪魔にならない横長のインパネはドライバー正面に安全機能のインジケーターがあり、その左に速度計、さらに左にTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイが表示される。またインパネの両端にはドライブアシストイルミネーションがあり、通常走行時はブルー、エコ走行時はグリーン、注意喚起時にはレッドに光る。

 驚かされたのはミラクルウォークスルーパッケージと総称される各種機能。両側電動スライドドアは珍しくなくなったが、左後ドアは軽自動車初の自動オープン機能や予約ロック機能を搭載。大きな荷物を抱えていたり、雨天時に傘をさしている際など、非常にイージーな乗降を可能にする。そして助手席ドアと左スライドドア内部にフレーム機能を持たせたことで実現した大開口(ミラクルオープンドア)。低床設計と相まって、これまで経験したことがないようなラクラク快適な乗降を可能にしている。

 さらに世界初、運転席ロングスライドシート。なんと540mmものスライド量を実現したことにより、左側から運転席へのウォークスルーも可能になった。助手席も380mmスライドするので、例えばお子様を後席に乗せ助手席は使用しないシーンでは、助手席を前方に畳んでおけば、左側から運転席への移動や、運転席から後席への移動も難なくできる。スーパーなど狭い駐車場で、スライドドアの方が便利な場合、この機能はかなりありがたい。車の乗降の既成概念を大きく変える機能と言える。

ダイハツ TANTO詳細写真

インプレッション

基本性能を底上げ、各種機能も充実

 さて実は今回のモデルチェンジにはかなりトピックが多い。その根幹はカタログの1ページ目に書かれている「新時代のライフパートナー」というキーワードである。これまでスマートアシストとして1・2・3と進化してきた安全運転支援技術は、新たに次世代スマートアシストという総称に変更され、誤発進抑制機能や注射支援システムなど、日常のあらゆるシーンで「こんな機能が欲しかった」と感じられるよう充実度を増した。

 また操縦安定性を高める一方、乗り心地を向上させるため、プラットフォームを刷新。エンジンにも手を入れたほか、D-CVT(デュアルモードCVT)を新開発した。これは通常の金属ベルト式CVTに遊星ギア式動力分割機構を追加したもので、CVTのみで走行するモード(発進、加速、低速時)と、ギアも介入するスプリットモード(巡航時)という2つの駆動力伝達方式を持つ。伝達効率を高めることで、走行性能とエコ性能を両立させようとしているのである。この効果は絶大で、50~60km/hでの走行から加速する際のダイレクト感が向上している。もとよりダイハツのターボエンジンはトルクフルだが、ストレスなく流れに乗れるので、運転が楽しい。

 さらにDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)に基づいて刷新されたプラットフォームは非常に安定感がある。試乗当日は晴天ながら時折強風が吹き、全高が1,700mm以上あるので車体は揺れるのだが、瞬時に収まる。ワインディングに持ち込んでも弱アンダーのマナーを崩さない。ボディ剛性の高さは、例えば下りのカーブで対応が遅れ、急にステアリングを切ったようなシーンでも大きなアドバンテージになる。強大なアンダーステアのまま外側へ膨らむのではなく、フロントが踏ん張り、リアがわずかにオーバーステア気味になった時点で安定する。試乗したのは4WDなので、この挙動にはことさら驚かされた。雪道や凍結路面でもかなり頼もしい存在になってくれることだろう。

 冒頭に記したようにタントのメインターゲットはファミリーであり、中高年である。3~4名で乗車する機会、買い物や趣味の道具を積む機会はかなり多いことが予想される。その用途を徹底的に追求し、新しい技術で実現したのが今回の新型である。ミラクルウォークスルーパッケージだけでも見る価値はある。この開放感、利便性は、すでに普通車を超えている。

ディーラーメッセージ

ダイハツ北海道販売 新琴似店 カーライフアドバイザー
村上 麻衣子さん

 新型タントは様々な利用シーンを想定し、人に優しい多様性を持ち合わせています。例えば世界初となる運転席ロングスライドシートは、後席のお子様へのケアや左側ドアから運転席へのウォークスルーを可能にし、大きな開口部を実現したミラクルオープンドアは荷物を抱えたままでの乗降や、お年寄り・身体の不自由な方の乗降の簡便さまでも考慮しています。刷新されたエンジン、D-CVTは運動性能を高め、さらに各種安全装備もフル搭載しておりますので、ぜひ現車にてお確かめいただければと思います。

主要諸元(カスタムRS 4WD)

全長×全幅×全高:3,395×1,475×1,775mm
ホイールベース:2,460mm
トレッド:前/1,300mm 後/1,265mm
車両重量:970kg
最小回転半径:4.7m
エンジン:直列3気筒DOHCインタークーラーターボ
最高出力:52ps/6,900rpm
最大トルク:6.1kg・m/3,600rpm
JC08モード燃費:23.8km/l
ミッション:D-CVT
ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/リーディングトレーリング
タイヤサイズ:165/55R15
駆動方式:4WD
乗車定員:4名
車両本体価格:1,873,800円(税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)
取材協力:ダイハツ北海道販売 新琴似店、℡011-764-8551

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