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日産が誇るミニバン・セレナが熟成度を増して登場

プロフィール

日本のNo.1ミニバンがさらに進化してマイナーチェンジ

 日産のミニバン、セレナがマイナーチェンジを受けた。よく見かけるクルマだけに凡庸なモデルと思われがちだが、’16年にグッドデザイン賞、RJCカー・オブ・ザ・イヤー、日本カー・オブ・ザ・イヤー「イノベーション部門賞」、さらに運転支援技術の一つである「プロパイロット」がRJCテクノロジー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、非常に評価の高いミニバンがセレナである。事実、’19年次RJCテクノロジー・オブ・ザ・イヤーも受賞し、今年上半期において3列シートミニバンの売上首位となったことからも、その人気のほどがわかる。

 ラインアップは2LガソリンエンジンにS─HYBRIDシステムを組み合わせたノーマル(呼称はセレナ)と、エンジンを発電のためだけに使い、モーターで駆動するセレナe─POWERとに分けられる。4WDのセレナにX・XV・G・ハイウエイスター・ハイウェイスターV。FFのセレナとセレナe─POWERにX・XV・G・ハイウエイスター・ハイウェイスターV・ハイウェイスターGが設定され、全17種類のバリエーション。大きな違いはセレナが8名乗りで4WDとFFの設定があるのに対し、e─POWERは7名乗りでFFのみということだ。北海道では依然として4WD人気が高いのは周知の通りながら、自宅や主たる走行エリアの環境によってはFFで十分という方がいるのも事実。まして安全装備が格段に進化している昨今、ぜひFFのe─POWERにも注目したいところだ。

広大な空間はそのままに、外観デザインを大幅刷新

 試乗にお借りしたのはセレナe─POWERハイウェイスターV。秋の陽光を受けて存在感を主張するサンライズオレンジの一台である。今回のマイナーチェンジではグレード体系にも変化があったが、なによりエクステリアデザインの変更と安全装備の充実が大きい。デザイン上の変更は特にハイウェイスターで顕著だ。X・XV・Gにおいては、日産のデザインアイデンティティであるVモーショングリルが継承され、横一本だったバーを二本に変更。ハイウェイスターではダブルVモーションが採用され、フロントバンパーを超えてアンダースカート付近までがグリルとなり、クロームのグリルパターンが設定された。またLEDリアコンビネーションランプが専用設計となった。

 セレナ人気を支える要素の一つに、クラス最高の広い車内空間が挙げられる。室内長3、240o、室内幅1、545o。この空間がいかに広大か、運転席から後ろを振り返ってみればよくわかる。8名乗りのセレナでも十分広いが、7名乗りのセレナe─POWERではさらにゆったりとくつろぐことができる。シートアレンジは多彩で、3列でゆったり乗車できるモードから2列でのスーパーリラックスモード、そして2列目のお子さんがドライバーの近くに座れるベビーケアモードなど、多彩なだけではなく、実用性をしっかりと考慮した上での配慮が行き届いている。

 オーナー層は20代後半から40代までのファミリー層が圧倒的に多いとのこと。4名乗車での旅行の際には大量の荷物を搭載できるほか、祖父母や知人が同乗する際にも全く余裕。確かにフル乗車する機会は年に何回かしかないかもしれないが、いざという時のアドバンテージは極めて大きい上、コミュニケーションがとれ、2台3台で移動するよりもはるかに効率が良い。カタログ写真はほとんどが女性ドライバーであり、運転の頻度から察するに、日常的な使用は奥様を想定している。だからこその燃費性能であり、安全機能なのである。

ドライバーをアシストし、安全運転を促す万全の機能

 快適装備、安全装備は充実の極みで、まさに至れり尽くせり。今回のマイナーチェンジでは360°セーフティアシストという安全機能パッケージが全車標準となった。その内容も凄い。カメラとレーダーで昼夜問わず機能するインテリジェント・エマージェンシーブレーキ、狭い場所での急加速を制御する踏み間違い衝突防止アシスト、標識検知機能、車線逸脱防止支援システム、後側方衝突防止支援システム、バックの際に他車を検知する後退時車両検知警報、そして対向車がいてもハイビームを自動調整して維持するアダプティブLEDヘッドライト、あるいはハイ/ローを自動調整するハイビームアシスト。これらにより車両周辺360°に注意を払い、万一の際には警告し、大きな事故やうっかりミスを防いでくれる。

 加えてセーフティパックA・Bがあり、インテリジェントルームミラー、インテリジェントアラウンドビューモニター、インテリジェントパーキングアシスト、インテリジェントDA(ふらつき警報)などを選択することもできる。そして日産が誇る運転支援技術「プロパイロット」はオプション設定されるので、これらをフル搭載すると、もはや死角はないと言っても過言ではない。ただし、いつも記しているように、こうした機能を過信せず、あくまでもドライバーが安全運転意識を持つことが大前提であることは言うまでもない。

日産 SERENA詳細写真

インプレッション

乗員の安全性・快適性を徹底的に追及するミニバン

 セレナe─POWERは昨年も試乗しており、低域から32・6smの最大トルクを発生するモーターでのドライビングは非常に軽快だった。最高出力は136psで、平均的な2Lガソリンエンジンに近い数値だが、セレナのようなミニバンが重視すべきはトルクだと思う。なぜなら多人数での移動を考慮したミニバンだからである。さらに言えば街中でのストップ&ゴーでもトルクが太いほうが運転しやすい。e─POWERシステムはセレナにとてもマッチしている。

 コーナリングマナーも好印象のまま。常用域のスピードからステアリングを急に切り込むと、フロントが沈んだ瞬間にリアがしっかりと追従してくる。ボディ剛性の高さと足回りのセッティングのバランスが良いのだろう、非常にスムーズで安定感のある走りだと思う。

 またアクセルペダルだけで加減速できるe─POWER Driveも便利だ。3つのドライブモードのうち、SモードとECOモードでは減速力が強く設定されており、アクセルを離すことでエンジンブレーキのような制動力が強く働く。この特性になれると、毎日の運転が飛躍的に楽になる。まして雨や氷雪など滑りやすい路面におけるアドバンテージは大きい。冬道でエンジンブレーキを用いることは常識。しかしエンジンブレーキのみでは間に合わないシーンもかなり多いため、フットブレーキを併用することになる。その際の力加減によってはタイヤがグリップを失い、スリップやスピンにつながることがある。その点e─POWER Driveはアクセルペダルを戻すだけで制動がかかるので、ブレーキングに神経質にならなくて済む。逆に夏道でこの機能をオフにしたい場合は、ノーマルモードを選択すると制動力が弱まる。切り替えはスイッチ一つなので非常に簡単だ。

 セレナはたくさんの機能と魅力が盛り込まれているだけに、その全てをこと細かにご紹介できないのがもどかしい。また安全装備の中には作動させる状況を作り出さないと実感できないものもあり、体験的にお伝えできない部分もあるのは確かだ。だが、日産がファミリー向けミニバンのセレナに安全運転支援技術を惜しみなく投入していることは特筆に値する。そして、その姿勢が多くの人たちに評価されていることことこそ、セレナの完成度を裏付ける証である。特にe─POWERは次世代に通ずるモデル。ぜひステアリングを握ってみていただきたい。

ディーラーメッセージ

北海道日産自動車苫小牧店 カーライフアドバイザー
石塚 渓太さん

 ゆったりと7名乗車でき、モーターの力強い加速が楽しめるe-POWER。8名乗車でき、S-HYBRID搭載のガソリンモデル。セレナはお客様のライフスタイルやお住いの環境によって多彩なラインアップの中からお選びいただけます。そして共通しているのはデュアルバックドアや同クラスNo.1の広い室内などの快適性と、全車標準装備の360°セーフティアシストによる高度な安全性能です。ファミリーユースのミニバンとして、非常に高い完成度となっていますので、ぜひご試乗ください。

主要諸元(e-Power ハイウェイスターV)

全長×全幅×全高:4,770×1,740×1,865mm
ホイールベース:2,860mm
トレッド:前/1,485mm 後/1,485mm
車両重量:1,760kg
最小回転半径:5.5m
発電用エンジン:1,198cc 直列3気筒DOHC
最高出力:84ps/6,000rpm
最大トルク:10.5kgm/3,200~5,200rpm
モーター最高出力:136ps
モーター最大トルク:32.6kgm
JC08モード燃費:26.2km/l
ミッション:-
ブレーキ:前/ベンチレーテッド・ディスク 後/ディスク
タイヤサイズ:195/65R15
駆動方式:FF
乗車定員:7名
車両本体価格: 3,518,6401円(税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)
取材協力:北海道日産自動車苫小牧店 ℡0144-55-1723

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