presented by2019.12+2020.1冬将軍号New Car Impression

独自の魅力を持つコンパクトSUV 未来を見据えて進化

プロフィール

近未来的でスポーティなコンパクトSUV

 絶大な人気を誇るトヨタのコンパクトSUVが、登場から約3年を経て初のマイナーチェンジ。人気車種とあって「堅実な進化」という内容だが、C-HRが持つ魅力を研ぎ澄ましたという印象を受ける。

 C-HRは’16年12月に登場した新型車で、その起源は14年のパリモーターショーで公開されたコンセプトカー。トヨタの次世代世界戦略車であり、ニュルブルクリンクのようなサーキットのほか、一般道も含めて幾度もの走行テストを繰り返した上、ステアリングからサスペンションに至るまで、SUVとしては異例な「走行性能へのこだわり」を追求して完成したクルマである。その結果、’17年、’18年とSUVジャンルでは売り上げナンバーワンとなり、’19年はRAV4に1位の座を譲ったものの、その人気の高さは誰もが認めるところである。

 特に評価の高いポイントがエクステリアデザイン。無骨、ワイルドというクロカン要素は一切感じさせない、近未来的でスポーティな外観には賛否両論あったが、それまでSUVに関心を持ってこなかったユーザー層へのアピールにも成功したことは間違いない。もう少しクロカン寄りのテイストはRAV4に任せ、個性的なコンパクトSUVとして、独自の道を突き進んでいるのがC-HRなのである。

ひしひしと伝わってくるスポーツへのこだわり

 今回のマイナーチェンジにおけるトピックは大きく3つ。スポーツグレードの追加設定、6速MTの設定、内外装と安全装備のブラッシュアップである。先にグレード体系を記しておくと、1、800tハイブリッドと1、200tインタークーラー付ターボという2種類のエンジンを基本に、G/Sという2つのグレードが存在する。ハイブリッドはG/S、ターボはG-T/S-Tである。そしてターボには4WDも設定されている。

 このうちスポーツグレードとして追加されたのはハイブリッドのS“GR” SPORTと、ガソリンターボのS-T “GR”SPORT、いずれもFFである。GRとはモータースポーツに参戦しているTOYOTA GAZOO Racingのことで、専用の内外装とチューニングされたボディ/シャシを与えられている。もとよりスポーティなC-HRがメーカーチューンされた魅力的なモデルだが、出力やトルク向上よりも剛性アップとサスペンションチューニングが図られている点が面白い。クルマ好きのマニアックな部分を刺激してくる。

 6速MTは1、200tのみの設定で、S-T“GR”SPORT/G-T/S-Tの3種。しかも正確には「6iMT(インテリジェントトランスミッション)」であり、変速時のエンジン回転数を調整してくれるブリッピング機能と、坂道発進のアシストが備わる。マニュアルミッションの比率は大きく減っているものの、どうしてもMT車に乗りたいという層も確実に存在する。その層に対し、トヨタがMT搭載車としてC-HRを選んだというのも興味深い。

未来を先取りするコネクティッドカー

 3つめのトピックは内外装と安全装備のブラッシュアップ。まずエクステリアでは、フロントグリルが大きくなり、フォグランプは左右ダクト内に移動した。ヘッドライトはデイライトとウインカーを兼ねる大型LEDを含め、すべての光源はLED化。さらにリアコンビネーションランプのレンズ形状も新しくなったが、実はエクステリアの変更はこれ以外には見られない。というのもやはりエクステリアデザインが今なお好評なのである。しかもマイナーチェンジなので、ここはあえてリスクを背負う必要はない。

 大きな変化はインテリアにある。8インチのディスプレイオーディオが全車標準装備となり、いよいよコネクティッド機能が導入された。ダッシュパネル中央、ドライバーが左手で操作しやすい場所に鎮座する8インチディスプレイは、スマートフォンとの連動によって、オーディオ、ナビゲーション以上の機能を持つことができる。Bluetoothではハンズフリー通話やオーディオ再生ができ、オプションではあるものの自車の位置を確認できたり、車上荒らしがドアをこじ開けた際にメールや電話などで通知してくれたり、あるいは煽り運転などや事故の際にも、警察・救急に取り次いでくれるヘルプネットなどがそれである。スマートフォンが必須になるため、操作に慣れていない、またはスマートフォンを使っていない方々からは無用に見えるかもしれないが、特にセキュリティ面での利用価値は非常に高い。また情報と「繋がること」の重要性は、すでに自動車においても実験段階を過ぎ、実用化が広がっている。簡単に言えば、お互いの位置を確認しあっている2台の自動運転車は、衝突や接触を絶対にしないということ。もちろんハード/ソフト面の故障や異常がないことが絶対条件となるが、来るべき自動運転時代に向け、各メーカーは様々な取り組みを進めており、トヨタはコネクティッドカーを推進しているということだ。トヨタスマートセンターが収集する膨大な情報(=ビッグデータ)を、社会的な課題の解決に役立てていこうという壮大なプロジェクトなのである。

トヨタ C-HR詳細写真

インプレッション

コンパクトSUVならではの軽快感

 今回お借りしたのはG-T 4WD。エンジンは1、200t直噴にインタークーラー付ターボを備えた、いわゆるダウンサイジングターボ。小排気量ゆえ豪快に加速するわけではないが、低域から実用トルクがしっかりと感じられ、1、500~4、000rpmのトルクバンド内ではとても軽快に走る。ヨーロッパのダウンサイジングターボと異なるのは、ターボによる過給がドッカンではなく、とてもナチュラルである点だ。ヨーロッパ車にも様々な性格があることは承知しているが、C-HRはダントツでナチュラルなフィーリング。初めて乗った人はターボであることに気づかないのではないかと思う。

 また驚いたのは室内の静粛性である。ここでいう静粛性とはもちろん遮音性能という意味でもあるが、ボディ・シャシ・足回りなどC-HRを構成する全パートから、走行に関係ない音が一切聞こえてこないということだ。たとえ高級車であっても組み付けがしっかりしていないとレザーシートのギシギシ音や全閉の窓から風切り音が聞こえたりするが、それらが一切ない。遮音性も高く、積極的にエンジンを回してドライブを楽しむシーンであっても、必要以上にエンジン音が侵入してこない。さすがのトヨタクオリティである。

 ワインディングに持ち込んで見ると、コーナリングマナーの良さもよくわかる。ステアリングに反応し、切った分だけ曲がってくれる素直なマナーを持ち、フットワークは軽快そのもの。見かけでは大きく見えるボディながら、実は車重が1、470sに抑えられている上、全高は1、565o。上位クラスのSUVよりも低い乗用車ライクな全高によって、重心は低くなり、コーナーでの安定感が増す。加えてTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)に基づく高剛性ボディや、フロントに設けられた大型のスタビライザーも大きく貢献している。

 人気車種ゆえすでに見慣れた感のあるC-HR。しかしマイナーチェンジで着実に進化してきた。個人的には是非6速iMTに試乗してみたいと強く感じた。

ディーラーメッセージ

札幌トヨペット クルマックス琴似店
営業グループ
小幡 修平さん

 今回のマイナーチェンジではディスプレイオーディオが全車標準化され、よりスポーティな方向性を持つGR SPORTも追加されました。特にコネクティッド機能ではカーAVとしてだけではなく、セキュリティ面や生活シーンにおいても新機能をお使いいただけます。またボディカラーには新色も追加され、試乗車のエモーショナルレッドIIはカタログを飾るイメージカラーになっています。2トーンもお選びいただけますので、ぜひご来店のうえ、現車をお確かめください。

主要諸元(G-T 4WD)

全長×全幅×全高:4,385×1,795×1,565mm
ホイールベース:2,640mm
トレッド:前/1,540mm 後/1,540mm
車両重量:1,390kg
最小回転半径:5.2m
エンジン:1,196cc 直列4気筒インタークーラー付ターボ
最高出力:116ps/5,200~5,600rpm
最大トルク:18.9kgm/1,500~4,000rpm
JC08モード燃費:15.4km/L
ミッション:Super CVT-i
ブレーキ:前/ベンチレーテッドディスク 後/ディスク
タイヤサイズ:225/50R18
駆動方式:4WD
乗車定員:5名
車両本体価格:2,889,400円(税込)

テキスト:横山 聡史(Lucky Wagon)、Photo:川村 勲(川村写真事務所)
取材協力:札幌トヨペット クルマックス琴似店 ℡(011)631-3131

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