ガソリン安値競争下火 道内価格じわり上昇 元売り、赤字補てん廃止で

2009年 4月13日(月)夕刊

 道内のガソリン販売業界に異変が起きている。産油国の減産などに伴う原油価格上昇で、年明けからガソリン価格はじわりじわりと値上がりしている一方、かつて局地的に見られた激しい価格競争も影を潜め、安売り店と周りの店の差が縮まっている。給油所の赤字補てんの廃止など、石油元売りの方針転換の影響によるものだ。
 「今日、六円上げたばかり。周りの店は変わらないが、本社の指示なので」。四月初め、レギュラーガソリンを一リットル一一二円に値上げした札幌市北区の給油所従業員が話す。
 数百メートル先には「一〇四円」と安さをアピールする給油所が二カ所。以前は安売りを仕掛ける店の周りは軒並み価格が下がるのが常だったが、「今は根負けしてさっさと値上げする所も多い」(関係者)。札幌の男性会社員(43)は「時々行く安売り店が、プリペイドカードがなければ値引きしてくれなくなった」と嘆く。こうした傾向は道北、道南など全道各地で起きている。
 価格競争がやや下火になった主因は元売りの方針変更だ。昨年十月に新日本石油が卸値の改定頻度を月一回から週一回に変え、安売りによる販売店の減益を補う「事後調整」も廃止。ジャパンエナジーなども追随した。「事後調整がないから値下げが難しくなった」と道央のセルフ式給油所の所長が苦笑する。
 元売りの多くは原油調達コストを基に、各地域の店頭価格も加味して卸値を決めてきた。しかし、この方法は「不透明」とされ、元売りは週決めにする際、市場で数カ月先のガソリンを事前に取引する先物価格を指標の一つに導入。一方、この先物価格は安売り店が「業者間転売(業転)」と呼ばれる系列外の割安な製品を仕入れる時の指標でもあったことから、「週決めになって、業転ものと通常の卸値の差が縮まった」(新日石道支店)。
 札幌の業者は安売り業者が「地域で最も安い価格を調べ、それより一円二十銭下げた」と話すのを聞き、周りの価格を見ながら慎重に値決めする姿勢に驚いた。大手販売店からも「安売りにはできるだけ対抗するが、卸値を割る売り方はできない」(北海道エネルギーの木村信広執行役員)との声が漏れる。
 不況や車離れに伴う販売不振で販売店の余力も少ない。札幌河辺石油の河辺善一社長は「最近は週数十銭ずつ卸値が上がったが、これでは小売価格に転嫁できない」と小刻みな改定が負担となる側面も指摘した。「かつて安売り店とは十円以上の差があったが、今は十円以内。値下げがあっても瞬間的な動きにとどまっている」と話す。

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